ボーナス払いの入力欄がない繰上返済シミュレーター。その数字を使える?
原案の判断:対応する返済方式か確認し、銀行に実契約の試算を頼む
ボーナス払いを反映できないシミュレーターの結果は、実際の繰上返済額や短縮期間を決める最終資料には使えません。ただし、入力欄がない理由が、契約情報の自動取得なのか、そもそも非対応なのかを先に確認します。対応する返済方式と計算条件を確かめ、銀行に自分の契約を使った試算を依頼してください。
入力欄がない理由から確かめる
銀行へログインした後の試算なら、ボーナス返済の残高や返済月を契約データから取得している場合があります。この場合、入力欄がないだけで計算から除かれているとは限りません。画面の説明、対象ローン、初期表示された残高の内訳を確認し、分からなければ銀行へ聞きます。
一般向けの簡易ツールは、毎月払いのみ、元利均等のみなど、計算できる条件が限られる場合があります。利用条件を読み、ボーナス併用、元金均等、複数の金利部分などに対応しているかを確認します。計算結果がきれいに表示されることと、契約に合うことは別です。
ボーナス返済の入力がある場合も、「年二回の増額返済額」なのか「ボーナス部分の借入残高」なのかを区別します。似た名称でも単位と意味が違います。返済予定表の数字を対応させ、円と万円、年と月の取り違えを防いでください。
毎月部分とボーナス部分を分けて用意する
銀行へ依頼する資料には、試算基準日、毎月返済部分の残高、ボーナス部分の残高、それぞれの金利、返済月、最終返済日を含めます。返済方式と次回返済予定も確認します。総残高だけでは、どの部分をいつ減らすかが分からない場合があります。
ボーナス払いを十二か月で平均した金額は、家計の年間負担を見るには便利です。しかし、その平均月額を毎月の契約返済額として入力しても、実際の元金が減る時期までは再現できません。利息や短縮期間の確定値として扱わず、家計用の目安と銀行の返済計算を分けます。
金利が異なる二つの契約を一つへまとめて入力することも避けます。残高加重の平均金利で大まかな比較はできても、繰上返済の配分や各契約の手数料は再現できません。契約番号ごとに試算し、最後に家計全体の支払額を合計する方が、確認箇所が明確になります。
どの部分を返すかを先に決める
繰上返済の目的が、ボーナス月の負担をなくすことなのか、全体の完済を早めることなのかを整理します。返済する元金の配分によって、同じ金額を使っても結果が違います。入力する総額だけでなく、毎月部分とボーナス部分へどう充当されるかを確認してください。
三井住友信託銀行のヘルプには、返済方式に応じたボーナス部分への配分の取扱いが示されています。三井住友銀行も、ボーナス増額部分を全額返済する方法などを案内しています。これらは各行の取扱例であり、自分の銀行で同じ選択ができるかは別に確認します。
期間短縮では、ボーナスの返済周期との関係で、希望した月数ぴったりに短縮できない場合もあります。端数の元金の扱い、通常返済への調整、必要な最低返済額を確認します。簡易ツールで出た「何年短縮」という表示を、そのまま申込条件と思い込まないことです。
比較する数字を銀行の試算へそろえる
銀行には、繰上返済前後の月額、ボーナス増額分、最終返済日、今後の利息、当日の引落総額を出してもらいます。引落しには元金以外の利息や手数料が含まれる場合があるため、用意する現金と減る残高を分けて見ます。比較する実行日も統一してください。
仮に100万円を返す案で、画面上は月額だけが減っていても、ボーナス増額分がどう変わるか分からなければ年間の効果は判断できません。「月額差×12」と「ボーナス増額分の差×年の回数」を合計して年間負担を見ます。元金均等等では各回の額が異なる点も反映します。
変動金利の場合、試算が現在の金利を固定した仮定なのかも確認します。金利上昇後の返済額再計算や未払利息等の取扱いがある契約では、単純な計算と結果が違う可能性があります。現在の契約状態を銀行へ確認し、差の原因を説明してもらってください。
試算結果にボーナス額が表示されない場合は、年額から逆算して正しいと推測せず、銀行へ増額月ごとの予定を求めます。次の増額月と最後の増額月だけ金額が違う場合も確認します。均した年間額では見えない、支払いの大きい月の資金準備が目的です。
簡易計算は候補を絞る用途に使う
非対応のツールでも、余裕資金の規模や返済時期を考える初期の目安にはなることがあります。その場合は「毎月払いだけに置き換えた概算」と明記し、正確な節約額とは扱いません。概算で候補を二、三案に絞り、実行候補を銀行の試算へ進めればよいのです。
銀行の結果と差があったときは、どちらかの計算が誤りだと即断せず、基準日、金利、残高、ボーナス月、方式、手数料を順に照合します。前提が一致して初めて計算方法の差を調べられます。入力条件と結果を一緒に保存しておくと、再確認がしやすくなります。
実行後は、銀行の新しい返済予定表で毎月部分とボーナス部分を確かめます。ボーナス払いを減らす目的なら、次回から実際にどう変わるかを家計へ反映します。試算で安心して終えるのではなく、意図した契約の部分が減ったことまで確認してください。
深澤の判断と次の行動
私の判断は、ボーナス返済の扱いが分からない数字を、そのまま実行の根拠にしないことです。まずツールの対応範囲と自動取得の有無を確認し、残高の内訳、返済月、希望する配分を銀行へ伝えます。実契約の試算で月額とボーナス額、引落総額をそろえて比べてください。計算ができることより、自分の返済条件が再現されていることが大切です。
参考資料 確認日 2026年10月25日
三井住友信託銀行 住宅ローン繰上返済シミュレーション ヘルプ
関連Q&A
A075 ボーナス併用ローンを繰上返済したのに、ボーナス払いが残るのはなぜ?
A068 繰上返済と金利見直しが重なり、予定より返済額が高い。計算違い?
A067 返済額を下げたかったのに期間短縮になった。実行後でも変更できる?










