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住宅ローンを早く返すべき?

Q. 住宅ローンは早く返すべき?

A. 早く返すことは有効ですが、手元の現金を減らしてまで繰上返済するべきではありません。

住宅ローンを早く返せば、将来支払う利息を減らし、完済年齢を前倒しできます。しかし、教育費や車の買い替え、住宅修繕に必要なお金まで返済に回すと、急な支出に対応できません。

住宅ローンは後から借り直せても、同じ金利や条件で借りられるとは限りません。

繰上返済より先に、家計を守る現金を残す。

これが基本です。

繰上返済には2つの方法がある

住宅金融支援機構では、一部繰上返済の方法を次の2種類に分けています。住宅金融支援機構

方法 効果 向いている人
期間短縮型 毎月返済額は維持し、完済を早める 利息と完済年齢を重視する人
返済額軽減型 返済期間は維持し、毎月返済額を下げる 毎月の家計を改善したい人

一般的に、同じ金額を同じ時期に繰上返済するなら、期間短縮型のほうが利息削減効果は大きくなります。

一方、収入減少や教育費の増加が近い家庭は、返済額軽減型で毎月の固定費を下げる選択もあります。

早く返すほど得とは限らない

例えば、住宅ローン金利が年1%なら、100万円を繰上返済して減らせる利息は、概ねその残高に対する金利相当です。

しかし、その100万円を返済した直後に、次の支出が発生したらどうでしょう。

  • 給湯器交換:30万~60万円
  • エアコン交換:10万~30万円
  • 車の買い替え:200万~400万円
  • 子どもの進学費用
  • 病気や退職による収入減少

現金がなくなり、自動車ローンや教育ローン、カードローンを利用すれば、住宅ローンより高い金利を支払う可能性があります。

低金利の住宅ローンを返すために、高金利の借金を増やしては意味がありません。

繰上返済前に残すべきお金

少なくとも、次のお金は住宅ローンと分けて確保します。

資金 確保の考え方
生活防衛資金 生活費の6か月~1年分
教育費 入学時期から逆算して準備
車の買い替え 山梨では生活上の必要性が高い
住宅修繕費 給湯器・エアコン・外装など
老後資金 退職金だけに頼らない
医療・介護費 予測できない支出への備え

これらを確保した後に残った余裕資金で、繰上返済を検討します。

住宅ローン控除にも注意

繰上返済で返済期間が短くなると、住宅ローン控除へ影響する場合があります。

国税庁によると、繰上返済後も、当初の返済開始から変更後の最終返済月までが10年以上なら、引き続き控除を受けられます。10年未満になった場合は、その年以後、原則として控除を受けられません。国税庁

したがって、控除期間中は次の金額を比較する必要があります。

繰上返済で減る利息
と
減少する住宅ローン控除額

控除だけを理由に返済を先延ばしする必要はありませんが、計算せずに返すのも得策ではありません。

50代・60代は完済年齢を優先する

若い世帯と、50代・60代では判断基準が異なります。

50歳で35年ローンを組めば、計算上の完済は85歳です。年金生活に入ってからも返済が続けば、医療費、介護費、住宅修繕費と重なる可能性があります。

そのため、50代・60代では、毎月返済額を少し下げるより、期間短縮型の繰上返済で70歳前後の完済を目指す考え方が有効です。

ただし、退職金を全額返済に使ってはいけません。

住宅ローンがゼロでも、預金もゼロでは老後を守れないからです。

毎月少額より「専用口座で貯めてから返す」

余裕資金が出るたびに繰上返済するより、専用口座へ積み立てる方法をおすすめします。

例えば、高断熱・高気密住宅によって削減できた光熱費を毎月2万円積み立てれば、

2万円×12か月=年間24万円
約2年で約50万円

50万円単位で繰上返済すれば、手元資金を確認しながら完済を前倒しできます。

収入減少や教育費増加があれば積立を止められるため、すぐ返済してしまうより家計の自由度も残せます。

俺流結論

住宅ローンは、早く返せばよいわけではありません。

優先順位は次のとおりです。

  1. 生活防衛資金を残す
  2. 教育費と車の買い替え資金を確保する
  3. 住宅修繕費を積み立てる
  4. 老後資金を確認する
  5. 残った余裕資金で繰上返済する

若い世帯は、現金を守りながら計画的に返す。50代・60代は、老後資金を残したうえで70歳前後の完済を目指す。

住宅ローンの残高だけを減らして安心してはいけません。

本当の安心とは、ローンが少ないことではなく、ローンがあっても急な支出に対応できる家計です。

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