Q.換気フィルターで花粉やPM2.5はどこまで除去できる?
捕集性能と風量の関係は?
A.捕集できる粒子と割合は、フィルターの仕様、粒子の大きさ、試験風量などで異なります。試験での捕集率が、そのまま家の中の濃度の減少率になるわけではありません。性能の対象と、必要な換気量を保てる組合せを確認してください。
何をどの条件で捕まえる数字か
花粉やPM2.5などを対象とする給気フィルターは、外から取り込む空気中の粒子を減らすために使います。ただし、花粉と小さな粒子では大きさや性質が違うため、花粉対応ならすべての微粒子も同じ割合で捕集するとは限りません。
カタログに捕集率が示されている場合は、対象粒子、粒径、試験方法、風量を読みます。フィルターを一度通過する空気で評価した割合なのか、一定時間運転した試験室で濃度が下がった割合なのかも別です。条件の違う数字をそのまま比較しないでください。
例えば、ある条件で90%を捕集したという説明でも、自宅の室内濃度が必ず90%低くなるとはいえません。屋外の濃度、窓の開閉、別の流入経路、室内の発生源などが関係します。この数字は指標の違いを示す仮の例で、特定製品の性能ではありません。
粒子用フィルターの性能は、CO₂やさまざまなガスを除去する性能とは別です。臭いも気になる場合は、その成分に対応する機能があるかを個別に確認します。「高性能フィルターだから空気の問題をすべて解決する」とは受け取らないことが大切です。
捕集性能と空気の通りやすさを一緒に見る
フィルターには空気が通る際の抵抗があります。機器が想定しない密度や大きさの部材へ替えると、風量や運転音などが変わる可能性があります。細かいものを捕まえるほど必ず自宅向き、という選び方ではなく、メーカーが指定する適合品で比べます。
汚れによって抵抗が増えたときの風量も、ファンや制御によって変わります。風量を保とうとして電力などが変わる機器も、風量が低下する機器もあるため、すべて同じ動作とはいえません。点検の頻度と、交換が必要な状態を確認してください。
採用前と交換時に確認する項目
・対象粒子、粒径、捕集率と試験条件。
・採用機器への適合、運転時の風量と抵抗。
・清掃できる範囲、交換の目安と部品番号。
・設置台数分の購入費、入手先、作業のしやすさ。
フィルターの外周などに空気が抜ける経路があれば、想定した性能を生かせない場合があります。取付方向、パッキン、ふたの閉め方も取扱説明書で確認します。高い捕集率の商品へ交換する前に、正しく収まっているかを見ることが大切です。
水洗い、掃除機、洗剤の使用についても、部品ごとに指示が異なります。洗える粗じん用と、洗えない高性能フィルターなどを混同しないでください。見た目がきれいに戻っても、ろ材の機能まで元に戻るとは限りません。
室内の掃除や発生源への対策は、給気フィルターと役割が違います。外気から入る量を減らしても、室内のほこりや調理による粒子などがなくなるわけではありません。必要に応じて換気、清掃、別の空気清浄の役割を整理します。
引き渡し時には、実物を取り外して戻す方法を教えてもらいます。天井が高い場所や多数の機器では、一回の交換作業の負担も変わります。長く交換を続けられる配置と費用まで確認したうえで、性能を選んでください。
交換費を比べるときは、一枚の価格と、家全体で一回に必要な枚数を区別します。複数種類を使う場合は、場所と品番を一覧にすると、買い間違いや交換漏れを減らしやすくなります。
住宅会社には「何%取れるかに加えて、このフィルターで必要な風量をどう保ちますか」と聞きます。粒子を減らす機能と、換気を続ける条件の両方を確かめられます。
関連する質問
33 顕熱交換と全熱交換は何が違う?温度と湿度の交換をどう読み分けますか?
35 換気回数「0.5回/時」とは?2時間で家中の空気が全部入れ替わる意味ですか?
39 CO₂濃度が低ければ室内空気は安全ですか?測定できるもの・できないものは?
参照資料 V05、V09、V10、V13










