Q.夫婦2人になった家に、それぞれの居場所は必要ですか?共有空間と個室をどう配分しますか?
A.夫婦それぞれが落ち着ける場所は検討する価値がありますが、必ず専用の部屋を二つ増やす必要はありません。二人で過ごす時間と、別のことをする時間を分け、音、視線、収納、室温を確認します。小さな居場所や兼用できる部屋も含めて比べます。
家にいる時間の使い方を聞き合う
退職後に二人とも在宅する場合、今より生活が重なる時間が増える可能性があります。テレビを見たい、読書したい、電話したいなどの希望を書きます。仲がよいからいつも同じ場所で大丈夫、という前提だけでは決めないようにします。
まず平日と休日の一日を、朝から夜まで並べます。同時にしたいこと、静かにしたい時間、一緒に食事する場所を確認します。相手の希望を否定する材料ではなく、使う空間の条件を設計者へ伝えるための整理です。
別の居場所は、寝室、書斎、畳の部屋、窓際の机など、さまざまな形があります。家具だけで分ける方法と、扉で仕切る方法では、音や視線の分かれ方が違います。何を分けたいかを先に決め、必要な範囲へ費用を使います。
二つの椅子を離して置くだけで十分な家庭もあります。一方、テレビと通話を同時に行うなら距離だけでは解決しにくい場合があります。面積を足す前に、壁、建具、機器と座る向きを検討し、実際の音の条件を見ます。
共有と個別の場所を同じ図面に置く
個室を増やす場合も、食事や会話をしやすい共有空間を削りすぎないようにします。必要な明るさ、家具、通路が残るかを確認します。部屋数の多さより、一緒にも別々にも過ごせる選択肢があることが大切です。
夫婦で整理する項目
・一緒にしたいことと、別々にしたい活動。
・静けさ、テレビ、通話、照明と使用時間。
・各自の持ち物、机と椅子、収納する場所。
・個室、兼用、家具で分ける案の面積と総額。
使う部屋が分かれると、冷暖房の使い方も変わります。片方が暑がり、もう片方が寒がりなら、調整できる範囲を設備担当へ相談します。二人の居場所を用意しても、片方は暑くて使えない状態では、空間への追加費用を生かしにくくなります。
寝室を別にする場合は、夜の移動と日中の用途を確認します。就寝時刻、音、明かり、トイレへの距離が関係します。将来どちらかが一階で眠る可能性があるなら、その部屋を今どう使うかと合わせて考えます。
趣味の収納も人ごとに整理します。共通の大きな収納へ全部集めれば片付くとは限りません。よく使う場所の近くへ、本人が戻せる収納を置きます。相手の物を動かさないと自分の物が取れない配置を避けると、日々の使いやすさが変わります。
来客や子どもの帰省へ対応する案は、頻度を確認します。年に数日の宿泊のために、毎日使う居場所をなくす必要があるかを比較します。普段は個別の居場所、宿泊時は客間として使う場合も、片付けと寝具の移動を具体的に考えます。
予算を抑えるなら、用途を兼ねる案を作ります。ただし、兼用するたびに大きな家具を運ぶ方法は、年齢を重ねて続くかも見ます。広さの節約と作業の負担を並べ、必要な通路や性能を削って部屋数だけ残す計画にはしません。
国土交通省の高齢期の住まいの資料も、身体の変化に加え、豊かな生活空間を考える視点を示しています。将来の暮らしは一つに決められませんが、使う時間と活動を整理すれば、今の設計へ反映できる部分があります。
家づくりの相談前に、夫婦でそれぞれ「家で長くしたいこと」を書いて持参してください。同じ部屋を広げる案と小さな居場所を分ける案を比較すると、床面積の大小だけでは分からない満足へ予算を使いやすくなります。
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参照資料 P04










