記事詳細

エアコンを木製の囲いで隠したい。吹き出した風がすぐ吸い込まれ、冷暖房が効きにくくなりませんか?

エアコンを木製の囲いで隠す場合は、室内から空気を取り込む経路と、吹き出した空気を室内へ届ける経路を分けて確認してください。格子に隙間があるだけでは、必要な風量や流れが確保できるとは限りません。

吹いた空気が囲いの中ですぐ吸い戻される形なら、居場所まで冷暖房が届きにくくなるおそれがあります。採用機種の据付条件と囲いの断面を空調業者に照合してもらい、製作前に成立する形を決めることが大切です。

吸込口と吹出口を機種の図面で特定する

まず機種を決め、吸込口、吹出口、風向板が動く範囲を図面へ記入します。見えている正面だけが空気の通り道とは限りません。上側から吸い込む機種で天板を近づけるなど、意匠図だけでは見落としやすい部分を、据付説明書と実物で確認してください。

ダイキンは、室内機の吸込口や吹出口が家具などで塞がれると、風の循環を妨げ、十分に冷やせない原因になると案内しています。

木の格子も設置の仕方によっては障害物になります。エアコンの周囲に必要な空間を、家具の内寸へ置き換えて守ればよいとは限らないため、囲いそのものの可否を相談しましょう。

壁掛け形を隠す案と、隠蔽設置を想定した機器を採用する案を比較することもできます。外観だけで選ばず、機器費、工事、点検口、更新の方法を含めて考えます。専用の機種でも自由な箱へ納められるわけではないため、その設置条件を確認することが必要です。

吹いた空気が近道して戻らない形を検討する

本来は室内を通って戻る空気が、吹出口のすぐ近くから吸込口へ戻る流れを避ける必要があります。囲いの天板や格子で風が曲がり、内部だけで循環する可能性がないかを見てもらいます。正面図に矢印を描くだけでなく、上下と左右の断面で、空気がどこへ出てどこから戻るかを確認してください。

例えば上部と下部が同じ狭い箱へ開いている案では、部屋へ風が出る前に箱内で戻るかもしれません。これは検討用の例で、全ての囲いで同じ現象が起こるという意味ではありません。仕切りの要否や開口の形は、機器の特性を踏まえて空調業者に判断してもらいます。

風の通り道を施主が独自の板や布で変更することは避けます。見た目を整える追加部材が、風向板やセンサー、排水など別の機能へ影響する可能性もあります。メーカーが認める納まりかを確認し、家具製作側だけで空気の流れを決定しないことが大切です。

格子は隙間の幅だけで判断しない

格子の厚み、奥行き、角度、並び方によって、風の抜け方や見え方が変わります。隙間の合計面積が大きくても、機器の直前で風を遮る部分があれば、その影響を確認する必要があります。必要な開口を一律の割合で決めず、具体的な図面で適合を照会してください。

冷房と暖房で風向を変える場合は、どちらの運転でも格子へ当たらないかを検討します。自動運転や清掃時に動く部品も含めて、全ての動作範囲を確保します。停止中にきれいに納まっている写真だけでは、使用中の条件を判断できないことに注意しましょう。

格子の前へ家具や植物を置く予定も伝えます。囲い単体で空気が通っても、その先が塞がれれば居場所まで届きにくくなります。リビングの配置図に風の経路を重ね、カーテンを閉めた状態など日常の使い方で確認してください。

センサーと手入れの動作も残す

機器に温度検知や人を検知する機能がある場合は、囲いによる影響を機種ごとに確認します。温度をどこで測るか、視野を必要とするセンサーがあるかは同じではありません。リモコンが反応することだけを確かめて、全機能が使えると判断しないでください。

フィルターを抜く方向、前面パネルを開く角度、清掃作業の姿勢を図面へ入れます。格子を外せても、その裏の機器の蓋が開かなければ手入れできません。定期的に住む人が行う清掃と、専門業者が行う分解点検を分け、必要な作業空間を確認しましょう。

囲いの取り外しに工具が必要なら、ねじの位置と工具の入る方向を決めます。高い位置で大きな木枠を一人で支える構造は、日常清掃の負担になり得ます。軽く外せる部材と業者が外す部材を整理し、着脱後に確実に固定できる方法を選んでください。

完成状態で試運転し記録する

試運転は囲いを付けた状態で行います。運転音、風向板の動き、吸込みと吹出し、部屋の温度の変化を空調業者へ確認してもらいます。囲いを外した状態で正常だったという結果だけでは、設置後の条件を確認したことになりません。

短時間の試運転だけで一年中の快適性を保証できるわけではありません。引渡し時に確認できる運転と、季節が変わった時に相談する窓口を決めます。効きが悪い場合も、囲い、機器の不具合、建物の負荷や使用条件を分けて調べる方が、対策を選びやすくなります。

完成図、機種、開口寸法、取り外し方を写真と一緒に残します。後から家族が目隠し布を追加したり、格子の間を装飾で塞いだりすると条件が変わります。空気の経路として空けておく場所を共有し、意匠部材も空調計画の一部として扱ってください。

交換時に囲いを使い続けられるか考える

将来のエアコンが同じ外形や吸込位置とは限りません。囲いを一体の家具へ固定し切る前に、部材を替えたり開口を広げたりできる範囲を検討します。本体を外すための作業空間と搬出方向も確保し、修理のたびに大工工事が必要になる納まりを避けられるか相談しましょう。

見積りには、囲いの製作だけでなく空調側の確認、着脱機構、仕上げ後の試運転を含めます。家具業者と空調業者のどちらが何を確認するかを設計者に整理してもらいます。責任を一方へ任せるという話ではなく、機器と囲いの組合せを確認する担当を明確にすることが目的です。

囲いを製作してから風の問題が分かった場合に、どこを修正できるかも先に考えます。格子部分を交換できる構成なら、壁や家具全体を壊さず調整できる可能性があります。

ただし、修正前提で不確かな案を進めるのではなく、事前に適合を確認したうえで、施工誤差や将来の機器変更へ対応できる余地を残す考え方です。意匠図にも取り外せる範囲を明示してもらいましょう。

深澤の判断と次の行動

私の判断は、エアコンの囲いは隠す箱ではなく、吸込みと吹出しを成立させる部材として設計することです。まず機種の据付図と囲いの断面図を空調業者へ渡してください。清掃・試運転・交換まで確認したうえで製作すれば、外観

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ