親名義の家を、子どものお金でリフォームしてよい?
結論 親の了承だけでなく費用と所有と税を確認する
A 親名義の家を子どものお金で直す場合は、誰の財産に利益が生じ、どの名義で残るかを確認します。親がよいと言えば税や融資も問題なしとは限りません。工事の種類、負担、対価、持分等で扱いが変わるため、税理士や司法書士等へ契約前に相談します。特に大きな増改築は、工事後に名義を考える順序にしないことが大切です。
子どもが支払っても、その額が自動で子どもの所有権になるわけではありません。親が所有する建物へ利益が帰属する場合の税、子どもの居住・返還請求等の権利、借入条件を分けます。親の了承があることだけで金銭と名義の問題を終えないことです。
登記と工事の資料をそろえる
土地と建物の所有、担保、相続の状況、工事の見積もりを確認します。同居していても子どもが所有者とは限りません。修理、設備交換、増築等を分け、何へ幾ら負担するかを示します。親の意思と判断能力も確認し、本人のための工事なのか、子どもが住むための工事なのかを整理します。家族の事情を専門家へ具体的に伝えることが重要です。
工事前の土地・建物の登記と見積もり、支払原資、工事後に誰が住むかをそろえます。通常の修理、設備交換、増築等の内容を区分し、どの財産にどの利益が生じるかを専門家へ示します。家族の呼び方だけで贈与・貸付け等を確定しません。
工事代を払う前に、お金の流れと財産の帰属を図にします。子が業者へ直接800万円払う場合でも、工事の効果が親所有の建物へ加わるなら、誰が利益を受けるかを確認する必要があります。親の了承や同居の事実だけで、子の持分が増えるわけではありません。通常の修繕と大きな増改築等で扱いが同じとは限らないため、工事内訳、既存評価、負担額、対価、名義の変更案を税理士と司法書士へ示し、贈与や譲渡等の可能性を確認してください。
贈与や譲渡の可能性を確認する
国税庁は親名義の建物への子の増築について、親が対価を払わなければ利益への贈与税が関係する例を示しています。持分移転で整理する案にも、親側の譲渡所得等の検討があります。全ての小修理へ同じ課税と断定せず、今回の工事と負担を確認します。名義を変えれば必ず無税という考えも避け、関連費用を含めて相談してください。[資料19]
国税庁の親名義建物への子の増築の案内では、対価を払わない親への利益と贈与税、相当持分を子へ移す場合の親側の譲渡等を分けています。持分を移せば全て無税とせず、今回の工事に適用する税・登記・関連費用を確認します。[資料19]
持分を移せば全て解決するという順序にも注意します。移転に伴う税、登記費、担保や融資への影響、親の今後の生活を含めて比較します。貸付けとして整理するなら、実際の返済可能性や条件、記録を確認し、名前だけ借用書を作ればよいとはしません。子の借入へ住宅ローン控除を使う場合も、所有や居住、工事等の要件を満たす必要があり、親の家を直す費用なら自動的に使えるわけではありません。借りられる商品と税の控除は別に照会します。
融資と控除を分けて試算する
子どもが借りる場合、他人名義の家の工事へ使えるかを金融機関へ確認します。親の家を直した借入が、自分の家の住宅ローン控除へ当然使えるわけではありません。国税庁も所有条件に関する事例を案内しています。借入の返済、税と登記、工事総額を加えます。資金援助の非課税制度も方向と対象が違うため、親から子への制度を逆向きの負担へ当てはめないでください。[資料20]
仮定例として、子が800万円を払い、親名義のまま全額が子の資産になると考えているなら、その前提から確認が必要です。これは税額の計算例ではありません。自己資金・借入・税・登記・返済を整理し、支払いと取得する権利がどう対応するかを図にします。
家族の合意を将来まで整理する
きょうだいや相続の意向も確認します。子どもが費用を出したから将来必ず家を相続できるとは限りません。立替え、貸付け、贈与、持分等の扱いを専門家と整理し、返済や取得の条件を記録します。親子の関係がよくても、将来の相続人や配偶者が同じ理解とは限らないため、口約束だけで大きな負担を始めないようにしましょう。
「この800万円は贈与、貸付け、立替え、持分取得等のどの整理になりますか。親側の税、子側の融資・控除、相続人間の精算も工事前に確認できますか」と税理士・司法書士等へ相談します。
きょうだいや将来の相続人には、支出の理由と権利の整理を共有します。子が多額を出したことを根拠に、必ず家を相続できるという期待を置くと、後に意思や事情が変わった時に争いになります。親の生活支援、子の居住、資産の取得という目的を分け、退去や売却、親子どちらかが死亡した時の扱いも相談します。工事後に税と名義のつじつまを合わせるより、契約と支払いの前に、誰が何を得て何を負担するかを明確にすることが重要です。
工事前に資金と名義を一致させる
親の家を子どもが支える方法はありますが、工事代を払う人と財産を持つ人の関係を明確にする必要があります。相談では「この工事をこの人が払う場合、贈与、所有、融資はどうなるか」を聞いてください。税のためだけに名義を変えず、親の生活と家族の意向を踏まえ、費用と権利が説明できる方法で進めましょう。
親の生活を支えつつ、負担する人と権利を持つ人の関係へ家族が合意できたら進めます。将来この家を相続するつもりという期待だけで、高額な工事を負担しないことです。親の意思と判断の確認、きょうだいへの説明も、代金を払う前に整えます。
関連URL
1 [資料19] 国税庁 No4557 親名義の建物に子供が増築したとき
親名義の家へ子が増築費を負担する場合の贈与等を確認する事例です。今回の工事へ個別に当てはめます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4557.htm
2 [資料20] 国税庁 親が所有する家屋について増改築をした場合の住宅ローン控除
親所有家屋への増改築と子の住宅ローン控除について 所有要件等を確認する事例です。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/06/07.htm










