「子どもに家を残さない」と決めています。あえて30年を目安にコストを抑えて建てる考え方は間違っていますか?
Q
61歳です。子どもは県外に住んでいて、将来この家に住む予定はありません。私たち夫婦が住む家なので、「30年くらい快適に暮らせれば十分」と考えています。あえて建築費を抑え、30年程度を目安に建てるという考え方は間違っているのでしょうか?
結論
「30年住めれば十分」という考え方自体は間違いではありません。
しかし、
耐久性や耐震性、断熱性能まで下げてコストを抑えることはおすすめできません。
建築費を抑えるなら、
- 家を小さくする
- 設備をシンプルにする
- 間取りを工夫する
ことでコストダウンを図り、
建物の基本性能は妥協しないことが大切です。
「30年住めればいい」という考え方
60代で建て替える方の中には、
「子どもへ家を残すつもりはない」
という方も少なくありません。
その場合、
必要以上に大きな家や豪華な設備は不要かもしれません。
この考え方は合理的です。
間違えやすいポイント
「30年しか住まない」
↓
「性能も最低限でいい」
これは別の話です。
例えば、
断熱性能が低い家では、
30年間、
毎年高い光熱費を支払い続けることになります。
耐震性能が低ければ、
大地震への備えも十分ではありません。
コストを抑えるなら性能ではなく「広さ」
おすすめは、
- 40坪ではなく28〜30坪
- 4LDKではなく2LDK〜3LDK
- 使わない部屋を作らない
- 水回りをまとめる
など、
無駄な面積を減らすことです。
建築費も維持費も抑えられます。
メンテナンス費も考える
外壁や屋根は、
将来の維持費に大きく影響します。
初期費用だけでなく、
30年間の総額で考えましょう。
子どもへ負担を残さない家とは
本当に子どもへ負担を残さない家とは、
- 売却しやすい
- 解体しやすい
- 管理しやすい
住宅です。
性能が高く、
シンプルな間取りの家ほど、
将来の選択肢が広がります。
シニア世代が住宅会社へ相談したいこと
建て替え前に、
次のように相談しましょう。
- 30年間住む前提なら最適な広さは?
- 将来売却しやすい間取りですか?
- 維持費はいくらくらいですか?
- メンテナンス費も含めた総額を教えてください。
- 必要最低限でも性能は確保できますか?
30年住むならおすすめの住宅性能
住む期間に関係なく、
次の性能は確保することをおすすめします。
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
- 第一種熱交換換気
これらは「子どものため」ではなく、
これから30年間を快適に暮らすご自身のための性能です。
法律・制度の根拠
住宅の耐震・断熱性能は、
- 建築基準法
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)
- 建築物省エネ法
などに基づいています。
性能を下げることで初期費用は抑えられる場合がありますが、
長期的な光熱費や修繕費は増える可能性があります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、
「私たちの代で終わる家だから、できるだけ安く建てたい」
というご相談をいただきます。
私たちは、
その考え方を否定することはありません。
ただし、
「安く建てる」ことと、「性能を落とす」ことは別だと考えています。
例えば、
家をコンパクトにすることで建築費は抑えられますが、
断熱性能や耐震性能を下げてしまうと、
その後30年間の暮らしが快適ではなくなる可能性があります。
そのため私たちは、
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 断熱等性能等級6
- 長期優良住宅
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
という住宅の基本性能は維持しながら、
広さや設備を最適化することで、
**「必要なものにはしっかり投資し、不要なものにはお金をかけない家づくり」**をご提案しています。
30年しか住まない家ではなく、30年間ずっと快適に暮らせる家。
それが結果的に、ご自身にとっても、お子さまにとっても負担の少ない住まいになると私たちは考えています。










