収納面積は十分。持ち物の寸法は測らなくてよい?
判定 NG
NGです。収納は面積が十分でも、持ち物が入り、取り出せるとは限りません。私は床面積の割合より、実物の幅・奥行き・高さと使う動作を確認します。掃除機、衣類、寝具、季節用品をどこへしまうかまで決めてから、棚や扉の寸法を設計します。
床の広さと収納できる量は違う
大きなウォークイン収納でも、人が入る通路へ面積を使います。棚が深すぎれば奥の物を取りにくく、角へ物がたまりやすい形なら見渡しにくくなります。反対に、必要な場所へ適切な奥行きの収納を分けた方が使いやすい場合もあります。私は収納率という一つの数字で、家族の持ち物が収まると判断しません。
セキスイハイムの収納の計画資料でも、しまう物に合わせた奥行きや、出し入れと通路の検討が紹介されています。私が勧めたいのは、収納の中へ入れる物から寸法を決める方法です。「納戸があるから大丈夫」で止めず、誰が何をしまい、どの扉から取り出すのかを具体的にします。場所が決まると必要な広さも見えます。
大きい物から測る
全部の持ち物を一度に細かく測るのは大変です。まず、形を変えにくい物、重い物、毎日使う物から確認してください。掃除機と充電台、スーツケース、季節の家電、寝具のケース、趣味の道具などです。幅と高さだけでなく、収納するときの形と、使うために取り出すときの形が違わないかも見ます。
箱へ入れてしまうなら、商品の外形ではなく収納ケースの外寸を測ります。持ち手や蓋、車輪などが出ている部分も忘れないでください。棚の内寸と扉を通る幅の両方へ入るかを確認します。棚の中は広くても開口が狭く、傾けなければ入らない場合、重い物では毎回の出し入れが負担になります。
入れる動作のための余白
寸法がぎりぎり一致するだけでは、手を入れて持ち上げたり、箱を引き出したりできないことがあります。私は収納する物の周囲に、家族が扱える余白を考えます。衣類を掛ける場合も、ハンガーだけでなく袖や厚み、裾が棚に触れない高さを見ます。見積上の棚の寸法と、完成後に使える内寸は、設計者へ確認してもらいます。
前面の空間も収納の一部として見ます。開き戸を開け、引き出しを最後まで引いた状態で、身体が立てるか、後ろを人が通れるかを確かめます。洗面所や廊下に置く収納では、別の扉と同時に開けたときも確認します。日常使う物ほど、いくつもの物を動かさず取れる位置へ置く判断がよいと私は考えます。
使う場所から置き場を決める
収納量が足りていても、使う場所から遠いと、出した物を戻す手間が増えます。リビングの文房具や充電機器、玄関の外出用品、洗面のタオルなど、日常使う物はどこへ置けば自然に戻せるかを聞きます。大きな納戸へすべて集める案と、用途ごとに分ける案を、家族の動きで比較します。
掃除機なら、出しやすい位置に加え充電の方法も確認します。収納の中へコンセントを付ければよいと決めず、機器の説明書にある設置や使用の条件を確かめてください。ロボット掃除機を使うなら、本体が通れるだけでなく、基地へ戻る動きやごみを捨てる作業も検討します。持ち物の名前だけでなく、使い方を設計へ伝えることが必要です。
可動棚にも動かせない条件がある
可動棚は便利ですが、何でも自由にしまえるとは限りません。棚の奥行き、幅、支える方法、耐荷重などは採用品の条件を確認します。重い物を置く予定なら、その重さと位置を伝えてください。私は棚の数を増やす前に、どの高さを空けておく必要があるかを考えます。後から調整できる範囲を知っておけば、部材を無駄に増やさずに済みます。
高い位置へ収納を設ける場合は、何をどう上げ下ろしするかまで確認します。年に数回使う軽い物と、毎日使う重い物では適する場所が違います。脚立を置く場所や使う人の動きも考えてください。私は天井まで棚があることを、そのまま有効な収納量とは数えません。家族が安全に取り出して戻せる範囲を優先します。
増える物と減らす物を分ける
家を建てる前は、今ある物を全部収納しようと考えがちです。まず新居へ持っていく物と処分する予定の物を分け、将来増えそうな物も確認します。子どもの教材や衣類、趣味の道具など、量が変わるものは棚の使い方を変えられるかを見ます。すべてに大量の余裕を持つより、入れ替えや配置変更ができる計画を勧めます。
買い置きについては、最大でどの程度持つかを決めます。食品や日用品は、収納が広いと管理する量も増えやすくなります。私は奥まで物を詰めることより、在庫が見え、必要な物を選べる状態を目指します。まとめ買いをする家族なら、その箱や容器の寸法を測り、持ち込む動線と保管する場所を一緒に確認します。
最後に収納の正面図へ、実際に入れる物の名前を書き込んでみてください。空いている棚は将来の余白として残せますが、行き先のない持ち物があれば計画を調整します。図面上で住所が決まらない物は、入居後に床や通路へ置かれやすくなります。寸法の確認と置き場の確認を一緒に行うと、収納を増やすべきかどうかも判断できます。
深澤の判断と次の行動
私は収納面積が多いだけで合格にはしません。まず大きい物と毎日使う物の寸法を測り、棚の内寸、開口、取り出す場所と照合してください。持ち物が入り、家族が無理なく戻せる計画になっていれば、その収納は暮らしの役に立ちます。面積の数字より、使える状態を確認しましょう。
参考資料 確認日 2026年10月25日
関連Q&A










