営業担当の『サービスします』は、書面にしなくてもよい?
判定 NG
NGです。「サービスします」という約束ほど、商品と工事の範囲を具体的に残してください。担当者を疑うためではありません。営業、設計、発注、現場へ同じ内容を伝えるためです。私は無料という言葉だけで終わらせず、見積書や仕様書に反映されているかまで確かめます。
無料になるものを一つずつ特定する
「エアコンを付けます」と言われても、本体だけなのか、取り付けや配管、専用回路、室外機の架台まで含むのかは分かりません。カーテンなら、生地だけか、レールと取り付けまでか、どの窓が対象か。照明なら、器具の数と種類、調光対応などの仕様もあります。言葉が短いほど、家族と会社で想像する完成状態がずれやすくなります。
私なら、品番、数量、設置場所、施工範囲を書いてもらいます。まだ商品を選んでいない場合は、選べる価格帯と対象商品、超えた場合の差額の扱いを明示します。「好きなものを選んでください」という説明も、後で上限が出てくると話が変わります。商品を決める期限と、欠品した場合の代替品の決め方まで聞いておくと確実です。
サービスの名目と契約金額をつなぐ
無料の約束が見積へどう反映されるかも見ます。対象の項目がゼロ円で載るのか、金額を載せて同額を値引くのか、別紙の仕様書で含むと示すのか。表し方は違っても、契約全体を読んだときに何を提供する約束か分かることが必要です。口頭では無料、見積では別途という食い違いは、署名前に解消してもらいます。
住まいるダイヤルは、サービスで行うはずという思い込みを避け、工事範囲を再確認するよう案内しています。私はここを、新築でも丁寧に扱いたいと考えます。サービス品だから品質や取り付け方の確認を遠慮する必要はありません。希望する家に合う商品か、使い方や維持管理に無理がないかも、通常の採用品と同じように見ます。
担当者が替わっても分かる記録へ
営業担当者が確かに約束していても、発注担当や現場責任者へ情報が届かなければ、準備が進まないことがあります。打ち合わせメモだけに書き、契約図面や発注一覧に載らない状態は避けたいところです。私は、約束を記録した書類の名前と、誰が正式に確認するかを会社に尋ねます。担当者の記憶に頼らない形にします。
施主も、後で見返して分かる記録を持ちます。メールなら件名だけでなく対象の図面や品番が読み取れるようにし、口頭で決まった場合は確認の文面を送って返答をもらいます。契約後の追加サービスであれば、変更一覧へ加え、金額や工期が変わらないことも確認します。最新の資料にまとめることで、古い約束との重複も防げます。
取りやめるときと完成時も確認する
サービス品が不要になったら、その分の代金が当然に返るとは限りません。無償提供の条件や契約全体での値引き方によって扱いが変わるため、取りやめる前に確認します。別の商品への変更、施主支給への切り替え、入居後の取り付けなども、自由に置き換えられると決めつけず、条件と負担を整理します。
完成時は、対象商品が約束どおりか、取り付けと動作に問題がないか、説明書や保証書を受け取れるかを確認します。付いていないものがあれば、いつ誰が対応するのかを記録します。ただし未実施があったから他の契約上の支払いも自由に止められる、と考えないでください。残工事と引き渡し、支払いの扱いは会社と協議して決めます。
図面の変更とサービスの約束を合わせる
打ち合わせ中に部屋の配置が変わると、最初にサービスを約束した商品が新しい計画へ合わなくなることがあります。たとえば照明の設置場所が増えた場合、無償で用意する数まで自動的に増えるとは限りません。私は間取りを変えたときに、サービス一覧も一緒に更新してもらいます。どの図面を前提にした約束かが分かれば、後の誤解を減らせます。
商品を別の仕様へ替える場合は、差額をどう計算するかも確認します。もともと無償だったから新しい商品も無料、あるいは変更すれば全額有料、と自己判断しません。会社が提案する変更条件を聞き、必要な機能や予算と比べて選びます。対象の商品を取りやめるときも、契約全体の値引き条件へ影響するかをあらかじめ確認しておきたいところです。
受け取る品の管理も決める
建築会社が用意する品と施主が用意する品が混ざる場合は、購入、搬入、保管、取り付けの担当を分けてください。会社から器具だけ無償でもらい、取り付けを別に頼むなら、その日程と費用を家族側で持つ必要があるかもしれません。私は無料になる箇所を印で示すだけでなく、完成までの残りの作業を誰が担うかまで一覧にします。
保証や不具合の相談先も確認します。無償提供の品だから説明書がなくてもよい、という扱いにはしたくありません。製品の型番、取り扱いの注意、保証条件、取り付けを担当した会社の記録があれば、入居後も相談しやすくなります。中古品や展示品などが提案された場合は、その状態と付属品、保証の扱いを事前に説明してもらい、納得して選びます。
すでに口頭の約束しか残っていない場合は、話した日と場所、対象の品、その場にいた人、手元のメモを整理して会社へ確認します。最初から担当者の不正や虚偽を決めつけず、約束の内容を会社として回答してもらいます。食い違いがあるなら、今後の施工を急がせる前に、どう解決するかを協議します。記録を整えることは、信頼を保ちながら話を進める方法です。
深澤の判断と次の行動
私は、気持ちのよい提案を、誰が読んでも実行できる約束にしてから受け取ります。次に「サービスします」と言われたら、ありがとうございます、と受けたうえで、品番、数量、取り付け範囲を仕様書へ入れてもらってください。無料の約束を最後まで気持ちよく実現するための確認です。
参考資料 確認日 2026年10月25日
国土交通省「建設工事標準請負契約約款について」(現行掲載ページ)
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