夫58歳・妻56歳。築60年の住宅を、建て替え総額2,900万円で平屋24坪・2LDKへ建て替える計画です。預金800万円を自己資金として使い、住宅ローン2,100万円を15年返済で借りると、当初の月返済額は約13万5,000円。光熱費削減分を50万円単位の繰上返済へ回せば、71歳9か月頃の完済が見込まれます。
しかし、建築直後の現金は0円です。夫が65歳で定年を迎えると収入が下がり、70歳には車の買い替え100万円と住宅修繕費130万円が重なります。年金生活へ移行した後も住宅ローン返済が残るため、簡易試算では71歳時点の金融資産が約352万円不足する結果となりました。
住宅ローンを完済できる見込みがあっても、建築後の生活費、固定資産税、車、修繕、医療・介護費まで守れなければ、建て替えをおすすめできる計画とはいえません。退職金は正式な金額と受取時期が確認できるまで、返済財源として計算しないことが重要です。
この事例では、退職金による繰上返済を前提にせず、自己資金を減らして現金を残す方法、借入条件の見直し、将来支出を含めた資金計画の再設計が必要と判定しました。「返せるか」ではなく、「返しながら暮らしを守れるか」を確認する建て替え簡易診断です。

























