気密測定は、完成時だけでよい?
結論 :施工中と完成時の測定を使い分ける
A 気密測定は、完成した状態を確認する測定に加え、修正しやすい施工途中の測定を検討すると、施工の改善に役立ちます。ただし、必要な実施回数と時期は、工法や施工手順、契約内容に沿って決めます。
気密性能の指標として使われるC値は、床面積当たりの隙間の大きさを示す数値で、一般に平方センチメートル毎平方メートルで表します。断熱の指標であるUA値とは別です。断熱材や窓の仕様が分かっても、施工された建物の気密の状態を同じように確認できるわけではありません。契約時には、高気密という言葉だけでなく、測定と結果の扱いを確認することが重要です。
修正できる工程に途中測定を組み込む
施工途中の測定では、気密の主要な部分ができた段階で、空気の漏れを探して対応しやすい利点があります。壁や天井で隠れた後に問題が分かるより、直せる範囲が広い場合があります。早すぎて測定できる状態でなければ意味が薄れるため、時期は施工担当者と相談します。
施工途中に測る場合は、測定に必要な気密の部分ができ、問題が分かれば修正できる時期を選びます。工法によって壁や天井の施工順が違うため、他の会社と同じ日程で行えばよいとは限りません。どの部位が完成し、どこが未施工の状態で測るかを説明してもらいます。途中の結果が良くても、設備工事等の後に完成状態をどう確認するかを合わせて相談してください。
完成時の状態と測定条件を記録する
完成時の測定は、設備や配管等の施工が進んだ最終的な状態を確認する役割があります。途中で良い結果が出ても、その後の貫通工事等の影響を確認しないまま、完成した住宅の結果として扱わないことが大切です。
測定条件では、開口部や換気設備等の扱い、対象面積、測定の方法を記録に残してもらいます。数値をよく見せるために都合のよい条件を選ぶのではなく、採用する方法に従っているかが重要です。施主が目張りを外す等の作業を自分でする必要はありません。測定者へ、報告書に条件が分かる記載があるかを聞き、異なる条件の数値を無理に比較しないようにしましょう。
数値の前提と目標未達時の対応を確認する
気密性能の数値を見る際は、測定時の建物の状態、開口部の扱い、測定方法、対象面積等も確認します。建築研究所の資料でも、測定条件によって結果が変わる例が示されています。違う条件の数値だけを並べて優劣を決めないようにしましょう。[資料14]
目標に届かなかった場合は、漏れの確認、施工の修正、再測定をどう進めるかを決めます。費用や回数、判断する時期は契約内容も関係するため、結果が出てから初めて相談するより、契約前に扱いを確認しておく方が明確です。合格という言葉だけでなく、どの基準を満たした結果かを聞きます。会社の平均値や別の現場の数値と、自分の建物の測定結果を混同しないことも大切です。
契約条件と立会い時の説明を確認する
契約前に確認したいのは、目標値、測定時期、報告書、目標に届かなかった場合の確認・補修・再測定の扱いです。測定したという事実だけでなく、結果を見て何をするかまで決めます。施主が立ち会えるか、立ち会えない場合は何を共有してもらえるかも聞いてください。
立ち会う場合は、測定の目的と流れ、漏れが分かった場合の説明を受けます。施主が数値だけを撮影して終えるより、どの条件で測り、何を確認したかを記録する方が後で役立ちます。立ち会えない場合も、測定日、建物の状態、結果、必要な対応を報告書で受け取ります。引き渡し資料の一覧へ気密測定の記録を入れ、施工写真等と一緒に保管しましょう。
測定費と報告書を含めた範囲を比べる
費用を比べる際は、測定一回の価格だけでなく、施工中の確認と完成時の検証がどのように組み込まれているかを見ます。回数を増やすだけで住宅の快適さが決まるわけではなく、断熱、日射、換気、空調等の設計も必要です。そのうえで、気密については実際の施工を確認できる計画が大切です。目標、方法、時期、是正、記録を一組で説明できる会社かを確かめてください。
住宅会社への質問は、「途中と完成時の測定をどう使い分け、完成した家の気密性能を何で確認しますか」です。良い数字を一度出すことより、施工と結果を確かめられる計画にすることが重要です。










