廊下をゼロにするため、リビングを通路にしてよい?
判定 条件付き
条件付きです。廊下を減らしてリビングへ面積を配分する考え方はあります。ただし、廊下をゼロにすることを目的にして、くつろぐ人の前を家族が何度も横切る計画は勧めません。私は通る場所と落ち着いて過ごす場所が、同じ空間の中で両立するかを見ます。
廊下を減らした面積はどこへ行くか
図面の「廊下」という文字を消しても、人が移動する空間そのものは必要です。リビングの中央を通路にすれば、その部分へソファやテーブルは置けません。リビングの畳数は増えたのに、実際に座って使える場所はあまり増えないことも考えられます。私は面積表より、家具を置いた後に残るくつろぎの場所を見ます。
廊下を少なくする利点は、移動を短くしたり、家族の気配を感じやすくしたりできることです。一方で、廊下には部屋の出入りを整理し、生活の場面を区切る役割もあります。パナソニックの間取り資料も、空間のつながり方で使い勝手が変わることを説明しています。形式の名前ではなく、家族が何を優先するかから決めたいところです。
一日の通り道を色分けする
朝は寝室から洗面所、着替え、食卓、玄関へ。帰宅後は荷物を置き、手を洗い、着替える。こうした順序を家族ごとに書いてみてください。同じリビングを通っても、壁際を通るのか、テレビとソファの間を通るのかで感じ方は違います。私は特に、人が同時に動く朝の時間帯を図面上で確かめます。
洗濯かごや買い物袋を持った動きも描きます。身体だけなら通れても、荷物を持つと椅子を避けなければならない配置では、通るたびに手間が増えます。子どもが床で遊ぶ場所と重なるなら、片付けをしないと通れない日常になるかもしれません。家族の努力だけに頼らず、通路になる帯を確保できるかを見ます。
来客のいる日を想像する
普段は気にならなくても、来客中に家族が入浴や着替えのため何度も横切る配置は、家族によって負担になります。リビングを通ることが問題なのか、来客から脱衣室の中まで見えることが問題なのかを分けてください。入口の向きを変える、小さな壁を設ける、収納を間に挟むなど、廊下を長く作らずに調整できる可能性があります。
玄関を開けたときの視線も確認します。荷物の配達に応じるだけで、ソファに座る家族や食卓が見える計画をどう感じるかは人それぞれです。私は玄関の位置から室内を見た図と、ソファに座った高さからの見え方を確かめます。リビングの外周へ通路を寄せれば、移動する人とくつろぐ人の視線を分けやすくなる場合もあります。
扉の数より 音の通り道
各室の入口をリビングへ集めると、出入りの動作や音をどう受け止めるかも検討が必要です。夜に一人がテレビを見ている横で、別の人が寝室へ入る。家族が早朝に洗面や洗濯をする。こうした生活時間の差を聞かず、開放感だけで決めることは勧めません。静かにしたい場所の入口が、音の出る場所へ直接向かない配置を検討します。
扉を増やせば解決するとも限りません。通るたびに開け閉めする場所へ扉を付けても、普段は開け放すなら期待した使い方にはなりません。私は「いつ閉めたいか」を具体的に聞きます。来客時だけ、子どもが寝た後だけなど、場面が分かれば、そのときだけ区切れる建具や配置が必要かを判断しやすくなります。
廊下へ別の役割を持たせる案
廊下を残す案も、ただ歩くためだけの空間に限定せず検討します。日用品の収納を置く、家族の持ち物を受け止める、洗面や着替えの動きを整理するなど、位置によって役割を持たせられます。ただし収納の扉を開けると通れないのでは逆効果です。廊下と収納を一体で考え、使っているときの幅を確認します。
廊下を回遊できる形にする案では、通り道を増やした分だけ家具を置く壁が減らないかも見ます。回れることが便利でも、目的地までの動きがほとんど変わらないなら、その入口が必要かを考え直します。私は通路の多さや少なさを目標にせず、家族が繰り返す動作を少ない負担で行えるかを基準にします。
二つの案を同じ暮らしで比べる
比較するときは、廊下ありと廊下なしの案へ、同じ家具と同じ家族の動きを描きます。面積だけを違う条件で比べると、どこが便利になったか分かりません。ソファで休む、食事を運ぶ、来客へ応対する、夜にトイレへ行くなど、家族が気にする場面を順番に試します。通る距離の短さと、邪魔にならないことの両方を見ます。
今は問題なくても、将来一階の部屋を寝室にする可能性があるなら、そのときの動線も確認します。リビングを通らないと洗面へ行けないことで、生活時間の差が負担になるかもしれません。だから必ず廊下を作るという結論ではなく、将来区切れる位置や建具を設ける余地があるかを設計者に尋ねます。
最終的には家族が許容できる干渉を決めます。通る姿が見えることを安心と感じる家族もいれば、静かに休む時間を重視する家族もいます。片方の希望だけを正解にしないことです。私は、廊下を減らすことで得られる具体的な便利さと、日々増える配慮を並べ、双方が納得する案を選ぶよう勧めます。
深澤の判断と次の行動
私なら、廊下ゼロを合格条件にはしません。家具を置いた図面に、朝と夜と来客時の通路を引いてみてください。通る帯が整理され、くつろぐ場所を守れるなら採用できます。リビング全体が通過場所になるなら、小さな廊下や配置の調整を残す方が暮らしに合う判断です。
参考資料 確認日 2026年10月25日
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