南アルプス市 アクネ
家を建てる前からあれこれ・・・心配になることがあります。
新築住宅には10年間の保証が義務づけられているということですが
この保証って 内容は ハウスメーカーによって変わるのでしょうか?
10年経つと・・・家はそれなりに メンテナンスにそれなりに
お金がかかると覚悟しておいてほうがいいのでしょうか?
とても大切なところに目を向けられていますね。
「10年間保証」と「10年後のメンテナンス費用」について整理してみます。
1,法律で必須の「10年保証」=どこで建てても共通
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対象:構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁・床・屋根など)と、雨水の侵入を防止する部分(屋根・外壁・防水)
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期間:引渡し日から10年
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仕組み:施工会社は保険加入 or 供託が義務。万一会社が倒産しても、上記範囲の欠陥は保険で補修費が出る
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免責の代表例:地震・洪水などの自然災害起因、施主の不適切使用・改造起因、経年劣化 → ここは火災/地震保険の守備範囲
ポイント:「10年は何でも無料」ではない/対象部位も限定。
施工不良が原因の雨漏り=保証対象。台風で飛来物が当たった雨漏り=保険対応、のように切り分けます。
2, ハウスメーカー/工務店ごとに違うのはここ
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無償点検の回数・範囲:3か月・1年・2年・5年・10年など会社で差
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独自保証の上乗せ:
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設備(給湯器・キッチン機器など)を10年まで延長してくれる会社も(通常はメーカー1~2年)
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シロアリ:5年保証が多く、再施工でさらに5年延長など
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**外装(塗装・シーリング・防水)**に独自年数を設定する会社も
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長期保証(20~30年)の条件:
多くは「定期点検を受ける」「指摘箇所を指定業者で補修」「外装の時期メンテ(塗装・シーリング)を実施」が条件。
→ 条件を外部業者でやると延長保証が外れることがあるので契約前に確認を。 -
対応スピード・窓口:自社アフター専門部署/外部委託で差が出ます
比較時のチェックリスト
点検の回数・項目 2) 延長条件(何をしたら何年まで?)
無償/有償の線引き 4) 免責(災害・経年)
施工会社が不在でも使える瑕疵保険の窓口 6) 設備延長保証の有無
3,「10年点検」で見られやすいところ
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屋根・外壁の割れ/シーリングの痩せ・割れ
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バルコニーや屋根の防水(亀裂・膨れ・排水不良)
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サッシまわりの雨仕舞い、木部の塗装劣化
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基礎のクラック、床下の白蟻・漏水・結露
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室内の建具・クロス・コーキング、24h換気の風量低下
4,10~15年で想定しておく代表的メンテナンス(戸建て・30坪坪の目安)
※仕様や地域で変わります。
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外壁塗装+シーリング打替え(窯業系サイディング):100~180万円
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屋根(スレート)塗装:40~100万円/カバー工法:150~250万円
(金属屋根は塗替周期がやや長め、瓦は本体長寿命だが漆喰補修あり) -
バルコニー防水(FRP/ウレタン):トップコート10~25万円/再防水15~40万円
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給湯器(ガス):15~35万円/エコキュート:40~70万円
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シロアリ再処理(床下処理):10~25万円(5~10年スパン)
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雨樋・破風の補修/交換:5~20万円(全面交換なら30~80万円)
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24h換気本体・浴室乾燥機など:5~20万円/台
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外部木部(デッキ・庇・化粧材):再塗装数万円~/交換は20~80万円
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内装(クロス全面):50~120万円(必要なら)
ざっくり感覚:築10~15年で100~300万円の出費が発生しやすい。
以後20年・30年のタイミングで屋根外装の「大きな波」がまた来ます。
5, いくら積み立てれば安心?
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目安:月1万円~1.5万円(年12~18万円)を「建物メンテ積立」に回す
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10年で120~180万円 → 外装+部分修繕の土台に
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ボーナスや保険金を足して200万円台を確保できると安心度UP
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外壁・屋根の仕様で必要額は大きく変わります
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例)高耐久外壁(タイル・高耐候金属)は初期コスト高いが塗装周期が伸び、長期トータルは有利なことも
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6,よくある誤解・落とし穴
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「10年は全部タダ」ではない(対象は構造・雨漏りのみ/施工不良起因)
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災害起因は保証外 → 火災・地震保険で備える
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延長保証は、条件付き(指定メンテ必須、外部工事で保証失効の例あり)
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点検=修理義務ではない:劣化を早期に見つける「健康診断」だと思って計画的に
7,契約前にやっておくと効くこと
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アフターサービス規程と保証書の事前入手(条件・免責・連絡先を線引き確認)
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長期修繕の概算見積を一度作ってもらう(外装・防水・設備の更新サイクル)
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外装仕様の比較(標準サイディング vs 高耐久仕様で、30年総額がどう変わるか)
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引渡し時は写真・動画で屋根外壁・床下・配管ルートなどを記録(後日の原因特定に有益)