Q.窓の遮音等級「T-1・T-2・T-3」は何を示す?
試験結果と実際の聞こえ方は同じですか?
A.T-1・T-2・T-3は、サッシなどの遮音性能を規格に沿って区分した等級です。数字が大きいほど高い遮音性能の区分になります。ただし、試験室の製品性能であり、自宅の室内騒音や、すべての音が同じ量だけ小さくなることを保証する表示ではありません。
等級は音の高さごとの試験から決まる
窓の遮音試験では、音源側と受音側の間に試験体を設置し、周波数ごとの音響透過損失を調べます。これは、音がどの程度通りにくいかを表す量です。一定の音だけを一度鳴らして、印象で順位を付けているわけではありません。
等級は、規格で定められた周波数範囲の結果と判定条件に基づきます。そのため、T-3という一つの表示の中にも、低い音と高い音への効き方の違いがあります。交通騒音など特定の音が気になる場合は、周波数別の資料も確認します。
説明では、T-1は25dB、T-2は30dB、T-3は35dBという目安を見掛けます。ただし、これを屋外の騒音から一律に差し引き、室内の音を確定する使い方は適切ではありません。実際の部屋には窓以外の経路もあるからです。
dBは通常の割合を示す単位ではありません。T-3だから音が何割聞こえなくなる、と単純に表現することも避けます。音の大きさの変化と、人がうるさいと感じる程度も完全に同じ関係ではありません。
採用する窓の仕様が試験条件に合うか確かめる
窓のシリーズ名が同じでも、開き方、寸法、ガラスの種類や厚さ、組合せで性能の適用範囲が変わります。「このメーカーはT-3です」という説明ではなく、自宅の窓表に記載した仕様で何等級となるかを聞いてください。
サッシ本体とガラスの資料も区別します。ガラス単体の試験結果を、取り付けた窓全体の等級として扱えるとは限りません。枠、可動部分の密閉、取付部を含めた根拠を確認することが大切です。
資料を受け取るときの確認項目
・適用する規格と等級、性能資料の発行元。
・窓種、寸法、ガラス構成などの適用条件。
・気になる音の周波数と、試験結果の関係。
・施工後の確認範囲と、音が残る場合の相談先。
家全体の遮音は、壁や給排気口などとの組合せで変わります。窓だけを上位の等級へ替えても、別の経路が主な原因なら、期待した改善が得られない場合があります。どの経路を先に対策するか、設計者へ確認します。
現場では、枠まわりの納まり、施工後の建付け、開閉部分の状態も関係します。窓を閉めたつもりでも、確実に施錠されていなければ密閉状態が異なることがあります。実際の使用方法まで含めて説明を受けます。
比較見積もりでは、等級に加えて窓の位置と面積を揃えます。道路側の大きな窓を減らす案と、同じ窓を高性能化する案では、明るさや眺望も変わります。差額だけでなく、暮らしへの影響も合わせて判断します。
等級のない仕様でも、資料がないことと、音を全く遮らないことは同じではありません。表示の有無と確認できた性能を分け、不明な条件は追加資料を求めて整理します。
完成後の確認を数値で行いたい場合は、製品単体の再試験なのか、外部から室内への音の減衰を測るのか、目的を先に決めます。現地の結果と試験室のT等級を、測り方が違うまま直接比較しないでください。
私は、上位等級を勧めるときも、対象となる音と窓の仕様を説明できることが必要だと考えています。数値の大きさだけで安心するより、自宅の条件との対応が分かる資料を残します。
住宅会社には「この寝室の窓は、どのガラスと窓種でT等級が確認でき、実際の道路音にはどの範囲の効果を見込んでいますか」と質問します。等級と暮らしを結び付けて比較できます。
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参照資料 A03、A04










