結論
毎日使わない大物ほど、入るかどうかだけで収納を決めない方がよいです。私なら、誰が取り出し、どこで開き、使った後にどう戻すかを確認します。布団、季節家電、スーツケースが収まっても、毎回重い物を頭上から下ろす必要があるなら、その収納は使い続けにくいからです。
例えば家づくりの時点では若く、力のある人が担当していても、けがや家族の不在で別の人が扱う日があります。将来のすべてを予測する必要はありませんが、特定の一人しか出し入れできない収納を増やしすぎないことです。物の頻度に加えて、重さと扱う人を判断の軸にします。
大物を名前ではなく形で調べる
まず大物の一覧を作ります。布団、扇風機、加湿器、旅行かばん、行事の飾りなど、家庭で持つ物を実際に測ります。箱に入れて保管するなら箱の外寸を使います。家具のカタログに収納可能と書かれた一般的な例ではなく、自分の家へ持ち込む物の形を基準にします。
幅、奥行き、高さに加え、取っ手や出っ張りも確認します。例えばスーツケースは閉じた状態で入っても、取り出すときに横へ回す場所が必要かもしれません。布団は柔らかくても、抱えた人の視界や動き方が変わります。収納の内部だけでなく、持っている状態の大きさまで想像してください。
重さは無理に持ち上げて確認せず、表示や説明書を確認する方法があります。表示が分からなければ、扱うときの負担を家族で共有します。私は、重いと感じる物を収納の上段へまとめる計画は避けます。頻度が少ないから高いところへ置いてよい、という一つの分類だけでは決めません。
総務省消防庁は、重い物を下段へ収納して家具の重心を下げることや、高い場所から重い物が落ちる危険に配慮する考え方を示しています。大物の収納も、日常の扱いやすさと安全を一緒に考えます。固定方法などは建物と収納の条件に合わせて施工者へ確認し、自己判断の固定を前提にしません。[1]
収納の入口と手前の場所を確認する
内部に入る寸法があっても、扉を開けた入口が狭ければ出しにくい場合があります。扉が重なる部分や引き残しを含め、実際に物を出すときの開口を確認します。図面上の収納幅を、そのまま取り出せる幅だと扱わないことです。設計者へ、どの範囲が実際に使えるかを尋ねます。
例えば仮に幅75センチの箱を保管するなら、その箱を正面から出すのか、斜めに回すのかを考えます。この数字は収納の基準ではなく、確認する物の一例です。中に余裕があっても、手前に別の家具があれば動かせないかもしれません。扉を開き、物を持った人が立つ場所まで描きます。
奥へしまう物は、手前の物を何個出す必要があるかも数えます。年に一回しか使わなくても、出すたびに収納を全部空にするなら負担です。使う季節が同じ物をまとめる案と、重さや形で分ける案を比較します。頻度だけで奥と手前を決めず、取り出す順番が自然につながるかを見ます。
収納前の通路を、物を出すための作業場所として使う場合は、家族の出入りと重ならないかを確認します。大物を一時的に出しただけで寝室やトイレへ行けなくなるなら、別の場所を検討します。収納を開ける日は少なくても、その日が無理なく過ごせることまで考える必要があります。
階段を運ぶ物を減らせないか考える
季節家電を一階で使うのに、収納は二階だけという計画なら、持ち運ぶ人と方法を確認します。階段の形や扉を通ることが負担なら、使用する階へ保管する案もあります。大きな納戸へ集めることと、物を扱う負担を減らすことは、いつも同じ答えになるわけではありません。
小屋裏など高い場所へ収納を作る場合も、入る物の量だけで判断しません。出入りに使う階段やはしごの形式、荷物を運ぶ条件、製品や設計上の注意を確認します。重い物を抱えて不安定な姿勢で上る使い方は前提にしません。そこへ保管する物を限定するか、別の場所を用意するかを考えます。
布団を二階の寝室で使うなら、その階で手入れや収納ができる方が合う家庭もあります。客用の寝具を一階の部屋で使うなら、別の置き場が適するかもしれません。布団という一種類の物でも、使用する場所ごとに分ける考え方です。収納を一か所へ統一することを優先しすぎないようにします。
スーツケースは、旅の前後に荷物を詰めたり出したりする場所とつなげます。収納から取り出せても、開く場所がなければ寝室や廊下を占領するかもしれません。私は保管時、準備中、帰宅後の三状態を分けて考えます。閉じた箱の寸法だけでは、旅行前後の生活までは見えません。
中身が変わる収納は調整の余地を残す
大物は買い替えで形が変わります。今の季節家電へ寸法をぴったり合わせた棚は、次の機種では使いにくいかもしれません。固定棚にする部分と、高さを変えられる部分を分けるなど、調整の余地を設計者へ相談します。ただし棚の耐荷重や支え方は、採用する仕様で確認してください。
外箱をすべて残す必要があるかも、家族で話します。製品の保管条件や付属品の管理を確認したうえで、箱のまま使う物と別の保管方法を選ぶ物を分けます。収納を広げるために何でも捨てるのではなく、扱いやすさと管理のしやすさで判断します。残す箱も、必要な寸法として図面へ入れます。
物を手放す可能性があるなら、収納の用途を限定しすぎない考え方もあります。子どもの用品がなくなった後に旅行用品へ替えるなど、別の物が入る形を検討します。将来を細かく予測するより、入口を使いやすくし、棚を調整できるなど、変えやすい部分を残す方が合う場合があります。
深澤の判断と次の行動
私なら、大物収納は容量より、家族が無理なく一つ取り出せることから決めます。使用する場所に近く、重い物を高く持ち上げず、手前の物を大量に出さなくてよい案を優先します。使う回数が少ない物こそ、取り出す日の負担を見落とさないことが私の判断です。
次の打ち合わせには、大物を十点程度まで選び、寸法、重さの目安、使う階、担当する人を書いてください。収納図へ実物の大きさを入れ、扉を開けた状態で取り出す経路を確認します。出した後に開く場所や、手入れして戻す場所も、一緒に平面図へ記入しましょう。
住宅会社へは、大きな納戸が欲しいという要望に、どの物を誰が出し入れするかを添えてください。私が避けたいのは、入居日にきれいに収まって以降、取り出すたびに苦労する収納です。空間の大きさだけで安心せず、家族の手と足で扱えるかまで確かめて選びます。
参考資料
[1] 総務省消防庁 重い物は低いところへ










