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なぜ老後まで考えるべきなのか?

Q. なぜ家づくりでは老後まで考えるべきなのか?

A. 住宅ローン、光熱費、修繕費、固定資産税は、収入が減る老後も続くからです

家づくりは、完成した時点で終わる買い物ではありません。

30代で35年ローンを組めば、完済は60代後半になる可能性があります。40年、50年ローンなら、返済が70代、80代まで続く場合もあります。

公的年金は原則65歳から受給できますが、年金額は加入期間や報酬によって一人ひとり異なります。日本年金機構

現役時代に払える住宅費でも、退職後に同じ金額を払えるとは限りません。

家を建てる前に考えるべきなのは、「住宅ローンを借りられるか」ではなく、収入が減った後も生活を守りながら払い続けられるかです。

借りられる金額と返せる金額は違う

金融機関は、年収、勤務先、勤続年数、年齢、他の借入れなどを基に住宅ローンを審査します。

審査に通ったからといって、老後まで無理なく返済できることが保証されたわけではありません。

金融機関の審査では、それぞれの家庭に必要となる次の支出まで、完全には判断できません。

  • 子どもの教育費
  • 車の購入・買い替え
  • 親の介護
  • 自分たちの医療費
  • 老後生活費
  • 住宅修繕費
  • 趣味や旅行
  • 失業・休職への備え

住宅会社が「この年収なら借りられます」と説明しても、それは生活の安全を意味しません。

返済可能額は、将来の支出と手元資金を含めて決める必要があります。

完済年齢を確認する

毎月返済額を低く見せるには、返済期間を延ばす方法があります。

しかし、返済期間を延ばしても、住宅価格が安くなったわけではありません。

月々の負担は小さく見えても、返済回数と支払利息が増え、完済年齢も遅くなります。

例えば、35歳で住宅ローンを組んだ場合の単純な完済年齢は次のようになります。

返済期間 完済年齢
30年 65歳
35年 70歳
40年 75歳
50年 85歳

実際の商品条件や繰上返済によって変わりますが、契約前に完済予定年齢を確認することが重要です。

フラット35では、借入期間は原則として「80歳までの期間」と「35年」の短い方が上限です。しかし、借りられる年齢まで返す計画が、安全な計画とは限りません。住宅金融支援機構・フラット35

退職後は収入が下がる可能性がある

多くの家庭では、退職後に現役時代より収入が減ります。

再雇用で働き続けても、給与水準が変わる可能性があります。

その状態で住宅ローン、固定資産税、火災・地震保険、光熱費、修繕費を支払わなければなりません。

現役時代に月10万円を返せたとしても、年金生活で同じ10万円を払えるとは限りません。

住宅ローンの計画では、少なくとも次の期間に分けて収支を確認しましょう。

  • 現在から子どもの進学まで
  • 教育費が最もかかる時期
  • 定年まで
  • 再雇用期間
  • 年金受給開始後
  • 住宅ローン完済後
  • 介護や医療負担が増える時期

今の年収だけで判断すると、老後の資金不足を見落とします。

退職金を住宅ローン返済の前提にしない

「退職金で残りの住宅ローンを完済すればよい」と考える人もいます。

しかし、退職金は会社の制度、勤続年数、経営状況などによって変わります。

退職金には、老後生活費を補う役割もあります。

住宅ローンへ全額使えば、現金が残らず、次の支出へ対応できなくなる可能性があります。

  • 病気や入院
  • 車の買い替え
  • 給湯器やエアコンの交換
  • 屋根・外壁の修繕
  • 子どもへの支援
  • 介護費用
  • 配偶者の生活費

退職金を自動的に全額充当するのではなく、老後に残す現金を先に決めることが重要です。

住宅ローン完済後も住宅費は続く

住宅ローンを完済すれば、住宅に関する支出が0円になるわけではありません。

持ち家では、次の費用が続きます。

  • 固定資産税
  • 火災保険・地震保険
  • 外壁・屋根の修繕
  • 防水部分の修繕
  • 給湯器の交換
  • エアコンの交換
  • 換気設備の修理・交換
  • 太陽光発電設備の修理
  • 水まわり設備の交換
  • 庭や外構の維持管理

新築時に高額な設備を増やすほど、将来の交換費用も増える可能性があります。

建築費だけでなく、30年、40年と維持できる住宅かを考えてください。

長期優良住宅も、認定を受ければ終わりではなく、計画に基づく維持保全と記録が必要です。国土交通省・長期優良住宅

光熱費は老後の家計へ影響する

古い住宅や断熱性能の低い住宅では、冷暖房を使っても部屋ごとの温度差が大きくなりやすく、光熱費も増える可能性があります。

現役時代は払えても、年金生活では毎月の光熱費が大きな負担になることがあります。

また、老後は自宅で過ごす時間が長くなる可能性があります。

在宅時間が増えれば、冷暖房、照明、給湯などを使う時間も増えます。

新築時の数十万円を下げるために断熱、気密、窓、換気を削り、その後何十年も高い光熱費を払い続けるなら、本当に安い家とはいえません。

住宅価格と将来の光熱費を合わせて比較する必要があります。

老後は温度差への配慮も重要

年齢を重ねると、寒い脱衣室、浴室、トイレ、廊下への移動が負担になる場合があります。

リビングだけ暖かく、他の部屋が極端に寒い住宅では、快適性も下がります。

老後を考えた住宅では、豪華な設備より、家の中の温度差を小さくすることが重要です。

そのためには、次の要素を一体で考えます。

  • 断熱性能
  • 気密性能
  • 窓性能
  • 換気計画
  • 暖房計画
  • 日射取得と日射遮蔽
  • 部屋の配置
  • 水まわりの位置

「断熱等級が高い」という言葉だけでなく、UA値、C値、窓、換気、実際の施工方法まで確認してください。

間取りも老後に合わなくなる

若い時に便利だった間取りが、老後も使いやすいとは限りません。

階段の上り下り、庭の手入れ、広すぎる家の掃除などが負担になる可能性があります。

老後を考えるなら、次の点を確認しましょう。

  • 一階だけでも生活できるか
  • 寝室とトイレが遠すぎないか
  • 玄関や室内に大きな段差がないか
  • 将来、手すりを取り付けられるか
  • 廊下や出入口を通りやすくできるか
  • 洗濯動線が長すぎないか
  • 庭や外構の管理が負担にならないか
  • 使わなくなる部屋が多すぎないか
  • 掃除と設備点検を自分で行えるか

すべてを介護仕様にする必要はありません。

将来の変化に対応できる下地、スペース、動線を準備しておくことが重要です。

子どもが独立した後の家を考える

子育て期間より、夫婦だけで暮らす期間の方が長くなる場合があります。

子ども部屋を大きくしすぎたり、使用頻度の低い客間を設けたりすると、将来使わない面積へ住宅ローン、固定資産税、光熱費、修繕費を払い続けることになります。

子ども部屋は、将来別の用途へ変更できるようにしておく方法もあります。

  • 夫婦それぞれの寝室
  • 趣味室
  • 収納
  • 在宅勤務スペース
  • 家族が宿泊する部屋

「今、欲しい部屋」だけでなく、「20年後にどう使うか」まで考えると、必要な家の大きさが見えてきます。

平屋が老後に向いている理由

平屋は、階段を使わずに生活できるため、老後の暮らしと相性がよい住宅です。

洗濯、掃除、移動を同じ階で完結しやすく、家族の生活変化にも対応しやすくなります。

ただし、平屋なら必ず暮らしやすいわけではありません。

廊下が長い、寝室とトイレが遠い、収納が分散している、広すぎて維持費が高いといった間取りでは負担が増えます。

土地代や基礎・屋根面積との関係で、二階建てより建築費が上がる場合もあります。

平屋か二階建てかではなく、将来まで無理なく維持できる面積と動線を選ぶことが大切です。

50代・60代の建て替えでは特に重要

50代・60代の建て替えでは、若い世帯と同じ住宅ローン計画を使うことはできません。

確認すべき項目は次のとおりです。

  • 現在の預貯金
  • 退職予定年齢
  • 退職金の見込額
  • 本人と配偶者の年金見込額
  • 住宅ローンの完済年齢
  • 建て替え後に残す現金
  • 解体工事費
  • 仮住まい費
  • 往復2回の引越し費
  • 登記・測量費
  • 老後の修繕予算
  • 医療・介護への予備資金

建物代だけを見て「現金で払える」と判断してはいけません。

建て替え後に現金がほとんど残らなければ、住宅は完成しても老後生活が不安定になります。

老後まで考える資金計画

確認項目 確認する内容
住宅総額 土地・建物・付帯工事・諸費用
完済年齢 何歳まで返済が続くか
退職前残高 退職時にローンがいくら残るか
年金収入 本人・配偶者別の見込額
手元資金 建築後に現金をいくら残すか
生活費 現役・再雇用・年金期に分ける
教育費 子どもの進学時期と重ならないか
修繕費 設備交換を含めて積み立てる
光熱費 老後の在宅時間増加も考える
予備費 医療・介護・車・緊急支出

住宅会社へ聞くべき質問

  1. 住宅ローンは何歳で完済しますか
  2. 退職時点のローン残高はいくらですか
  3. 金利が上昇した場合の返済額はいくらですか
  4. 固定資産税、保険、修繕費を含めていますか
  5. 建築後に手元資金はいくら残りますか
  6. 老後の光熱費を抑える住宅性能ですか
  7. 将来、一階だけで生活できますか
  8. 給湯器や換気設備の交換費はいくらですか
  9. 90歳までの資産推移を確認できますか
  10. 住宅会社に有利ではなく、家族に安全な予算ですか

「月々〇万円だから払えます」という説明だけでは不十分です。

完済年齢、老後収入、修繕費、手元資金まで確認してください。

山梨県で老後を考えた家づくり

山梨県では、車が生活に必要となる地域が多くあります。

老後も車を維持するなら、車検、保険、税金、買い替え費用を住宅費とは別に確保する必要があります。

将来運転しなくなった場合は、病院、買い物、公共交通、家族の支援を受けやすい立地かも重要です。

また、甲府市などの盆地では夏の暑さ、北杜市や富士吉田市などでは冬の冷え込みへの対策が必要です。

土地が安いという理由だけで郊外を選ぶと、老後の移動や除雪、庭の管理が負担になる場合があります。

土地代だけでなく、30年後の生活まで含めて立地を選びましょう。

デザインハウス甲府の考え方

デザインハウス甲府では、住宅ローンが借りられるかではなく、建てた後も無理なく暮らし続けられるかを重視しています。

特に50代・60代の建て替えでは、退職金をすべて住宅へ使わず、建築後の手元資金と老後生活費を先に確保します。

住宅ローンを利用する場合も、可能な限り70歳前後までの完済を一つの目安として、年金生活へ負担を残しすぎない計画を考えます。

24坪平屋3LDKは、付帯工事、建築確認申請費、消費税込みで2,050万円。30坪二階建て3LDKは、同条件で2,200万円です。

標準仕様は、許容応力度計算による耐震等級3、制震装置evoltz、断熱等級6、UA値0.46以下です。

全棟で気密測定を行い、C値0.7以下を基準としています。熱回収率92%の第一種熱交換換気、8kW以上の太陽光発電、長期優良住宅、完成保証も標準です。

老後の光熱費や温度差を抑えながら、修繕しやすく、無理なく維持できる家を目指します。

住宅性能を削って価格を下げるのではなく、不要な面積、使わない部屋、複雑な形、過剰な装飾を見直すことが基本です。

よくある質問

35年ローンなら問題ありませんか?

期間だけでは判断できません。借入時の年齢、完済年齢、退職後の収入、金利、修繕費を確認する必要があります。

退職金で住宅ローンを完済してもよいですか?

老後生活に必要な現金を確保したうえで、一部を返済に使う方法はあります。退職金の全額充当を前提にするのは慎重に判断してください。

若いうちから老後まで考える必要がありますか?

必要です。若いほど長期間の返済を選びやすく、教育費と老後準備が同時に進むため、早い段階で確認する方が修正しやすくなります。

平屋なら老後も安心ですか?

階段がないことは利点ですが、広さ、動線、断熱性能、維持費、立地も重要です。

住宅ローン完済後はいくら必要ですか?

家庭によって異なります。固定資産税、保険、光熱費、設備交換、外壁・屋根などの修繕費を個別に積み上げてください。

俺流結論

老後まで考えるべき理由は、長生きすることが危険だからではありません。

長く生きるほど、家にかかるお金と時間も長くなるからです。

住宅会社は、家が完成すれば代金を受け取れます。

しかし、お客様の返済と生活は、その後30年、40年と続きます。

月々の返済額だけを下げるために返済期間を延ばしても、老後の負担が消えたわけではありません。

退職金で返せばよい。

将来は収入が上がる。

子どもが独立すれば楽になる。

このような希望だけで数千万円の契約をしてはいけません。

家づくりで守るべきなのは、住宅会社の契約目標ではなく、家族の老後です。

私は、借りられる最大額ではなく、教育費を守り、建築後の現金を残し、できる限り70歳前後までに完済できる総額を考えるべきだと思っています。

豪華な家を建てて老後資金を失うより、必要な性能を備えたコンパクトな家で、建てた後も余裕を持って暮らす。

それが、本当に安心できる家づくりです。

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