審査を通すため、団信の告知から対象の通院歴を省いてよい?
判定 NG
判定はNGです。団信の告知で聞かれた通院歴等を意図的に省くと、万一の際に保障を受けられないことがあります。告知書の対象と期間を確認し、本人が事実どおり記入してください。不明点は保険会社の窓口へ照会します。
審査を通すために 保障の前提を崩してはいけません
団体信用生命保険は、契約で定める事由が生じたときの住宅ローン返済に備えるものです。その加入時に求められる告知は、保険会社が引受けを判断するための重要な手続きです。審査を通すことだけを優先し、質問された事実を省くと、必要なときの保障に問題が生じる可能性があります。
住宅金融支援機構も、新機構団信の手続きで、本人が告知日現在の状態を正確に記入し、事実と異なる場合には保険金が支払われず債務を弁済できないことがあると案内しています。どのような結果になるかは個別の契約等によりますが、正確に答えるという基本は変わりません。
「今は元気だから」「たいした病気ではないと思うから」という自己判断で、聞かれた事項を省かないでください。体調について自分がどう感じるかと、告知書の質問に該当するかは別です。質問に書かれた期間や、治療・投薬・検査などの対象を、その文面に沿って確認します。
反対に、告知書が聞いていない範囲まで自己流で広げて、全履歴を無秩序に並べればよいという話でもありません。質問を正しく理解して必要事項を答え、迷う部分を照会することが重要です。告知の範囲や解釈を住宅会社の感覚だけで決めないでください。
審査に不安があっても、告知を省くことで問題を解決したことにはなりません。加入が認められたように見えても、後で保障の前提が問われれば、残された家族の資金計画へ影響するおそれがあります。家を建てるための手続きが、家族を守る備えを弱くする順序は避けるべきです。
私は、家の契約を急ぐために健康情報の記載を軽く扱う説明には賛成できません。住宅会社ができるのは、確認に必要な時間を工程へ入れることです。保険の審査判断を代わりに行ったり、告知を省いてよいと決めたりする役割ではありません。
本人の記録で確かめ 正式な方法で伝えます
通院した時期や病名などが曖昧なら、手元の記録、診療に関する書類、薬の情報などを確かめ、必要に応じて医療機関へ事実を確認します。ここで必要なのは自分で診断することではなく、告知の質問へ正確に答えるための情報をそろえることです。
仮に告知書が指定する期間内に通院しており、自分ではもう治ったと思っている場合でも、質問に該当するならその内容を記入します。この仮の例で、治ったという感想を理由に「通院なし」と答えることは勧められません。終了時期や現在の状態も、求められる内容に沿って伝えます。
銀行や住宅会社の担当者へ口頭で話したから、正式な告知も済んだと思わないことです。生命保険文化センターは、営業担当者等へ口頭で伝えるだけでは告知したことにならない点を案内しています。指定の告知書や入力画面など、保険会社が求める方法で手続きをしてください。
オンラインの告知でも、誰かに代わりに答えを選んでもらい、内容を読まないまま確定することは避けます。本人が質問と回答を照合し、送信前に誤りがないか確認します。保険会社から追加の質問や資料提出を求められた場合も、同じ方針で事実を確認して対応します。
迷った質問は、その文面と自分の状況を整理して保険会社の窓口へ聞きます。「この程度は書かなくてよいですか」という誘導的な聞き方より、何が起き、いつ、どのような対応をしたかを伝え、記入方法を確認する方が誤解を減らせます。
健康に関する情報は、必要な相手へ必要な方法で伝えます。住宅の設計担当など、告知の処理に関係しない人まで詳しく共有する必要があるとは限りません。提出先と取扱いを確認し、不明点は金融機関や保険会社へ直接問い合わせる方法を選んでください。
告知済みの内容に誤りがあれば 放置しません
提出後に記入漏れや誤りへ気づいた場合は、契約が進んでいるから黙っておくのでなく、保険会社や金融機関へ連絡して訂正方法を確認します。訂正の可否や手続きは状況によります。自分で書類だけを書き換えたり、次の機会まで待ったりせず、正式な案内を受けてください。
加入が難しいと分かった場合も、次に使える選択肢を正しい情報で相談します。別の保障や融資の方法を検討できる場合があっても、条件や費用、審査はそれぞれ異なります。通院を隠すことを解決策にせず、住宅の予算や契約の進め方を含めて整理します。
団信の結果が資金計画に大きく関係するなら、住宅や土地の契約に進む前から確認の順序を考えます。どの段階で何の審査ができるか、結果が予定と違った場合に契約へどう影響するかを担当者と確認します。審査の不確実さを隠して先へ進めないことが大切です。
保険へ入りたいからという理由で、必要な診療や投薬を自己判断で中断することも勧めません。医療の判断は医療者に相談する領域で、住宅購入の都合を優先して決めるものではありません。治療の事実を正しく伝え、その条件で利用できる方法を検討してください。
家族に説明するときは、「審査に通ったか」だけでなく、どの保障が、どんな条件で付いたかまで共有します。保険証書等の保管場所や問い合わせ先も分かるようにしておきます。正しい告知と正しい保障の理解がそろって、万一への備えとして機能する計画になります。
深澤の判断と次の行動
告知で迷ったら、自己判断で空欄や「該当なし」にせず、質問の対象を保険会社へ確認してください。審査を通ることだけでなく、将来必要なときに契約に沿って保障を受けられる状態を作ることを優先しましょう。
参考資料 確認日 2026年10月25日
住宅金融支援機構「新機構団体信用生命保険・ご加入の手続・ご注意点」
生命保険文化センター「病歴があったのに告知するのを忘れていたら?」
関連Q&A
025 夫婦でペアローンを組むだけで、無理な家づくりになる?










