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図面では通れる廊下。ドアを2枚同時に開けても、人がすれ違えますか?

結論

廊下は、すべての扉を閉めた図面だけでは判断できません。私なら、近くのドアや収納を同時に開け、人が立つ場所を重ねて確認します。通路の幅が確保されていても、朝の忙しい時間に誰かが扉を開けるたび通れなくなるなら、日常では使いにくいからです。幅と開閉動作をセットで見ます。

例えば洗面所から出る人と、向かいの収納からタオルを取る人が同時に動く場面です。扉同士が当たらなくても、人の立つ位置が重なるかもしれません。逆に、使用時間がほとんど重ならない扉なら、毎回大きな空間を確保する必要はない場合もあります。重なりの頻度を含めて考えることが重要です。

開いた扉の絵を消さない

平面図には開き戸の動く範囲が描かれますが、見慣れていないと部屋の形ばかり追ってしまいます。まず、廊下に向かって開く扉を一つずつ目立たせてください。玄関、トイレ、洗面、収納など、近い位置にある扉を組にして見ます。部屋ごとではなく、廊下全体の入口として確認します。

扉は全開の状態だけでなく、開け始めも考えます。中にいる人は、廊下を歩く家族の位置が見えにくい場合があります。扉を開けた先にいつも人が立つ場所があるなら、向きや位置を見直す理由になります。毎回声を掛ければよいという運用だけに任せず、間取り側で減らせる干渉を探します。

収納も忘れません。両開きの収納扉や引き出しを使うとき、取り出す人はその前に立ちます。収納が浅くても、前に必要な場所はゼロにはなりません。扉の線だけを描いて終わらず、人の足元と取り出す物を重ねてください。大きな洗濯カゴを持つ場面なら、その外形も使います。

図面に数値がある場合は、実際に使える幅がどこまでかを確認します。仕上がった壁、扉の厚み、取っ手などを含め、どの部分が通れる空間なのかを設計者へ尋ねます。この回で何センチあれば必ず安全という共通値は出しません。家族の体格と操作、持ち運ぶ物に応じた確認が必要です。

朝の三分間を再現する

私が勧めるのは、一日のうち最も混み合う短い時間を決める方法です。例えば仮に朝七時半から三分間で、親が洗面へ行き、子どもがトイレへ入り、別の家族が収納を開けるとします。この順番を図面の上で動かすと、単独では問題のない扉同士の関係が見えてきます。

人を表す紙を色分けすると、家族で話しやすくなります。誰かが扉を開けたとき、他の人はどこへ避けるのか。待つ場所があるのか。荷物を持ったまま後ずさりする必要がないか。歩ける線を引くだけでなく、一時的に止まる場所も確かめます。止まれる場所がない通路は、少しの重なりで使いにくくなります。

帰宅時も試します。買い物袋を持って玄関から入る人と、靴収納を開ける人が重なるかもしれません。夜なら寝室から出る人と洗面へ向かう人です。すべての時間帯を細かく再現する必要はありませんが、朝、帰宅、夜の三場面を比べると、家族の生活に合う修正を見つけやすくなります。

動線を短くすることばかり考えると、人が同じ場所へ集中する場合もあります。近いから便利な配置でも、全員が同時に使うなら入口を少しずらした方が扱いやすいかもしれません。距離と混雑は別の指標です。私は歩数だけで順位を付けず、誰かの動作が終わるまで待つ回数も確認します。

対策は廊下を広げるだけではない

干渉が見つかったら、まず扉の開く向きを変えられるかを検討します。次に、入口の位置を少しずらす、収納の開き方を変える、引き戸を使うなどの案を比べます。開き戸は前後へ動く範囲、引き戸は横へ納める場所が必要なので、変えた先の条件も設計者に確認してください。[1]

例えばトイレの入口をずらせば廊下は通りやすくなる一方、室内で便器へ向かう動きが窮屈になるかもしれません。収納扉を小さくすればすれ違えても、大物が取り出せなくなることがあります。修正は廊下だけで評価せず、入口の内側で使う動作まで含めて確認します。

扉を外して開放する案も、場所によっては選択肢です。ただし視線、音、収納物の見え方を家族が受け入れられるかを考えます。通れるようになれば何でもよいとはしません。出入りのしやすさと、閉めたい理由の両方を残せる方法を探すことが、設計の打ち合わせで必要になります。

いつも同時に使う二つの収納を分けるなど、人を分散する方法もあります。例えば朝使うタオルを、別の場所から取れるようにする案です。ただし収納を増やすことが目的ではありません。混む原因となる動作を一つ別へ移せるかを考え、家族が覚えやすい場所を選びます。

実物で試すときの条件を揃える

展示や完成した建物で確認できる場合は、許可を得て扉を実際に開けてみます。そのとき一人だけでなく、もう一人が通る動作を重ねます。人に扉を当てるような試し方はせず、止まった状態で動く範囲を確認してください。無理にすれ違うことができたかより、余裕を持って使えるかを見ます。

大きな荷物を使う場合は、軽い箱などで大きさだけ再現する方法があります。例えば洗濯カゴを持ったときに取っ手へ手が届くか、物を下ろす場所があるかを試します。体格の違う家族が交代すれば、ある人には平気でも別の人には扱いにくい部分を共有できます。

打ち合わせで修正した場合は、新しい図面で再確認します。扉を一枚直したことで、隣の収納や家具と新たに干渉することがあるためです。どの場面を改善するための変更だったかをメモしておけば、後の仕様変更で同じ問題を戻してしまうことも防ぎやすくなります。

深澤の判断と次の行動

私なら、廊下の幅の数字だけを見て合格にはしません。家族がよく動く時間に、扉、人、荷物の三つを重ねて使えるかを判断します。ほとんど使わない収納のために家全体を広げる必要はありませんが、毎朝ぶつかりそうになる場所は、図面の段階で直しておきたいところです。

次の打ち合わせでは、廊下へ面する扉をすべて開いた図を一枚作ってもらってください。その図で、家族が同時に使いそうな組を三つ選びます。朝の支度、帰宅、就寝前のどれかを当てはめ、人が待つ場所と荷物を置く場所まで確かめましょう。

相談するときは、この廊下は狭いですかという質問に、洗濯カゴを持つ人とトイレから出る人が同時に通りたい、と具体的な場面を添えてください。私が優先するのは、広い通路の写真より、動いても互いを邪魔しにくいことです。扉を開いた後の暮らしまで描けば、必要な修正が見えてきます。

参考資料

[1] LIXIL  室内ドア・室内引き戸をリフォームしたい リフォームの特長を解説

デザインハウス甲府
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