記事詳細

造作家具を減らすと、品質も下がる?

造作家具を減らすと、品質も下がる?

結論 :家具の作り方と住宅の基本品質は別に考える

A 造作家具を減らしたからといって、家の構造や断熱等の品質まで下がるわけではありません。造作は、寸法や使い方へ合わせやすい一方、設計、加工、取付け等の費用がかかります。既製家具で同じ目的を満たせる場所なら、造作を減らして予算を調整できる場合があります。

ただし、既製品なら必ず安くて同じように使えるとも限りません。必要な収納量、設置寸法、固定、搬入、壁の仕上げまで含めて比較します。「造作が多いほど高品質」「既製品へ替えると安っぽい」と決めず、どの方法で家族の使い方を実現できるかを基準に選びましょう。

造作を減らす案では、住宅の基本性能と、家具で得る使い勝手を分けます。市販品を使っても構造や断熱を落とす必要はありませんが、設置する床、壁、下地の条件は残ります。逆に造作家具でも、収納物や姿勢に合わなければ高い使い勝手を得られません。場所ごとに収納する物、作業、必要な寸法を整理し、既製品で満たせるかを調べます。家全体を高級に見せるための造作と、困る動作を解決するための造作を分けると、予算を配りやすくなります。

収納する物と必要寸法から考える

最初に、何を、どこで、どの頻度で使うかを整理します。奥行きの深い造作棚を作っても、収納物が小さければ奥が使いにくくなる場合があります。一方、家電や書類など寸法が決まっているものは、既製品で収まるかを確認しやすいため、商品を調べてから設計する方法も考えられます。

収納量は、家具の外寸ではなく、内部の有効寸法や棚の枚数で比べます。扉を開ける場所、引き出しを引く場所、椅子を使う場所も必要です。部屋の幅ぴったりに作れることだけを造作の価値にせず、実際に取り出しやすいかを確認してください。必要な寸法が分かれば、造作すべき場所も絞りやすくなります。

収納を比べるときは、外寸でなく内寸、棚間、扉の開口、取り出す余地を測ります。仮定例で幅90cmの収納三台でも、内部の幅や棚数が違えば同じ量は入りません。奥行きの深さも、日用品の箱や家電の寸法へ合わせます。毎日使う物を奥へ重ねる配置では、収納容量が大きくても出し入れの手間が増えます。現在の持ち物を全部残す前提か、減らす予定かも家族で確認し、使わない空間のために床面積や造作費を増やさないようにします。

造作を残す効果が大きい場所を選ぶ

天井や床の形が特殊な場所、配管を避ける場所、複数の機能をまとめる場所では、造作が使いやすさにつながる場合があります。反対に、一般的な形の収納で、将来の置き替えを考える場所は、既製家具が合うこともあります。すべてを同じ方法へ統一せず、場所ごとに効果と差額を見ましょう。

造作カウンターも、幅と奥行きだけでなく、脚、下地、配線、表面の仕上げ、手入れを確認します。既製机へ替えるなら、足元の使い方や移動のしやすさを比べてください。用途が変わりやすい子どもの学習や趣味の場所では、今ぴったりに作ることと、将来変更しやすいことの両方に価値があります。

造作の価値が出る場所は、壁の形や設備に制約がある部分、作業と収納を一体にする部分等です。例えば洗面カウンターでは、水への耐性、継ぎ目、清掃、配管点検を確認します。子どもの机では、現在の身長だけに合う固定寸法より、椅子や用途を替えられるかも検討します。天板だけを造作し収納は既製品にする等の組合せもあります。造作か既製品かの二択にせず、どの部分へ加工の費用を使うと目的を満たせるかを設計者へ聞いてください。

総額には壁の仕上げと固定も入れる

造作収納を取りやめると、背面の壁や床の仕上げ、巾木、コンセント等を整える費用が変わる場合があります。既製品の購入、送料、組立て、設置、転倒防止等を加え、完成状態の総額を比べます。住宅会社への支払額が下がっただけで、家計の支出が同じように下がったとは判断しないでください。

例えば、造作の減額30万円に対し、家具18万円、運搬・設置2万円、下地等3万円なら、差は7万円です。これは説明用の仮定です。その差で、仕上がりの隙間、収納量、将来の交換をどう評価するかを考えます。価格差を正しく見れば、造作へ予算を残す判断も、既製品へ替える判断も納得しやすくなります。

総額の比較では、造作を取りやめた後の壁・床・巾木、コンセント、家具の搬入・組立て・固定を加えます。仮定例で造作40万円減、家具24万円、仕上げ5万円、搬入と固定4万円なら削減は7万円です。家具購入を住宅ローンの対象へ含められるかは商品によるため、現金の支払い時期も確認します。家の契約額だけを安く見せず、入居までの家計支出で比較すると、造作を残す場所と替える場所を納得して選べます。

安全と交換のしやすさを確認する

背の高い家具や吊り棚などは、設置方法と固定する下地を確認します。見た目が同じでも、荷重や使い方への対応が違う場合があります。造作なら自動的に地震時も安全、置き家具なら必ず危険と決めず、製品の説明と設計者の提案に沿って、必要な対策を選んでください。

取り外した後の壁や床、設備交換時の経路も確認します。洗面や家電と一体の造作では、一部の故障でどこまで直すかが変わることがあります。既製品も寸法が特殊なら買い替えの選択肢が限られるため、今の価格だけでなく、修理と交換をどう行うかを聞き、長く使うための条件を整理しましょう。

転倒防止では、家具の重さと固定先の下地を確かめ、製品の施工条件へ合わせます。造作だから何も確認しなくてよいとは考えません。設備と家具を一体にした場合は、設備だけを交換できるか、取外した後に仕上げが残るかも聞きます。交換時の機種の選択肢が狭い納まりは、将来の費用と手間を増やす場合があります。見た目の隙間が少ない仕上がりと、分解・点検・交換のしやすさを同時に説明してもらってください。

品質を守りたい部分へ予算を戻す

質問は「既製品で必要な収納量を確保できるか」「仕上げと固定を含む実際の差額はいくらか」「将来交換するとき何が残るか」です。造作を減らした予算を何へ使うかも決めます。断熱、構造、防水等の必要な工事を守るために、家具の方法を見直すのは合理的な考え方です。

住宅の品質は、家具の特注量だけでは決まりません。毎日使う場所には必要な使い勝手を確保し、既製品で十分な場所は柔軟に選ぶことで、予算を配分しやすくなります。造作を減らすことを妥協と受け止めるより、同じ目的を実現する別の方法として、寸法、費用、安全、将来性を具体的に比べてください。

採用を決める資料には、収納物、寸法、固定、完成価格、交換方法を残します。削減した予算の使い道も決め、構造や断熱等の変更しにくい部分を優先します。既製品へ替えたことで満たせなくなる動作があれば、その部分だけ造作を戻す案も検討できます。家族が「何のために特注へ払うか」を説明できれば、造作を残すことも合理的です。家具の数や特注量を家の品質の順位にせず、日々の使いやすさと総支出へ結び付けて判断しましょう。

造作の見積りを下げる場合は、棚板の枚数や厚さ、支持方法まで勝手に省かれないようにします。収納する物の重さと使い方を伝え、必要な仕様は設計者へ確認します。既製品へ替える際も、転倒防止の固定位置と下地を工事前に決めると、完成後に取付け先を探す手間を減らせます。造作をなくす承認と同時に、壁の仕上げと固定の準備まで図面へ反映します。家の契約から外れた物も、入居時の使える状態へつなぐことが必要です。

関連URL

1 東京都防災 家具類の転倒・落下・移動防止対策

家具の固定、配置、転倒等の防止を確認できます。既製家具へ替える際の下地と安全対策を相談するときに使います。

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000027/1005737.html

2 LIXIL ショールームの利用案内

収納や建材等の現物確認方法の例です。造作と比べる家具の内寸、操作、質感を確かめます。

https://www.lixil.co.jp/showroom/

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ