Q.「窓の断熱性能」と「ガラスの断熱性能」は同じ?
Uw値とUg値の違いは?
A.同じではありません。Ug値は主にガラス中央部、Uw値は枠やガラス端部を含む窓全体の熱の伝わりやすさを示します。窓を比較するときは、ガラスだけの優れた数値を窓全体の性能と取り違えず、今回採用する仕様のUw値を確認してください。
どの部分の数字かを先に確認する
熱貫流率のU値は、小さいほど熱を伝えにくいことを表し、単位はW/(m²・K)です。ただし、同じUという文字でも、何を対象に評価した値かが重要です。ガラスの数値と、枠を含む窓の数値を、そのまま同じ欄で比べることはできません。
Ug値がよいガラスを使っても、枠や端部を通る熱がなくなるわけではありません。窓全体では、ガラスの性能と面積、枠の性能と面積、接続する端部などを含めて評価します。カタログに大きく載った数字がUgかUwか、脚注まで読んでください。
例えば、ある資料の「0.7」がUg値、別の資料の「1.2」がUw値なら、数字だけを見て前者の窓が高性能とは判断できません。これは指標の違いを示す仮の例です。両方について窓全体の評価値と、その評価に用いた条件を求めます。
「ガラスの断熱性能が二倍」という広告も、家全体の暖かさが二倍になるという意味ではありません。比較対象のガラス、評価方法、枠の扱いを確認します。住宅全体の断熱性能は、ほかの窓、壁、屋根や床も含む外皮計算で確かめる必要があります。
採用する窓と性能資料を対応させる
窓のシリーズ名が同じでも、開き方、ガラスの構成、寸法、防火仕様などで評価条件が異なる場合があります。代表的な試験体の数値なのか、今回の寸法で求めた数値なのかも確認します。資料の値を使うときは、採用仕様が適用範囲に入っていることが必要です。
見積もりの「Low-E複層ガラス」という記載だけでは、窓全体の仕様は確定しません。枠、ガラス、中空層、ガス、スペーサーなどの組合せと、その仕様に対応した性能の根拠を確認します。ガラスの名称だけで比較を終えないでください。
窓の一覧表で揃えたい項目
・メーカー、製品名、開き方と採用する寸法。
・ガラス構成、ガス、中空層とスペーサーの仕様。
・窓全体の熱貫流率と、評価方法・適用条件。
・図面の窓番号と、見積もり・外皮計算との対応。
性能証明の資料に、建具とガラスの組合せで評価した値が示される場合もあります。すべての資料が同じ形式とは限りません。設計者には、どの方法の数値を外皮計算へ使い、今回の仕様とどう照合したかを説明してもらいます。
窓を変更した場合は、変更後の製品と計算を揃えます。打ち合わせの途中で窓の種類やガラスが変わったのに、最初の参考プランの数値だけが残っていないかを見ます。最終仕様書と計算結果の版を合わせて受け取ることが大切です。
Uw値が小さくても、日射の入り方、結露、開閉のしやすさまで一つの数値で決まるわけではありません。日射熱取得率はNo23、窓の開き方はNo26で別に確認します。用途の違う指標を一つにまとめない方が、選ぶ理由を説明しやすくなります。
費用を比較するときも、Ug値だけを揃えて同等品と判断せず、窓全体の仕様を比べます。ガラスだけを高性能にした案と、枠や端部まで改善した案では、変更する範囲が違います。差額がどの部材と性能に対応するかを示してもらってください。
窓の見積もりを比べるときは、窓番号の横へ性能資料の該当ページを記入すると便利です。後から品番が変わった窓も追いやすくなり、営業説明、設計、発注の間で同じ仕様を確認できます。
住宅会社には「この数字はガラスだけですか、窓全体ですか。今回の窓の性能資料を見せてください」と聞きます。その一問で、広告の印象から、自宅へ取り付く製品の確認へ話を進められます。
関連する質問
22 樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシは何が違う?枠を通る熱をどう比較しますか?
25 ガラスの端にある「スペーサー」で性能は変わる?窓の縁の冷えと結露にどう関係しますか?
27 同じ製品でも窓を大きくすると断熱性能は変わる?ガラスと枠の面積比は関係しますか?
参照資料 W01、W02、W08










