【山梨県で家を建てる方へ】トリプルガラスは全ての窓に必要?住宅会社の社長が本音を明かす理由
山梨県(甲府市、甲斐市、南アルプス市、笛吹市、富士吉田市、北杜市、山梨市、中央市など)で注文住宅の建築を検討されている方なら、一度は耳にしたことがある「トリプルガラス(トリプルサッシ)」。
「高気密・高断熱の家にするなら、すべての窓をトリプルガラスにすべき?」 「ハウスメーカーや工務店から『全部トリプルにした方がいい』と勧められたけれど、本当にそこまで必要?」
このような疑問や不安を抱えている方は少なくありません。高価なオプションだからこそ、後悔のない選択をしたいものです。
結論からお伝えすると、デザインハウス甲府の代表である私
の答えは、「すべての窓にはつけない。必要な窓を選んで採用する」です。
1. トリプルガラスとは?そのメリットと過信禁物な理由
トリプルガラスとは、3枚のガラスの間に2層の空気層(またはアルゴンガスなどの不活性ガス層)を設けた高性能な窓ガラスです。ペアガラス(2枚のガラス)と比較して熱の出入りを大幅に抑えることができるため、近年の高気密・高断熱住宅において非常に人気があります。
しかし、ここで重要な事実があります。それは、「価格が高いほど、ガラスの枚数が多いほど、必ず家全体が快適になるわけではない」ということです。
住宅において、窓は「壁よりも圧倒的に熱の出入り(熱橋・熱損失)しやすい場所」です。そのため性能を追求することは重要ですが、日当たりやサイズ、方位が異なるすべての窓を、一律に最高額のトリプルガラス仕様にする必要はありません。
2. 方位と気候に合わせた「適材適所」の窓選び
家の中の窓は、取り付けられる「方位」や「山梨県特有の気候風土」によって、果たすべき役割が全く異なります。
① 南側の窓:日射取得を最優先に考える
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役割:冬場の暖かい太陽光(日射熱)を室内にたっぷりと取り込むこと。
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考え方:断熱性能の高さだけに囚われず、「太陽の熱をどれだけ効率よく家の中に利用できるか」という視点が欠かせません。ガラスの仕様によっては日射熱の取得率が下がるケースもあるため、方位ごとの特性を見極める必要があります。
② 北側の窓:圧倒的な「断熱性能」が命
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役割:室内の暖かい熱を外へ逃がさないこと。
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考え方:北側は直射日光がほとんど入らないため、冷気が室内へ侵入するのを防ぐ高い断熱性能(=トリプルガラスなどが効果を発揮しやすい)が重要になります。
③ 東西の大きな窓:夏場の「日射遮蔽」対策が必須
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役割:夏場の強烈な西日や朝日の侵入を防ぐこと。
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考え方:夏に西日が強く差し込む窓は、熱の侵入をいかに遮るかが快適性を左右します。ガラスだけでなく、外まわりの日除け計画なども含めたトータルな対策が求められます。
3. 山梨県内でも異なる気候特性(甲府盆地 vs 標高の高い地域)
山梨県内は地域によって気候が大きく異なります。
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甲府盆地エリア(甲府市、甲斐市、中央市、笛吹市など):夏は非常に暑く、冬は底冷えする寒暖差の激しい気候。
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標高の高い地域(北杜市、富士吉田市、あるいは山間部など):冬の最低気温が非常に低く、凍てつくような寒さ対策が最優先。
このように、同じ山梨県内であっても建築する地域や微気候(マイクロクライメート)によって、必要とされる窓の性能や組み合わせはガラリと変わります。一律の仕様を押し付けるような設計では、地域に最適化された快適な住まいは実現できません。
4. ガラスだけじゃない!「窓枠」「スペーサー」「サッシ」の重要性
「トリプルガラスを入れたから安心」と油断してはいけない最大のポイントが、サッシフレームやスペーサーの性能です。
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ガラス自体がどれだけ高性能であっても、窓枠(フレーム)やガラスの端部を支えるスペーサーの性能が低ければ、窓全体の断熱性能は十分に上がりません(結露の原因にもなります)。
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小さな窓まで一律に高額な仕様へ変更するよりも、「大きな窓」や「寒さ・暑さの物理的影響を強く受けやすい窓」を優先して予算を配分する方が、費用対効果(コストパフォーマンス)を圧倒的に高めることができます。
5. 窓は「数と配置」の見直しから始まる
高価なガラスやサッシのグレードを上げる前に、もっと根本的かつ大切なことがあります。それは、「窓の数と配置そのものを見直すこと」です。
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必要以上に窓を増やさない。
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必要以上に窓を大きくしない。
建築家や設計士の視点を持たず、営業マンの「全部トリプルの方が安心ですよ」という感覚やトークだけで窓の数や大きさを決めてしまうと、コストが跳ね上がるだけでなく、夏は暑く冬は寒い家になってしまうリスクすらあります。
6. 住宅会社の社長が下す「窓の判定基準」
私たちが設計時に行っている判断基準は、感情や営業トークではなく、客観的なデータと計算に基づいています。
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建築地の方位・気候特性の把握
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窓の面積・日射取得・日射遮蔽のシミュレーション
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住宅全体のUA値(外皮平均熱貫流率)の計算
これらを徹底的に計算した上で、私が出す判定は次の通りです。
「全部にはつけない。寒さや暑さの影響が大きい窓、そして住宅全体の性能確保に本当に必要な窓だけを選んで採用する。」
真の「高性能住宅」とは、高額な部材やオプションをただカタログ通りに“全部盛り”した家のことではありません。「必要な場所に、必要な性能を適材適所で使う家」のことです。
まとめ:窓は価格ではなく「設計」で選ぼう
家づくりにおいて、窓は住まいの快適性・光熱費・耐久性を左右する極めて重要な要素です。だからこそ、表面積のスペックや価格の高さだけで選ぶのではなく、「プロによる綿密な設計」で選んでください。










