確実に見られています(笑)。ただ、深澤社長の場合は、価格・性能・住宅ローン・業界の不都合まで自分の言葉で話している。それは恥ずかしさ以上に、かなり強い信用材料です。
住宅会社の社長を見るべき理由とは?
こんなご相談をいただきました
住宅会社を選ぶときは、建物の性能や価格、営業担当者を比較すれば十分でしょうか。
地域の工務店では、社長が経営、商品開発、現場管理、クレーム対応まで大きく関わっていると聞きました。契約前に社長の考え方も確認した方がよいのでしょうか?
A. 特に地域の住宅会社では、社長の考え方が価格、住宅性能、現場品質、保証、トラブル対応に直結します。営業担当者だけでなく、「最終的に責任を取る人」が何を考えているか確認してください。
ただし、社長が話上手、親しみやすい、有名だから良い会社とは限りません。
見るべきなのは人柄だけでなく、発言と実際の契約内容が一致しているかです。
住宅会社の商品は社長の判断で決まる
地域工務店や中小住宅会社では、社長が次のような重要事項を決めていることが多くあります。
- どの価格帯で販売するか
- 何を標準仕様にするか
- 断熱・気密性能をどこまで高めるか
- 耐震等級と構造計算をどうするか
- 気密測定を全棟で行うか
- どの職人や業者へ依頼するか
- 現場監督に何棟を担当させるか
- 不具合をどこまで無償対応するか
- 顧客とのトラブルにどう向き合うか
営業担当者が「お客様第一です」と言っても、価格や保証を最終決定するのは経営者です。
社長の考え方を知ることは、会社の将来の行動を予測することにつながります。
総額を出すかどうかにも社長の姿勢が表れる
住宅価格を本体価格だけで安く見せるのか、付帯工事や申請費、消費税まで含めて表示するのか。
これは営業担当者個人ではなく、会社の経営方針です。
社長が「まず安く見せて来店させればよい」と考えていれば、広告価格は低くても、契約後に追加費用が増える可能性があります。
反対に、最初から次の費用まで説明する会社は、契約後の食い違いを減らそうとしていると考えられます。
- 屋外給排水
- 地盤改良
- 設計・申請
- 照明・カーテン・エアコン
- 外構・駐車場
- 登記・融資・保険
- 消費税
- 建て替え時の解体・仮住まい・引越し
価格の安さだけでなく、社長がどこまで価格を見せようとしているかを確認してください。
性能への姿勢は、数字で確認する
社長が「当社は高性能住宅です」と話していても、それだけでは判断できません。
確認したいのは次の内容です。
- 断熱等級とUA値
- C値の目標
- 全棟で気密測定するか
- 窓と換気設備の仕様
- 耐震等級
- 構造計算の方法
- 工事中の検査体制
- 数値が未達だった場合の対応
本当に性能を重視する社長なら、メリットだけでなく、測定費、施工の難しさ、換気管理、メンテナンスなども説明できるはずです。
最高記録だけを宣伝するのではなく、一棟ごとの結果を施主へ渡しているかを見てください。
不都合な話をする社長か
住宅会社にとって、契約前に話したくない情報があります。
- 地盤改良で費用が増える可能性
- 外構工事が見積もりに含まれていない
- 長期保証には有償工事が必要
- 太陽光発電が向かない屋根もある
- 変動金利には上昇リスクがある
- 高性能住宅にも乾燥や換気管理の課題がある
- 建築費をかけても高く売れるとは限らない
- 希望を詰め込むと老後資金が減る
こうした話を契約前にできる社長は、短期的な売上より、引き渡し後の問題を減らそうとしている可能性があります。
何を聞いても「大丈夫です」「当社ならできます」と答える社長より、できないことや向いていない条件を説明する社長の方が信用できます。
トラブル時に社長が出てくるか
住宅会社の本質は、順調なときより問題が起きたときに表れます。
次のような場合、誰が最終判断するのか確認してください。
- 契約内容と現場が違う
- 工期が遅れた
- 追加費用の説明に食い違いがある
- 気密性能が目標に届かない
- 雨漏りや設備不良が発生した
- 担当者が退職した
- 補修範囲について意見が合わない
営業担当者や現場監督だけに対応させ、社長が一切出てこない会社では、問題が長期化する可能性があります。
社長がすべての現場へ直接対応する必要はありません。しかし、重大な問題を把握し、最終判断する仕組みは必要です。
社長の発信は過去まで確認する
ホームページ、ブログ、YouTube、Instagramなどで、社長自身が発信している場合は、過去の内容も確認してください。
見るべきポイントは次のとおりです。
- 発言が数年間一貫しているか
- 過去の発言を都合よく削除していないか
- 価格や仕様の変更理由を説明しているか
- 他社批判ばかりしていないか
- 数字や根拠を示しているか
- 顧客への敬意があるか
- 問題や失敗から逃げていないか
動画は表情や話し方まで分かるため、文章より人柄が伝わります。
ただし、話がうまいことと、経営や施工が適切なことは別です。発信内容が、見積書、仕様書、契約書、実際の現場と一致しているか確認してください。
社員や職人への接し方を見る
社長が顧客にだけ丁寧でも、社員や職人を粗末に扱っていれば、長期的な品質に影響します。
次の点にも会社の体質が表れます。
- スタッフが頻繁に退職していないか
- 現場監督が疲弊していないか
- 職人と長く取引しているか
- 無理な工期を押し付けていないか
- 協力業者への支払いが適切か
- ミスを隠さず是正できる雰囲気があるか
住宅は、社長一人では建てられません。
社員と職人が安心して働ける会社でなければ、施主へ安定した品質を提供し続けることも難しくなります。
社長が目立たない会社が悪いわけではない
社長がSNSやYouTubeへ出演していないからといって、悪い会社とは限りません。
現場や経営に集中し、情報発信が得意ではない経営者もいます。
その場合でも、次の点は確認できます。
- 代表者名と経歴
- 会社の設立年数
- 住宅性能と価格方針
- 現場管理体制
- 保証とアフター対応
- 入居後の施主の評価
- 重大トラブル時の責任者
顔を出しているかではなく、責任の所在を公開しているかが重要です。
社長だけを信用して契約するのも危険
社長と気が合う、話が面白い、熱意を感じる。それも会社選びの一つの要素です。
しかし、住宅は人柄だけで建てるものではありません。
必ず次の書類も確認してください。
- 総額見積書
- 標準仕様書
- 外皮計算書
- 構造計算の内容
- 気密測定の条件
- 工事請負契約書
- 保証書
- 工程・検査計画
「社長を信じてください」という言葉より、社長の約束が書面に残っていることの方が重要です。
デザインハウス甲府からのアドバイス
住宅会社の社長は、確かに見られています。
話し方、服装、表情だけでなく、過去の動画、ブログ、価格の出し方、他社への発言、問題への向き合い方まで見られます。経営者にとっては少し恥ずかしく、怖いことでもあります。
しかし、顔を出して自分の考えを話すことは、「この会社の判断から逃げません」という意思表示にもなります。
デザインハウス甲府では、総額表示、断熱等級6・UA値0.46以下、全棟気密測定によるC値0.7以下、許容応力度計算による耐震等級3など、会社として譲らない基準を明確にしています。
さらに、住宅ローン、老後資金、再販性、保証の条件など、契約を遠ざける可能性がある話も先に伝えることを重視しています。
社長を見るとは、立派な経歴や話のうまさを見ることではありません。その人が、売上が減っても顧客に不利な事実を言えるかを見ることです。深澤社長は恥ずかしがっている場合ではありません。しっかり見られていることが、むしろ最大の差別化です。










