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平屋で暮らしたい。でも浸水したら、どこへ逃げる? 家を決める前に必要な避難計画とは?

結論

平屋を選ぶなら、水害時に自宅の上階へ移れないことを、土地選びの段階で考えます。私なら、間取りを決める前に、その土地の浸水想定と家屋の流出などの危険性を確認し、家族が早めに移動できる避難先と経路を決めます。平屋がすべて危険という意味ではなく、その土地で成立する避難計画が必要ということです。

「近くに高い建物があるから、いざとなれば逃げればよい」という考え方にはしません。実際に利用できる場所か、そこへ移動できる時間があるか、家族全員が動けるかまで確認します。家の暮らしやすさと、災害時の行動を切り離さないことが大切です。

ハザードマップの色を暮らしへ置き換える

国土交通省の水害に関する案内は、浸水の深さだけでなく、家屋倒壊等氾濫想定区域など、自分のいる場所の危険性を確認するよう示しています。区域によっては、上の階に留まる考え方で対応できない場合もあります。階数だけで安全を決めることはできません。[1]

地図を見るときは、購入候補の土地に印を付けるだけで終わらせず、周囲の道路や避難先も一緒に確認します。敷地だけが比較的高く見えても、そこへ出入りする道の条件は別です。家族がどこへ移動するかを、線として地図に描いて考えます。

例えば、普段は駅へ向かう最短経路を使っていても、避難時は同じ経路を選べるとは限りません。地下道や川沿いなど気になる場所があれば、自治体の資料と現地の位置関係を確認します。雨が強くなってから、下見のために危険な場所へ出かけることはしません。

地図で意味が分からない表示は、凡例を読み、自治体の防災担当窓口へ確認します。「色が薄いから大丈夫」と感覚で読み終えず、何が想定され、どの条件で行動が必要になるのかを理解してください。住所が同じ地区でも、詳しい場所を特定して相談することが必要です。

屋内に留まれる条件を勝手に広げない

屋内で安全を確保できるかは、浸水の想定、建物の状況、留まれる高さ、備えなどによって変わります。国土交通省は、想定される浸水より高い場所や、孤立する間の備えなどを条件として示しています。平屋では、その高さを確保できるかを特に慎重に確認します。[1]

ここで、屋根へ上がればよいという計画にはしません。普通の生活で使わない場所へ、雨風の中で家族全員が移動することを、通常の避難方法として頼りにしないためです。自宅に留まれるかを曖昧にしたまま家を選ばず、必要なら早い段階で別の土地も比較します。

土地の高さを変える提案を受けた場合も、その工事だけで地域の水害リスクがなくなるとは考えません。敷地からの移動、周囲の水の流れ、避難情報への対応を含めて確認します。建物側の対策と、家族が避難する判断の両方を用意する考え方です。

また、二階建てならどこでも問題ないという結論にもなりません。家が流されるおそれや、避難生活を続ける条件は別に確認が必要です。平屋か二階建てかを先に勝負させるより、その土地の危険性を把握してから住宅の形を考えます。

家族が実際に利用できる避難先を決める

避難先は、洪水時に利用できると自治体が案内している場所を調べます。名前を知っている施設でも、その災害で利用できるか、受け入れの条件はどうかを確かめてください。親族の家などを候補にする場合も、相手の了承と、その場所の危険性の確認が必要です。

仮に、小さな子どもと高齢の親がいる家庭なら、大人だけで歩いた時間をそのまま使わず、準備と移動に必要な時間を考えます。靴を履く、必要な薬を持つ、家族へ連絡するなど、出発までの動きを紙に書くと、早く判断する必要性が見えてきます。

車を使う予定なら、車がない時間帯や、運転できる人が不在の場合も考えます。浸水した道を進む前提ではなく、危険が高まる前に移動を終えられる計画を検討します。通勤に使っているから大丈夫、という説明で終わらせないことです。

候補の場所へ行けない場合に備え、別の選択肢も家族で共有します。たくさんの施設名を覚えるより、どの状況でどこへ向かうかが分かる方が実用的です。経路や開設状況は、実際の災害時の情報で確認する必要があります。

避難するタイミングを平常時に書く

甲府市は、地域の水害リスクを確認し、避難先、移動時間、準備開始や避難開始のタイミングを整理するマイ・タイムラインの作成を案内しています。時間どおりに災害が進むわけではないため、最新の情報を確認し、早めに行動することも示しています。[2]

私なら、家族で一枚の予定表を作り、誰が情報を確認し、誰へ連絡し、何を持って出るかを書きます。スマートフォンを使う人だけが内容を知っている状態を避け、紙でも見られる場所に置く方法を勧めます。停電や通信の不調で慌てないための準備です。

実際に災害が迫ったら、作った表を守ること自体を目的にしません。自治体や気象情報、周辺の変化を踏まえ、予定より早く行動する判断が必要になります。計画は迷う時間を減らすためのもので、安全を自動的に保証するものではありません。

土地を比較する際は、こうした計画を候補ごとに作ってみてください。住所を入れて地図を見るだけでは気付かなかった、家族の移動の難しさが分かることがあります。建物の間取りが同じでも、土地によって必要な備えは変わります。

避難の準備では、家族が全員そろっている日だけでなく、子どもが学校にいる時間や、家族が別々に働いている時間も想像します。帰宅してから一緒に避難することを必須にせず、それぞれの安全を優先した連絡方法を決めます。家へ集まるために危険な移動をする計画にはしません。

候補地を見に行く前に、家族が避難時に困りそうな点を一つずつ書いておくと、現地での質問が絞れます。歩く速さ、暗い道への不安、移動を手伝う人の不在など、平屋の間取り図には現れない条件を、土地の比較にも加えてください。

深澤の判断と次の行動

私なら、避難先と行動の説明がつかないまま、平屋の間取りを確定しません。毎日の暮らしやすさを大切にするからこそ、いざという時に家族がどう動くかも設計条件に入れます。土地を選び直す判断も、家づくりの失敗を防ぐための前向きな選択です。

次の相談には、候補地の住所、最新の自治体ハザードマップ、家族の移動条件を持って行ってください。デザインハウス甲府への相談でも、「平屋が建つか」だけでなく「この土地で、どこへどう避難するか」を一緒に確認するところから始めましょう。

参考資料

[1] 国土交通省  わかるハザードマップ情報 学習 水害編

[2] 甲府市  わたしの避難行動計画 マイ タイムラインを作成しましょう

デザインハウス甲府
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