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深いリビング収納。奥の物を取るために、何個動かしますか?

Q.リビング収納は奥行きを深くした方がたくさん入りますか。掃除道具から書類まで、何でも入る収納にしたいです。

A. まず結論から

大きな物を入れるには奥行きが必要ですが、小物まで同じ深さにすると奥が見えにくくなります。「何でも入る」より、何をどの向きで取り出すかを決めることが大切です。

1. 不便が表れる、暮らしの場面

奥に写真アルバム、手前に日用品、その前に一時置きの箱。1つ取るために3つ動かすようになれば、奥の物は使わなくなるかもしれません。そこで収納不足と感じて棚を増やす前に、今ある奥行きを日常の使い方に合わせられないかを考えましょう。

パントリーでも棚の奥行きと収納品の関係が重視されています[資料18]。リビングでも、書類・文房具・掃除機など必要寸法が異なる物を一律に扱わないことです。外寸ではなく、扉や棚受けを除いた有効寸法で確認します。

2. 原因を、もう一段掘り下げる

奥行きの問題は、容量より「手前と奥の順番」が固定されることです。日用品の後ろにアルバムを置けば、アルバムを取りたい日には日用品が障害物になります。使用頻度だけで分けても、奥の物を出す経路がなければ改善しません。奥に置いてよいのは、取り出す手順と必要な時期を把握できる物です。

また、棚の外寸と収納できる内寸、扉を通過できる開口寸法は三つとも違います。棚の中には入る箱でも、丁番や扉の重なりに引っ掛かることがあります。引き出しを設ければ奥まで使いやすくなりますが、収納前に引き出しの奥行きと人の立つ場所が必要です。深さを収納機構だけで解決すると、次はリビング側の通行と競合する可能性があります。

掃除機、書類、日用品を一括収納にするなら、電源や温度条件が必要な機器と、ただ置けばよい物も分けます。収納が深いから充電設備まで奥へ隠すのではなく、点検と出し入れできる面を残してください。

同じ奥行きでも、書類を立てる棚と掃除機を置く区画では使う高さが違います。全段を均等な高さに割ると、長い道具を倒して収納することになり、他の物が取りにくくなる場合があります。上位10点の一覧を作った後は、縦置き、横置き、引き出す物を分けて立面図へ記入します。内部の一部に棚を付けない選択も検討してください。空間を棚板で埋めることが収納の完成ではありません。扉を開け、必要な一つを取り、戻して閉める動作が、手前の荷物を床へ移さずできるかが確認点です。

箱を選ぶときは中身を入れた状態の重さも確認します。軽い空箱が引き出せても、書類が詰まると片手では扱いにくくなります。重い物を小分けにできる仕切りと、箱をいったん置ける台の位置まで考えてください。

3. 数字・寸法・動作で確かめる

比較用の仮例として、幅1,800mmの収納を奥行き600mmから350mmへ変えると、単純な平面上の差は1.8m×0.25m=0.45㎡です。壁厚や工法による納まりは別で、この面積がそのまま居室として増える保証ではありません。ただ、使わない深さを減らす検討には意味があります。

奥の箱を取るために手前の3箱を移し、元へ戻すなら、目的の箱以外に少なくとも6回の移動があります。これを1箱の取出しと同じ扱いにせず、よく使う物から順に動作を書き出してください。

4. 採用案と代替案を比較する

スーツケースや季節用品には深い収納が合う場合があります。小さな物は浅い棚、引き出し、取り出せる箱などで管理しやすくします。同じ収納内でも、上下や左右で深さを使い分ける方法を検討してください。

比較案1|浅い棚を中心にする

書類や小物を一列で見渡す計画に向きます。大きな掃除機や季節家電の行き先を別に確保し、浅くした結果ほかの部屋へ収納を増設しないか確認します。箱の品番や持ち手まで測り、紙だけ入る寸法にしないことが必要です。

比較案2|深い部分と浅い部分を分ける

同じ扉の中でも、縦長の掃除機区画、浅い文房具棚、大きな箱の区画を分けます。棚板を細かく増やしすぎると変更しにくいため、将来の物量に合わせて動かせる範囲を確認します。異なる物を同じ深さへ押し込まない考え方です。

比較案3|深い棚を引き出しや箱で使う

建物側を変えられない場合にも検討できます。箱の総重量と持ち手、引き出し前の空間を確認し、大きな箱ほどよいと考えないでください。重い物を頭上から手前へ引く使い方は避け、誰が戻すかまで決めます。

5. 契約前に、ここまで確認する

収納予定品の上位10点を選び、寸法と使う頻度を書きます。頻繁に使う物は手前か引き出しへ、低頻度の物はまとまりごとに管理します。奥まで開く引き出しを選ぶなら前方の空間と荷重も確認し、部屋の家具と干渉しないようにしましょう。

  1. 大きな物と小さな物を同じ棚へ混在させていないか。
  2. 日常品を取るとき、手前の物を動かさずに済むか。
  3. 奥まで見える照明と、手が届く寸法があるか。
  4. 引き出しや箱を取り出す前方の空間を確保したか。
  5. 深さを減らして部屋を広くする案も比較したか。

6. 初期費用・維持費・将来交換まで比べる

収納面積を増やす前に、内部の棚や引き出しで改善できるか見積もります。使わない奥行きのために居室を狭くする必要はありません。収納の費用は面積だけでなく、日々の出し入れに効いているかで判断しましょう。

見積もりには収納の外形だけでなく、棚板、金物、引き出し、照明、前方の家具配置を含めます。収納を深くしたためにソファを小さく買い替えるなら、それも選択の影響です。一方、深いまま棚だけ直せるなら壁を動かす工事より負担を抑えられる可能性があります。造作費と収納ケース代、将来の機構交換を別に示してもらいましょう。

7. すでに採用した場合の改善手順

まず日常品を一列に並べ、奥の空間を一時的に使わず生活してみます。収納量が足りない物と、取り出しにくい物を別に数えることが重要です。必要なら低頻度品をまとまりで箱に入れ、手前に何があるかラベルで残します。棚の耐荷重が不明なまま引き出し金物を追加せず、施工店へ写真と寸法を送ります。収納を増やす前に、奥の物を一つ取り出す手順が減るかを試してください。

8. 打ち合わせで、そのまま使える質問

「この収納へ入れる10点の寸法と使用頻度を渡します。奥の物を取るとき何を動かすか、扉の開口と引き出し全開の図で説明してください。浅くする案、左右で深さを変える案、既存の深さを生かす案を、ほかの収納が増える費用も含めて比較したいです」と質問します。

9. 採用してよい場合・見直したい場合

深い収納は、大きな物と出し入れの経路が合えば役立ちます。奥の物へ毎回届かず、手前を片付けなければならないなら見直し時です。「余裕がある収納」と「使わない奥行きが多い収納」を区別しましょう。

俺流ポイント|奥行きが深いことと、暮らしへの配慮が深いことは違う。

山梨県で家づくりをご検討の方は、現在の収納の写真と残したい物の寸法をお持ちください。デザインハウス甲府へ、片付け方と間取り・総額をまとめてご相談ください。

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参考資料:18

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