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床に埋め込む磁石式の戸当たりは、床の厚さを変えても同じ位置で使えますか?

床の厚さを変えるなら、戸当たりの位置を平面上で同じにしてよいかだけでなく、完成後の高さ関係を確認し直してください。磁石式は、扉側と床側の部品が所定の位置関係に来て初めて働く仕組みです。

床が上がる、埋込みの深さが変わる、扉の下端を切るといった変更で条件が変わります。採用品の説明書と完成床の断面を重ね、施工前に取付寸法を決める必要があります。

基準は下地ではなく完成した床

図面の床高さが、構造の下地なのか、仕上げ面なのかをまず確認します。床材の厚さだけでなく、接着層や下張り、必要な調整を含めた完成高さを共有してください。戸当たりの施工者だけが古い床仕様を見ている状態を避けることが重要です。

床に埋まる本体の天端と、扉側の受けとの距離を断面へ記入してもらいます。製品によって床側と扉側の役割や構造は異なるため、どちらが磁石かという呼び方だけで判断しません。採用品の部品名と、測る位置が一致する図を使います。

たとえば床を厚くしても、扉と戸当たりを同じ関係に調整できれば使える可能性があります。一方、扉を動かさず床だけ上げれば、作動距離や扉下の隙間が変わります。「数ミリだから大丈夫」と決めず、その変更が何に影響するかを確認してください。

変更を伝える時期は、床を張り終えた後ではなく、材料を発注し施工寸法を決める前が基本です。打合せ表には、旧仕様と新仕様の床の構成を並べ、建具の加工図も更新したかを記します。扉を製作済みなら、下端や金物の位置をどこまで変更できるかを先に確認してください。

床の担当者が厚さの変更を把握していても、建具の担当者へ伝わっていないことはあり得ます。変更の内容を一つの図へまとめ、双方が確認した状態で工事を進めます。色柄だけの変更なのか、高さも変わる変更なのかを明確にすると、不要なやり直しを防ぎやすくなります。

作動距離と干渉の両方を見る

磁石が働く距離に入っていても、部品や扉が床へ当たれば適切な状態ではありません。引き出される部分、起き上がる部分、固定する爪などの動きを含めて確認します。閉じた位置の隙間だけでなく、所定の停止位置へ近づく途中も見る必要があります。

川喜金物のPDS-60の説明でも、本体と受座の間隔が指定されています。このように、部品同士の距離は製品の条件で決まります。そこに示される数値を、形の似た別の磁石式戸当たりへ共通の値として使わないでください。

床に少し傾きや高さの違いがあると、扉が通る途中と停止位置で隙間が異なる場合があります。戸当たりの周囲だけを測って判断せず、扉の回転範囲で床に触れないかを確認します。敷物を置く予定があるなら、その位置も加えて検討します。

埋込みと固定に必要な下地を確かめる

部品が床材へ収まることと、確実に固定できることは別です。掘り込む深さ、残る材料の厚さ、ねじの受け先を、採用品の条件で確認します。薄い仕上げ材の中へ無理に埋め込む案では、下地まで含む納まりを設計する必要があります。

床暖房や配管、配線がある場所は、穴あけの前に位置を確認します。戸当たりが小さいから下の設備へ影響しないとは言えません。床の断面と設備図を施工者へ渡し、固定ねじや掘込みの範囲を照合してもらってください。

床材を変えるときは、硬さや施工方法も確認対象になります。柔らかい床や特殊な下地へ取り付けられるかは製品次第です。以前の床で使えた部品をそのまま戻すのではなく、変更後の床へ適合する固定かをメーカーや施工者へ尋ねます。

止まる角度と家具への当たりを決める

戸当たりの位置は、壁へ扉が当たる直前に置けばよいとは限りません。取っ手や装飾、隣の家具まで含め、どこで止めるかを決めます。平面上の位置を少し変えたときも、扉側の部品と正しく向き合うかを確認してください。

床埋込み式を選ぶ目的が、足に触れる突起を減らすことなら、作動中と解除後の状態も見ます。使用していないときだけ平らでも、通行時にどう見えるかは確認が必要です。ロボット掃除機などを使う場合は、実際の通り道で干渉を考えます。

扉を保持する機能と、強い風に対する固定能力を同一視しないでください。換気で扉があおられる場所なら、採用品の使用条件を確認します。軽く開いた位置を保つための部品を、想定外の力を受け止める装置として使う計画は避けます。

調整できる範囲を先に確認する

上下の調整ができる製品でも、その量には限りがあります。床厚を変えた後に調整すればよいと考える前に、変更量が範囲へ収まるかを確認します。上限まで動かした状態で、他の必要な隙間が失われないかも併せて見ます。

調整できない場合は、部品の位置や納まりを変える、対応する品へ交換するなどの検討になります。扉の下端を削る案は、扉の内部構成や仕上げに影響するため、建具の製作者へ確認してください。戸当たりの都合だけで削る範囲を決めないことが大切です。

既存住宅の改修では、床側の古い穴を隠せるかも問題になります。部品の移設だけで済むのか、床材の補修が要るのかを見積りへ含めます。新しい床の施工後に穴位置が合わないと分かる事態を避けるため、床工事と建具工事を同じ図で調整します。

完成後の動きと記録を残す

引渡し時には、ゆっくり開けた場合も通常の速さで開けた場合も、指定どおり作動するかを確認します。勢いを付けなければ止まらない状態を正常として受け取らず、部品の位置と調整を施工者に見てもらってください。

床側のごみや異物が動きを妨げることもあるため、日常の清掃方法を確認します。内部へ油を注したり、磁石の位置を自己判断で変えたりせず、採用品の手入れに従います。部品の浮きや緩み、以前と違う作動があれば、使用状態を動画に残して相談します。

完成床の仕様と高さ、戸当たりの品番、取付位置を保存します。将来床を重ね張りするときは、その資料を工事業者へ渡してください。床の模様や厚さを選ぶ打合せに、扉と戸当たりの作動を確認する工程も入れると、改修後の不具合を減らせます。

深澤の判断と次の行動

私なら、床材を変更した時点で、完成床と扉下端、戸当たりの三つの高さを図へ書き直してもらいます。作動距離、干渉、固定下地がそろって成立する位置を決め、完成後に実際の動きを確認します。床に目立たない小さな金物ほど、下地の段階から正確な寸法を共有したいと考えます。

デザインハウス甲府
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