記事詳細

図面や建築時の記録がない家でも、 リフォームと建て替えを比較できますか?

Q.図面や建築時の記録がない家でも、
リフォームと建て替えを比較できますか?

A.比較はできます。ただし、図面のある家と同じ情報がそろっているとは考えず、資料を探す作業と現地調査を組み合わせます。部屋の寸法が分かる図面を作っただけでは、壁の内部や基礎の仕様まで分かったことにはなりません。調べた事実と推定を分けて比較することが大切です。

残っている資料を探して現況と照合

最初に、自宅の保管書類、親族の手元、建築した会社や設計者への照会など、探せる先を整理します。間取り図のほか、確認済証、検査済証、構造に関する資料、工事写真、増改築の契約書も手掛かりになります。書類の名称が分からなければ、まとめて建築士に見てもらって構いません。古い封筒や工事の写真にも情報が残っていることがあります。

自治体や当時の確認検査機関に、確認・検査の記録や閲覧できる資料が残っているかを問い合わせる方法もあります。ただし、保存期間や閲覧できる範囲は異なり、建築時の図面一式が必ず手に入るわけではありません。相談時には所在地、建築時期、当時の所有者や施工会社など、分かる情報を用意すると照会しやすくなります。

資料が見つかった場合も、現在の家と一致するかを確認します。設計時の図面と実際の施工に違いがあることや、その後の増築や壁の撤去が反映されていないことも考えられます。図面があるから現地調査を省けるとは限りません。いつ作られた、何を示す資料なのかを整理しましょう。

調査の依頼前に決めること

・実測して作る図面の種類と記載する内容

・床下や小屋裏など、確認する場所と方法

・壁や床を一部開ける場合の範囲と復旧条件

・未確認や推定のまま残る事項の表示方法

実測で作る現況図には、部屋の形、壁や柱の位置、開口部、床の高さなど、調査した情報を反映します。ただし、仕上げの裏側の筋かい、金物、鉄筋の配置まで、寸法測定だけで確定することはできません。目で見た部分、測定した部分、資料から判断した部分を区別してもらうと、図面の使える範囲が明確になります。

比較に必要な情報から優先して調べる

例えば、大きな開口を設けたい場所があるなら、その付近の構造を優先して確認します。家全体を残す判断なら、基礎や主要な構造材、雨水の影響なども調査対象として相談します。何でも同じ詳しさで調べるのではなく、希望する工事と判断への影響が大きい部分から調べる方針を立ててください。

調査を増やす場合は、費用をかける理由も確認します。その結果によって改修方法を選べるのか、概算の不確実さを減らせるのか、工事の可否を判断できるのかを聞きましょう。調査しても確認できない部分が残る場合は、どの仮定で計画し、工事中に何が分かれば見直すかを決めておきます。

法令上の適合状況の確認は、間取りを写した図面だけでは済まないことがあります。国土交通省は、増改築や大規模な修繕等を行う既存建築物について、建築士による現況調査のガイドラインを示しています。検査済証がない場合なども、現在の状態と履歴をどの方法で調べ、予定する工事につなげるかを専門家と整理します。

比較するリフォーム案には、調査済みの範囲、未確認箇所、追加調査の予定、変更が必要になり得る条件を付けてもらいましょう。建て替え案についても、既存の建物を壊す費用や敷地の条件が消えるわけではないので、それぞれ何が分かっているかをそろえる必要があります。

私は、図面がないから即建て替え、あるいは図面を描けば大丈夫、のどちらにも飛びつく必要はないと考えます。調査の目的を決め、判断に必要な情報を段階的に集めれば比較は進められます。大切なのは、分からないところを分かったように扱わないことです。

関連する質問

01 築30年・40年・50年で判断は変わる?建て替えとリフォームを築年数だけで決めてよいですか?

06 増築を繰り返した家は、全体をリフォームするより建て替えた方がよいですか?

10 リフォーム会社は「直せる」、住宅会社は「建て替え」と言う。何を根拠に判断すればよいですか?

参照資料 R09、R11

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ