Q.木造住宅の火の広がりをどう抑える?
石こうボードとファイヤーストップ構造の役割は?
A.石こうボード等の防火被覆は、火災の熱が構造材へ直接伝わることを遅らせる役割を持ちます。ファイヤーストップは、壁や天井等の空間を通って火が広がる経路を抑えるための措置です。材料名だけで判断せず、被覆の連続性、取合部、設備の貫通部まで採用仕様で確認してください。
被覆と空間のつながりを確認する
木造の防火対策では、構造材の表面へ火が直接当たらないようにする被覆が重要です。石こうボードを使う場合も、必要な種類、厚さ、張り方、留付け方法を確認します。クロス等の仕上材の見た目だけでは判断できません。
石こうボードは、製品の種類や構成、施工方法を含めて性能を確保します。単に「厚い製品だから大丈夫」とせず、採用する防火の仕様に適合することが必要です。同じ厚さの別材料へ自由に置き換えられるわけでもありません。
壁の内部や天井裏には、空間が連続する部分があります。そこを火や熱が通って別の場所へ広がることを抑えるため、必要な箇所へファイヤーストップ等を設けます。室内から見える面がきれいに仕上がっていても、内部の経路は別に確認します。
ファイヤーストップに使う材料や位置は、工法と仕様で異なります。木材、所定の断熱材等を使う方法もありますが、何でも隙間へ詰めればよいわけではありません。必要な性能と寸法、留まり方を資料に照らします。
配管や照明を含めて仕様を守る
天井や壁には、照明、コンセント、配管などが取り付けられます。それらによって被覆に穴や隙間ができる場合、仕様上どの処理が必要かを確認します。「小さい穴だから問題ない」と現場だけで判断しないことが重要です。
ダウンライトを変更する、点検口を追加する、設備を壁へ埋め込む場合も、防火被覆との関係を設計者へ相談します。製品だけが防火対応でも、周囲の施工を含めて適合を確かめる必要があります。電気・設備工事との工程調整も行います。
隠れる前に確認したい箇所
・壁と天井の被覆材の種類、厚さ、張り方。
・壁・床・天井の取合部とファイヤーストップ。
・照明、点検口、配管などの貫通部分の処理。
・仕様の根拠、検査時期、是正と写真の記録。
省令準耐火を採用する場合は、住宅金融支援機構が示す工法別の仕様等で確認します。石こうボードを張ったという一つの事実だけで、必要なすべての仕様を満たしたとはいえません。屋根や外壁等を含む条件はNo69で確認します。
枠組壁工法には、枠組材等によって内部の空間が区切られる特徴があります。ただし、その特徴だけをもって、配管まわりや天井の施工を省略できるとは判断しません。自宅の図面と採用仕様に合う納まりが必要です。
工事写真は、部屋の完成状態だけでなく、被覆前後や取合部が分かるものを残します。どこの部位か、どの仕様を確認したかを記録すれば、将来の改修時にも役立ちます。施工後に全てを開けて確かめるのは現実的ではありません。
断熱や気密の工事と、防火の工事は互いに関係しますが、役割は同一ではありません。断熱材で隙間を埋めたことや、気密測定で良い数値が出たことを、防火性能の証明にはしないでください。別々の確認項目を揃えます。
入居後に壁へ新たな配管を通す場合は、構造図と防火の仕様を施工者へ渡します。穴を開けた後、化粧カバーで隠すだけの処理では、当初の被覆を復旧したことにならない場合があります。変更した箇所と復旧方法も記録します。
火の広がりを遅らせる構造でも、煙や火災の発生そのものをなくすことはできません。感知器の管理や避難経路の確保は続けて必要です。設計上の防火措置を、避難を待ってよい理由にはしないでください。
住宅会社には「この壁と天井では、火を受ける面の被覆と、内部の火の通り道をどう確認していますか」と尋ねます。木造は火に弱いという印象だけで選ばず、隠れた施工を具体的に確認できます。
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