別居している子どもが建て替え費用を全額負担します。親が最後まで安心して住み続けるためには、どんな準備が必要ですか?
Q
64歳です。県外に住んでいる長男が、「実家は将来自分が戻るから、建て替え費用は全部出すよ」と言ってくれています。私はその家に住み続ける予定ですが、もし子どもの事情が変わったり、万が一のことがあった場合でも、最後まで安心して住み続けられるようにしたいと思っています。親の居住権を守るにはどうすればよいのでしょうか?
結論
子どもが建て替え費用を全額負担する場合でも、親が安心して住み続けられるように、「住む権利」を事前に整理しておくことが重要です。
特に、
- 土地・建物の名義
- 親が住み続ける権利
- 将来の売却
- 相続
まで考えて契約や遺言を準備することをおすすめします。
「家族だから大丈夫」と考えず、書面で残しておくことが、ご家族全員を守ることにつながります。
建物が子ども名義になると…
建築費を子どもが全額負担し、
建物も子ども名義になるケースがあります。
その場合、
法律上は、
建物の所有者は子どもです。
将来、
子どもの事情が変われば、
家の取り扱いにも影響する可能性があります。
親が住み続けるための方法
例えば、
次のような方法があります。
① 使用貸借契約
親が無償で住み続ける契約を結ぶ方法です。
② 賃貸借契約
親が家賃を払い、
借家人として住む方法です。
契約内容によっては、
居住の安定性が高まる場合があります。
③ 遺言書を作成する
子どもが先に亡くなるなど、
予期しない事態に備え、
遺言で親の住まいについて意思を残すことも有効です。
④ 家族信託を検討する
将来の認知症や相続まで考えるなら、
家族信託も選択肢になります。
相続時にも注意
子どもが先に亡くなった場合、
その配偶者や子ども(孫)が相続人となるケースがあります。
その結果、
親が住み続けることについて、
話し合いが必要になることもあります。
だからこそ、
事前の準備が重要です。
建て替え前に確認したいこと
家族で、
次の内容を話し合いましょう。
- 土地は誰の名義?
- 建物は誰の名義?
- 親はいつまで住む?
- 将来売却する可能性は?
- 相続はどう考える?
シニア世代が専門家へ相談したいこと
建て替え前に、
次の専門家へ相談すると安心です。
- 司法書士
- 弁護士
- 税理士
- ファイナンシャルプランナー
居住権・相続・税金を総合的に確認しましょう。
建て替えるなら長く住める住宅性能を
親御様が安心して暮らすためには、
住宅性能も重要です。
おすすめは、
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 制震装置
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下(山梨県など地域区分5・6の目安)
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
- 第一種熱交換換気
- 高齢者等配慮対策等級
- 長期優良住宅
親世帯・子世帯ともに、
長く安心して暮らせる住まいになります。
法律・制度の根拠
親の居住を守るためには、
- 民法
- 借地借家法
- 相続税法
などが関係します。
また、
2020年の民法改正で創設された配偶者居住権は、亡くなった配偶者の建物に住み続けるための制度であり、親子関係には原則適用されません。
そのため、
親子間では、
使用貸借契約や賃貸借契約、遺言、家族信託などを組み合わせて検討することが重要です。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、
「子どもがお金を出して建ててくれる」
という建て替え相談は増えています。
とてもありがたいお話ですが、
私たちは、
**「建てること」よりも、「最後まで安心して住めること」**を大切にしています。
そのため、
建築前には、
- 土地名義
- 建物名義
- 親御様の居住方法
- 相続
- 家族信託
まで含めてご提案しています。
必要に応じて、
司法書士や税理士とも連携し、
ご家族全員が安心できる仕組みづくりをお手伝いしています。










