「年収900万円あるから、1,200万円の住宅ローンなら問題ない」と考えてよいのでしょうか。
今回の事例は、53歳の会社経営者と51歳の妻。夫の役員報酬は年900万円、妻の年収は120万円です。預金2,000万円と投資資産300万円があり、総額2,900万円の建て替えを検討しています。
希望する資金計画は、自己資金1,700万円と住宅ローン1,200万円。しかし、預金2,000万円から自己資金1,700万円を使うと、建築後の現金は入力されていた800万円ではなく、300万円です。
建築後に最低限残したい現金500万円を下回るため、そのままの資金配分はおすすめできません。
そこで、おすすめ標準案では、自己資金を1,200万円へ減らし、住宅ローンを1,700万円へ増額。建築後の現金800万円と投資資産300万円を残す計画に調整しました。
当初の住宅ローン返済額は月109,396円。5年後の金利を2.5%、10年後を3.0%として再計算し、光熱費削減額のうち月14,175円を積み立て、50万円単位で4回の繰上返済を行うと、67歳5か月頃に完済できる参考結果となりました。
90歳時点の金融資産は約8,485万円、95歳時点では約8,850万円です。ただし、これは役員報酬900万円が70歳まで続くこと、物価上昇を反映しないことなどを前提とした暫定計算です。
この事例で最も重要なのは、年収の高さではありません。
夫には法人借入があり、個人保証も付いています。住宅ローンだけ返せても、会社の借入返済や保証債務まで含めた資金計画が成立しなければ、本当の安心とはいえません。
会社経営者の建て替えは、「個人年収」だけで判断してはいけません。法人借入残高、会社の月返済額、個人保証の範囲、直近3期の決算内容、事業承継後の役員報酬まで確認する必要があります。
判定は「条件調整型」です。
借りられるかではなく、会社と個人の返済を合わせても、建てた後の生活資金を守れるかで判断します。
※本診断は住宅ローンの承認を判定するものではありません。法人借入額・個人保証額・建物以外の費用内訳などが未確認のため、正式契約前にはフルVERSIONによる詳細診断が必要です。

























