Q.基礎断熱の床下はなぜ湿気がこもることがある?
施工時の水分と完成後の管理をどう考えますか?
A.基礎断熱では床下を断熱の内側へ含めるため、床断熱の家と同じ外気換気を前提にはできません。コンクリートなどの初期水分、施工中の雨、地面や配管からの水分を確認し、完成後も湿気を排出・管理できる経路を設計する必要があります。
断熱の内側だから自動的に乾くわけではない
基礎断熱は、基礎まわりで熱の出入りを抑え、床下を室内側の温熱環境として扱う考え方です。ただし、床下が居室と自然に同じ温湿度になるとは限りません。区画や配管、床の開口などを含め、空気と水分がどう動くかを確認します。
新築時のコンクリートには施工に使った水分が残り、乾燥の過程で放出されます。木材などの初期の含水や、工事中に入った雨水も関係します。表面が乾いて見えることと、床下へ水分が出なくなったことは同じではありません。
一方、完成後も湿気が続く原因を、何でも初期水分で説明しないでください。給排水の漏れ、雨水の浸入、地面の防湿、排水の条件などは別に確認が必要です。「新築だからそのうち乾く」という説明だけで、水たまりや繰り返す濡れを放置しません。
土からの水蒸気を抑える防湿措置も重要です。基礎断熱材があることだけで、地盤からの湿気まで止められるとは限りません。地面を覆う構成、継ぎ目、基礎や貫通部との接続を図面と施工記録で確認します。
施工中と入居後の管理をつなげる
床を閉じる前には、床下にたまった水を除去し、必要な乾燥と確認を行います。残材やごみを除き、配管からの漏れなども確認します。床ができてからでは見えにくい場所を、施工段階で記録することが大切です。
入居後の計画では、床下の各区画へ空気が行き渡るか、湿気をどこへ運ぶかを確認します。循環させるだけでは、水分が建物の外へ排出されたことにはなりません。換気や除湿など、採用する方法が水分を減らす仕組みまで説明してもらいます。
施工と引き渡しで確認したい項目
・地面の防湿、雨水・漏水の侵入を抑える構成。
・工事中の排水、材料の乾燥と床を閉じる判断。
・区画ごとの空気経路、除湿・換気の運転方法。
・温湿度や木材の状態の記録、点検口と相談先。
湿度は、床下の温度が変わることでも変化します。相対湿度の数字だけでなく温度も測り、必要なら水蒸気量や露点との関係を確認します。居室の温湿度計一個で、すべての床下区画を管理できたとは考えないでください。
外の湿った空気を入れると、かえって冷えた床下で結露する条件もあります。湿気が気になるからと、基礎断熱の外周へ穴を開けて床下換気を追加する判断はしません。断熱・気密の境界と、その季節の内外の水分条件を設計者へ確認します。
除湿機などを使う場合は、点検、清掃、排水、電源、交換の方法も必要です。一時的な乾燥に使うのか、継続した運転を前提にするのかを分けます。機器を置けばどこへも空気が届くという説明にせず、各区画の状態を確かめます。
床下の状態は、竣工時期や気候、施工、住み方で変わるため、全国どの家も何か月で完全に乾くとはいえません。入居後の確認時期と、気になる状態が続いた場合の調査手順を、引き渡し時に決めておきます。
点検では、見える場所だけが乾いているのか、配管や基礎で区切られた奥まで確認できるのかも区別します。カビや水滴が疑われる場合は、薬剤をまくだけで済ませず、発生源と湿気の経路を調べます。防蟻はNo60で別に確認します。
基礎断熱が必ず多湿になるとも限りません。北海道・秋田県の住宅を実測した研究では、対象の基礎断熱住宅で安定した床下環境が報告されています。ただし、その地域と仕様の結果を、山梨のすべての家へ保証として当てはめることはできません。
住宅会社には「この床下の初期水分を、どの経路で減らし、入居後は何を記録しますか」と聞きます。工法名の評価から、施工と維持管理の具体策へ進められます。
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参照資料 D01、D05、D09、D10、D11、D14










