Q.建築確認を通った家なら性能も十分ですか?
確認する内容と住宅性能評価の違いは?
A.建築確認を通ったことは、計画が関係する建築基準に適合するか確認された意味です。自分が望む耐震性や断熱性、静かさ等のすべてが十分という意味ではありません。法令への適合と、希望する性能の水準を分け、住宅性能評価書や計算書で根拠を確かめます。
法令の確認と希望する性能の評価は目的が違う
建築確認では、敷地、用途、構造、防火等について、対象となる法令や手続きに沿って計画を審査します。確認する範囲や提出図書は建物の条件で異なります。確認済証があれば、あらゆる設計内容が同じ方法で審査されたと考えないでください。
2025年4月以降に着工する原則すべての新築住宅等は、省エネ基準への適合が義務になっています。したがって、建築確認では省エネを全く扱わない、という古い説明も適切ではありません。適合の確認方法と、取得した書類を確かめます。
ただし、法令上必要な省エネ基準に適合することと、断熱等級6・7など希望する上位水準を満たすことは別です。耐震性能も、法令に適合したという説明だけから、耐震等級3を取得したと判断することはできません。
住宅性能表示制度は、共通の基準に基づいて住宅の性能を評価・表示する制度です。評価する分野や項目を確かめることで、会社ごとに言い方が異なる高性能という説明を、比較できる情報へ変えられます。
工事前と完成後に受け取る書類を分ける
確認済証は、工事前の計画に関する書類です。それだけで、施工後の状態を検査したことにはなりません。必要な中間検査や完了検査の実施と、検査済証等の交付を、工程に沿って確認します。
住宅性能評価にも、設計図書を評価する段階と、施工・完成段階を検査する段階があります。建築確認と同じ書類ではなく、目的も確認する事項も異なります。制度名を並べるだけでなく、自宅で何を依頼したかを聞きます。
契約前から整理したい項目
・法令上必要な確認・検査と、その担当機関。
・希望する性能の項目と、契約する具体的水準。
・性能評価や測定の実施範囲、費用と時期。
・完成時に受け取る書類と、未交付時の予定。
例えば、高気密という希望は、建築確認を通したという一言で確認できません。C値の目標、測定方法、実施時期、報告書を別に定めます。断熱や構造の計算も、採用する材料と最終図面に対応していることが必要です。
窓や断熱材、屋根材等を工事途中で変更するなら、当初の計算や申請へ与える影響を確認します。法令上の変更手続きだけでなく、契約した性能を維持できるかも検討します。確認済証の交付後だから自由に変更できるわけではありません。
契約時には、性能の希望を口頭で伝えるだけでなく、項目と水準を仕様書へ残します。法令適合の説明と契約の約束を並べると、追加で必要な評価や測定を選びやすくなります。
第三者の検査があっても、日々の施工管理や工事監理が不要になるわけではありません。見えなくなる部分を誰がいつ確認し、図面と異なる施工があれば誰が是正を判断するかを、住宅会社へ聞いてください。
引き渡しでは、確認済証と検査済証、性能評価書、計算書、測定記録等を、目的ごとに整理して受け取ります。書類の束の厚さより、自分の建物のどの内容を示す書類なのか分かることが大切です。
私は、法令に適合させることを前提として、その上でお客様が求める水準を明確にする必要があると考えています。合格という言葉一つで、暮らしの性能全体を説明しないようにします。
住宅会社には「建築確認で確かめる項目と、私たちが希望する性能を証明する資料を分けて示してください」と依頼します。必要な検査と追加する確認を、契約前に判断できます。
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