施工棟数に同じ家の新築と改修が別々に入っていたら、どう読む?
同じ家の新築と改修を別々に数えているなら、それは建物の数ではなく工事の件数として読む必要があります。新築と改修の経験はどちらも価値がありますが、同じ種類の実績ではありません。集計期間、数え方、工事内容、担当した範囲を確認し、自分が頼む新築工事に関係する経験を取り出して比較してください。二回数えていることだけで水増しと断定するのは早計です。
一棟と一件が示す単位を確かめる
会社が示す『施工棟数』には、新築した建物の数、完成した工事の件数、引渡した住戸数など、異なる単位が使われている可能性があります。まず何を一つとして数えているかを聞きます。同じ住宅を新築し、十年後に改修したなら、建物は一つでも工事は二回です。どちらを集計することも目的次第ですが、名称と説明が一致する必要があります。
集合住宅では一棟に複数の住戸があり、一つの敷地で複数の建物を施工することもあります。件数が大きいという印象だけで比較せず、単位をそろえてください。会社の規模を知りたいのか、注文住宅の経験を知りたいのか、継続的な維持管理を知りたいのかによって、必要な数は変わります。自分の問いを決めると、集計の読み方も明確になります。
工事の種類ごとに経験を読み分ける
新築、増築、全面改修、設備交換、外壁補修などは、必要な経験や管理の内容が異なります。小さな工事を軽視する必要はありませんが、設備交換の件数を新築の施工経験と同じ重さで扱うことは適切ではありません。新築を依頼するなら、新築の件数をまず取り出し、その中で構造、規模、地域、商品が自分に近いものを確認します。
改修実績には、既存住宅の状態を調べる、住みながら工事を調整する、不具合の原因を確認するなどの価値があります。新築と改修を両方担当しているなら、建てた後の変化を知り、その経験を設計へ戻しているかを質問できます。単に重複しているから無意味と考えるのではなく、どの能力を示す実績かを分けて評価してください。
仮に新築30棟と、そのうち10棟の改修を合わせて40件と表示しているなら、新築した建物は30棟、工事は40件と整理できます。説明用の数字ですが、この分け方なら双方の経験を失わずに把握できます。一方、『40棟の新築実績』と説明されていれば意味が違うため、訂正を求めます。問題は二回の仕事を数えることではなく、何を示す数字として伝えているかです。
期間と担当範囲を合わせる
累計実績と年間実績を同じ欄に置くと、歴史の長い会社が常に大きく見えます。現在の体制を比較したいなら、直近の一定期間の件数も確認します。創業以来の累計は会社の歩みを知る資料として残し、最近の担当拠点の新築件数や工事内容と分けて見てください。過去の多数の仕事が、現在の人員の経験と一致するとは限りません。
元請として全体を担当したのか、設計だけ、専門工事だけ、グループ会社として関わったのかも区別します。同じ建物に複数社が関わることは自然ですが、各社の実績が何を示すかは担当範囲で変わります。自分が一括して依頼したいなら、全体を調整した経験がどの程度あるかを確認します。写真の枚数だけで業務範囲を推測しないことです。
匿名の内訳で十分に確かめられる
会社には、対象期間、工事区分、建物数、工事件数をまとめた一覧を求めます。他の施主の名前や住所、契約額を全部開示してもらう必要はありません。重複した建物を匿名の番号で管理した集計なら、数え方を確認できます。厳密な全件一覧が出せない場合でも、集計の定義と主な内訳が説明されれば、参考資料としての限界を判断できます。
担当者が数字の定義を知らないときは、集計した部署に確認してもらいます。すぐ答えられないこと自体より、確認後に一貫した説明が戻るかを見ます。広告と会社案内で数字が違うなら、対象期間や更新日の差があるかを照合します。違いを見つけた段階で不正と決めつけず、説明によって整合性が取れるかを確認することが実務的です。
過去のデータが十分整理されていない会社もあります。その場合は、細かい累計の精度を追い続けるより、直近の確認できる実績へ切り替える方法があります。ただし、根拠が曖昧な大きな数字を選定上の優位として採点することは控えます。確認できる範囲を示してもらい、その範囲で現在の体制と具体的な仕事を評価してください。
件数と管理能力を直結させない
新築件数が多ければ、それだけで一棟あたりの管理が十分とは言えません。監督や設計者が担当する件数、現場の距離、検査の仕組みなどと合わせて考えます。逆に件数が少ない会社でも、今回に近い住宅を丁寧に扱い、支援体制が明確なら有力な候補になります。実績数は経験の広さを考える材料であり、品質の点数そのものではありません。
自分に似た実例を選び、工事の難しかった点、確認した方法、完成後に改善した点を聞くと、件数より具体的な判断材料が得られます。新築と改修の重複があるなら、なぜ改修したのかも、確認できる範囲で聞きます。家族の変化による改修と不具合の補修は意味が違うため、工事名称だけから原因を推測しないことです。
自分の目的に合う比較表を作る
比較表は、累計の新築建物数、最近の新築件数、改修の内容、担当拠点、今回に近い実例を分けると使いやすくなります。数字の単位と期間が同じものだけを横並びにします。単位が異なる場合には、無理に一つの順位に変換せず、その違いを記載します。見た目が整った表でも、意味の異なる数字を足し合わせると判断を誤ります。
実績の確認で得たい結論は、最も大きい数字の会社ではなく、自分の家を今の体制で適切に進められる会社です。工事経験の種類を理解した後は、今回の担当者、図面、見積、管理計画を確かめます。過去の集計を細かく検証するだけで契約条件の確認が遅れないよう、必要な判断材料がそろったら、次の具体的な検討へ進みましょう。
深澤の判断と次の行動
私なら、建物数と工事件数を分け、新築を頼むための実績を取り出して比べます。改修の経験も、建てた後の知見として別に評価します。数字の大きさに反応するより、数え方を説明でき、今回に近い工事の経験と現在の管理体制を示せる会社を選びたいと考えます。実績は数を競う材料ではなく、仕事の中身を知る入口として使います。
参考資料 確認日 2026年10月25日
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