今の家を壊せば、同じ広さの家を建て直せると思う?
判定 NG
今ある家を壊せば、同じ広さの家を建て直せると思い込むのはNGです。道路との関係、敷地の範囲、現在の規制などで建てられる規模は変わります。解体前に設計者と行政へ条件を確認し、実現できる間取りと総額を把握します。
今の建物の大きさは 次の建築の許可ではない
既存の家が長く建っていることと、同じ形で新築できることは別です。建築当時と現在で適用される規制が違う場合や、敷地や周辺の条件が変わっている場合があります。今ある建物に認められている扱いが、壊して新しく建てる工事へそのまま引き継がれるとは限りません。「昔は建てられた」という記憶だけで、次の計画を決めないでください。
増改築を繰り返している家では、手元の図面と現状が一致しているかも確認します。登記上の面積や古い図面だけを見て、新築できる面積を判断することも避けます。資料は大切ですが、それぞれ何を示す資料かが違います。現在の敷地、建物、道路を調べ、設計者に計画へ使える条件を整理してもらいます。建て替えの検討は、今の家を少し新しく描き直すだけでは終わりません。
道に面しているように見えても 道路の扱いを調べる
車や人が通る道があることだけでは、建築基準法上の道路との関係は判断できません。道路の種別、敷地が接する部分、幅員、道路後退の扱いなどを確認します。甲府市も、道路種別や接道、道路後退の方法について事前相談を案内しています。実際の取扱いは場所と条件によるため、自宅の資料を持って所在地の窓口へ確認することが必要です。
道路後退が必要な場合は、建築の計画に使える範囲や、塀、駐車場などの配置へどう影響するかを設計者へ聞きます。道路の境界や中心線を、現地の見た目だけで決めません。相談に必要な図面や現況写真などをそろえ、回答を記録します。確認に時間がかかる場合もあるので、解体の日程を決めた後で始めるのでは遅いことがあります。最初の基本計画と並行して進めてください。
建ぺい率と容積率だけで 建てられる形を決めない
建物の規模には建ぺい率や容積率などが関係しますが、その数字だけで希望の形がすべて入るとは限りません。高さ、周囲との関係、防火に関する条件、地域のルールなど、計画に関係する事項をまとめて確認します。適用される項目や扱いは土地ごとに違うため、一般的な計算例を自宅へそのまま当てはめないことです。設計者に、制限とその根拠を一覧にして説明してもらいます。
例えば、同じ延べ床面積を確保できるとしても、一階に必要な寝室や駐車場が収まるとは限りません。床面積の合計と、希望する暮らしが成立する形は別です。階数、建物の位置、窓、玄関、車の出入りを配置図へ入れて確認します。面積の数字だけを先に約束し、後で使いにくい間取りへ無理に押し込む進め方は避けてください。何を優先して残すかを、規制の確認と一緒に考えます。
境界や権利 設備の経路も解体前に整理する
建てる範囲がどこまでか不明なままでは、正確な計画ができません。境界に関する資料、隣地との関係、共有の通路や設備などを確認します。境界の問題を設計者だけで確定できない場合は、必要な専門家へ相談します。今の給排水や電気の経路も、新築でそのまま使えるとは限りません。敷地の外を通る設備があるなら、利用や工事に必要な確認を先に進めます。
解体によって、隣家と近接した部分、共有しているように見える構造物、残す塀などへ影響する場合もあります。何を撤去し、何を残すかを図面と現地で特定してください。建て替え後の外構まで含めると、建物本体だけでは見えない費用が出ることがあります。既存の家を壊した後に初めて相談するのではなく、解体と新築を一つの計画として調整します。
希望の広さが入らないときは 壊す前に選択肢を比べる
調査の結果、同じ規模が難しいと分かったら、家族が必要とする機能から計画を組み直します。使っていない部屋を減らす、収納を整える、階の使い方を変えるなど、面積を減らしても暮らしを改善できる可能性はあります。ただし、無理な縮小を正解にする必要はありません。今の建物を改修して使う案や、別の場所へ住み替える案を比較することもできます。
改修ならすべての規制を避けられる、という理解も正しくありません。国土交通省は、既存建築物の現況調査と活用時の取扱いを案内しており、工事内容に応じた確認が必要です。残す案と壊す案では適用条件が異なり得るため、希望する工事を具体的に示して設計者へ相談します。まず解体してから有利な方法を探すのではなく、調べた条件の中で選択肢を比較する順番を守ってください。
調査の回答を受けたら、相談した計画と実際に進める計画の条件が同じかも確認します。相談後に敷地を分ける、配置を大きく変えるなどの変更があれば、以前の回答をそのまま使えない場合があります。相談した図面の日付、確認した窓口、回答内容を残し、変更時に設計者が見直せるようにしてください。解体業者へ渡す図面にも、残す物と撤去する物を反映します。建てられる規模の確認と、解体の依頼が別々に進まないよう、住宅会社の担当者へ全体の日程を管理してもらいます。最終判断に使うのは、当初の印象ではなく、この敷地の最新の条件です。
深澤の判断と次の行動
私は、再建築できる条件と基本計画が見えない段階で、解体を先行させることを勧めません。道路、敷地、規制、設備の条件を確認し、建てられる形と費用を資料で受け取ってください。今の家の面積を基準にするより、次の暮らしを実現できる根拠をそろえることが先です。
参考資料 確認日 2026年10月25日
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002 車が通る道路に接していれば、家を建てられると考えてよい?










