記事詳細

大きなパントリーがあるのに、同じ食品をまた買ってしまう。広さより大切な「見渡せる収納」とは?

結論

パントリーが広いのに同じ食品を買ってしまうなら、足りないのは収納量より、何があるか分かる仕組みかもしれません。私なら棚を増やす前に、在庫が見えるか、取り出せるか、戻す場所が決まっているかを確認します。買い物前に中身を把握できる収納を目指し、たくさん入ることだけを評価しません。

例えば手前に新しい袋を置き、奥にある同じ食品を忘れてしまうと、収納が広いほど在庫が埋もれる場合があります。一方で、まとめ買いをする家庭に十分な容量は必要です。広い収納を否定する話ではありません。持つ量と、管理できる並べ方を一緒に決めることが大切です。

まず使う食品の種類で分ける

私は最初に、毎日使う物、週に数回使う物、長く備えておく物を分けます。麺、缶詰、調味料など食品の種類で分ける方法と、朝食、弁当、休日の料理など用途でまとめる方法もあります。家族が使う場面を基準にし、収納写真をまねるためだけの細かな分類は増やしません。

農林水産省は食品ストックの収納について、使用目的や頻度に合わせて場所を決め、何があるか分かるケースなどを使い、期限を見やすくする工夫を紹介しています。これを踏まえ、私は買い物をする人だけでなく、実際に調理する人にも内容が分かる並べ方を勧めます。[1]

例えば仮に朝食で使う食品を一つの箱へまとめるなら、家族が毎朝その箱を確認できます。ただし大きすぎる箱へ何でも入れると、箱の中で再び見えなくなります。まとめること自体が目的ではありません。箱を一つ動かせば全体が分かるか、目的の物へすぐ手が届くかで判断します。

開封済みと未開封の在庫も区別します。開けた物が何袋もあるなら、買い物以前に使い始める順番が曖昧かもしれません。私は開封した物の置き場を決め、補充用の物と混ざらないように考えます。家族が別々に料理しても、今使っている物を見つけられる状態にすることです。

棚の奥行きは入れる物から決める

深い棚は大きな物を置けますが、小さな袋を何列も並べる使い方では、奥を確認する手間が増えます。私なら、米の袋や飲料の箱など大きな物を置く部分と、細かな食品を並べる部分を分けます。すべてを同じ奥行きで揃えるより、持っている物の形に合わせる方が説明しやすくなります。

例えば仮に棚の奥行きが40センチある場合、手前と奥に同じ高さの物を置くと見えにくいかもしれません。これは適正寸法の基準ではなく、使い方を試すための例です。引き出せるケースにまとめる、置く向きを変える、棚の高さを調整するなど、家族が扱える方法を比較します。

高い棚へ置く物は、誰が取るかを決めます。大人の一人だけが届く場所へ日常品を集めると、別の人が毎回頼むことになります。手の届く範囲へよく使う物を置き、重い物を扱う高さにも配慮します。農林水産省も、重い物を下の方へ置くなどの収納上の配慮を示しています。[1]

棚の前へ人が立つ場所も確認します。二人が同時に使う予定なら、ケースを引き出した人の後ろを通る必要があるかを考えます。通り抜けのパントリーでは、収納が増えて通路が狭くならないかも見ます。収納面積という数字には、使うための場所が含まれているかを確かめてください。

残量が分かる補充のルールを作る

私なら、家族でよく使う食品をいくつか選び、持っておく量の目安を決めます。例えば一袋を使用中、一袋を予備とする方法です。これは食品ごとの推奨在庫ではなく、重複購入を減らすための家庭内ルールの例です。食べる頻度や買い物の間隔に合わせて変えて構いません。

補充の仕方は、複雑な台帳でなくてもできます。予備を使ったら買い物メモへ書く、棚の決めた位置が空いたら買う、といった方法です。誰か一人だけが覚えている仕組みでは、買い物を交代したときに分からなくなります。家族が同じ情報を見られる形にすることを優先します。

期限を確認するときは、表示の条件も守ります。農林水産省は、食品に示された保存方法に従うことと、消費期限や賞味期限は未開封で適切に保存した場合の条件であることを説明しています。見えやすい棚に置いたから保管方法を省略してよいわけではありません。製品の表示を確認してください。[2]

容器を揃えるために食品を移す場合も、元の表示や内容が分からなくならないようにします。私は見た目の統一より、何が入っていてどう扱う物かを家族が確認できることを優先します。移し替える手間を続けたくないなら、袋のまま見渡せる並べ方でも構いません。毎日維持できることが判断基準です。

今の収納で一段だけ試してみる

新居の大きなパントリーを設計する前に、今の収納の一段だけを整理して試してください。よく使う食品を並べ、買い物前に一度見る運用にします。どこが見にくいか、家族がどこへ戻すかを確認すると、棚の形と運用のどちらが課題かを分けられます。収納全体を一気に変える必要はありません。

例えば一週間試しても同じ物を重ねて買うなら、買い物の前に確認する機会がないのかもしれません。買い物を頼まれた人へ在庫情報が渡っていない場合もあります。棚をさらに増やす前に、確認する時点と担当の間の連絡を見直します。家の形だけで解決できない部分を明確にすることも大事です。

長期の備えを置く場所と、日常使う場所を分ける場合は、別の場所へあることが分かるメモを残します。分散すると全部を一度に見られないためです。この回では必要な備蓄量を決めるのではなく、家のどこに何があるかを迷わず確認できる仕組みに絞って考えます。

深澤の判断と次の行動

私なら、パントリーの広さは持ちたい食品の量から決め、棚の形は見つけて取り出す動作から決めます。大きく作って後から整理を頑張るより、日常使う物が一目で分かる部分を先に用意します。入る量と管理できる量を同じものと考えないことが、私の判断です。

次の打ち合わせには、よく使う食品を十種類程度選び、普段持っている数と袋や箱の大きさを記録してください。その実物が並ぶ棚を図面へ入れ、誰がどの高さから取るかを確認します。買い物前に在庫を見る位置、開封済みの場所、補充品の場所も合わせて決めましょう。

住宅会社へ相談するときは、広いパントリーが欲しいという要望に、同じ食品を見つけられず買ってしまうなどの具体的な困りごとを添えてください。私が考えたいのは、収納を増やした満足より、家族が食べる物を把握して使い切れることです。見える、取れる、戻せる順番で、必要な形を選びます。

参考資料

[1] 農林水産省  災害時に備えた食品ストックガイド(9)

[2] 農林水産省  手洗い・買い物・保存編

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ