建て替え工事で母屋の電気と水道を使う。増えた請求はどう分ける?
原案の判断:使用期間と計測方法、費用の扱いを工事前に合意する。
母屋の電気や水道を工事に使うなら、使用する期間、測り方、料金の分け方を着工前に合意しておきます。前年より増えた請求額をすべて工事分と決める方法では、家族の使用量や料金単価の変化が混ざります。計測できる範囲は記録し、難しい部分は事前に決めた方法で精算するのが現実的です。
まず工事で使う範囲と期間を決める
どのコンセントや水栓を使い、何の作業に使うのかを現場責任者へ確認します。解体時の散水、工具の電源、清掃、試運転など、工程ごとに使う量や時間が違います。着工から引き渡しまで一律に母屋から供給するのか、途中で仮設や新居の設備へ切り替えるのかも確認します。工事中の生活に影響する使用は、母屋に住む人へ説明してもらいます。
電源の容量や配管の条件が工事に適しているかは、電気工事店や水道の工事担当に確認します。生活用の回路へ無理に機器をつないだり、施主が自己流で仮設配線を延ばしたりしないことです。工事のために容量や設備を変更するなら、その工事費、基本料金への影響、終了後に元へ戻す費用を見積もりへ入れてください。
計測できる方法を費用と一緒に検討する
工事専用の計測ができれば、生活分と分けやすくなります。必要な機器、設置費、記録の方法について担当者へ相談します。料金精算に使う計測には適切な機器や方法を選ぶ必要があるため、家庭用の簡単な表示機器だけで請求額を決めてよいかは確認してください。測るための費用が大きすぎる場合は、別の合意方法も比較します。
少なくとも、使用開始時と終了時の指示値、使用日、工程を写真や記録で残すことは検討できます。ただし、母屋全体のメーターだけでは、その間の家族の使用も含まれます。記録があることと、工事分だけが確定することは別です。計測の限界を双方で理解し、どの数字を何の根拠として使うかを先に決めておくことが必要です。
前年との差額だけでは誤差が出る
夏の冷房、冬の暖房、同居人数、在宅時間が変われば、工事がなくても料金は変わります。電気や水道の料金体系によっては、使用量に対して請求額が単純比例しないこともあります。前年同月との差を参考にする場合は、季節や家族の状況、単価の違いを整理します。増えた分をすべて会社へ請求する計算にも、すべて施主負担にする計算にも根拠が必要です。
仮に工事専用の計測で百キロワット時と分かった場合でも、精算単価をどう定めるかを合意します。実際の請求に沿った計算にするのか、合意した単価を使うのか、固定料金の増加を含めるのかを明示します。この量は説明用の数字です。複雑な料金を施主だけで再計算するより、双方が再現できる簡潔な精算方法を選ぶことが大切です。
定額で精算するなら対象と例外を決める
使用量を厳密に分けることが難しければ、工事期間中の定額負担などを協議する方法もあります。その場合は、対象期間と作業、工期が延びたときの追加精算、異常な使用があった場合の扱いを決めます。金額だけを決めると、工事が長引いても同じ額なのか、別の業者が使った分を含むのかで行き違いが生じます。
一日当たり、月当たり、工事全体のいずれで定めるかも重要です。短い補修で何度も使う場合と、連続した工事では管理方法が違います。施主が追加で頼んだ外構業者の使用分など、元の住宅会社の範囲外となるものがあれば区別します。定額合意は根拠のない丸投げではなく、現実的に分けにくい部分を双方が理解して決める方法として使います。
通常使用と漏水などの異常を分ける
工事中に水道使用量が急増した場合は、通常の散水だけで説明できるか、ホースの閉め忘れや配管の損傷がないかを確認します。電気も、工事が休みの日に使われ続ける機器がないかを現場担当者に調べてもらいます。料金の精算より先に、異常な使用を止めることが必要です。施主が危険な現場へ入って設備を触らず、担当者へ連絡してください。
異常があった場合は、発見日、写真、使用量、原因、対応を記録します。漏水による料金の取扱いなどは契約先や水道事業者の条件を確認し、会社との費用負担も別に協議します。通常の使用料を定額で合意していても、その合意が工事上の不具合による損失まで含むのかは確認が必要です。原因が分からないまま増額だけを精算しないようにします。
工事後の請求を待って最終精算する
料金の検針や請求が工事完了後になる場合は、最後の対象期間を決めておきます。引き渡し時に未確定なら、概算で精算して後で差額を合わせるのか、明細が出てから払うのかを合意します。会社が負担する使用料を、工事の最終請求にどう反映するかも決めます。施主が受け取るべき額と未払い工事代金を無断で相殺せず、双方の明細を合わせます。
母屋の契約を変更した場合は、工事後に元へ戻す手続きを誰が行うか確認します。不要な仮設配線や配管が残らないか、生活用の設備が正常に使えるかも点検します。母屋の住人、住宅会社、設備担当の間で終了を共有し、最後の請求と精算書を保管してください。現場で使わなくなった日と、料金の処理が終わった日を別に確認することが必要です。
深澤の判断と次の行動
私なら、母屋の電気と水道を使うこと自体は、条件を整えて合理的に判断します。ただし、料金の分け方を完成後の感覚で決める進め方にはしません。どこを使うか、どう記録するか、どの単価や定額で精算するかを着工前に決める。母屋に暮らす家族へ負担を押し付けず、会社も根拠を持って精算できる形にしておいてください。
参考資料 確認日 2026年10月25日
東京電力エナジーパートナー でんき工事コーナー 低圧工事のお申込み
関連Q&A
A011 工事は終わったのに仮設電気の請求が続く。施主名義なら放置できない?










