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夫42歳・借入3,000万円を28年返済|教育費ピーク中でも70歳までに完済できる?住宅資金シミュレーション

月々10万9,399円を払えるか。それだけでは、この住宅計画は判断できません

今回のモデルは、夫42歳・年収680万円、妻39歳・パート年収180万円、子ども13歳と10歳の4人家族です。土地・建物・付帯工事等を含む新築総額は3,400万円。頭金400万円を支払い、3,000万円を28年間で返済します。

最初に確認したのは、住宅会社や金融機関が示す「借りられる金額」ではありません。確認したのは、教育費と生活防衛資金を守ったまま、夫70歳までに住宅ローンを返し切れるかです。

入力数値は一致しています。

  • 土地代1,000万円
  • 土地・造成・地盤関係費200万円
  • 建物本体1,900万円
  • 付帯・外構・諸費用300万円
  • 合計3,400万円

さらに、総額3,400万円から頭金400万円を引くと、住宅ローン借入額は3,000万円です。ここに数値の不一致や二重計上はありません。ただし、付帯・外構・登記・諸費用300万円の内訳は、契約前にもう一度確認する必要があります。

結論はB。「返せる設計」ではあるが、「余裕がある設計」ではありません

総合判定は、Bの「条件付きで進行可能」です。

住宅ローンを繰上返済しなくても夫70歳で完済するため、返済期間だけを見れば希望条件を満たしています。それでもA判定にしない理由は、建築後に残る預金500万円が、最低限残したい現金500万円と同額だからです。

つまり、生活防衛資金の基準は割り込んでいませんが、基準を超える現金は0円です。教育費、車の買替え、建物修繕、医療費などで想定以上の支出が発生した場合、住宅ローンを繰上返済する余裕はありません。

「70歳で完済できる」と「教育費や将来支出まで含めて余裕がある」は、同じ意味ではありません。

住宅ローン返済額は、月10万9,399円のままではありません

借入額3,000万円、返済期間28年、元利均等返済、ボーナス返済なしで計算すると、返済額は次のように変わります。

  • 当初5年間・年1.5%:月10万9,399円
  • 6年目から10年目・年2.0%:月11万5,445円
  • 11年目以降・年2.5%:月12万409円

現在の家賃は月9万円です。単純比較では、当初から月1万9,399円増え、11年目以降は月3万409円増えます。

しかも、新築後には固定資産税、火災地震保険、将来の修繕積立などが必要です。これらは入力されていないため、本計算には含めていません。住宅ローンの月額だけを現在家賃と比べて「家賃並み」と判断することはできません。

通常返済で70歳完済。追加返済は0円です

通常返済を続けた場合の計算結果は、次のとおりです。

  • 完済年齢:夫70歳
  • 総返済額:約3,949.9万円
  • 総利息:約949.9万円
  • 65歳時点残高:約678.5万円
  • 70歳時点残高:0円

したがって、70歳完済までに必要な追加返済額、必要な月額積立額、必要な一時繰上返済額、総額の減額目安は、いずれも0円です。

ここは、この計画の強みです。光熱費削減や投資資産の売却に頼らなくても、入力された返済条件どおりなら70歳で完済できます。

ただし、夫65歳からの再雇用年収は300万円です。65歳時点で約678.5万円の残高があり、そこから5年間返済が続きます。妻は夫68歳時点で65歳となり、入力上は退職します。夫68歳以降の世帯税込年収は、夫の再雇用収入300万円だけになります。

年収は税込であり、税金・社会保険料を引いた手取り収入は未確認です。65歳以降の実際の返済余力は、融資申込前に必ず再計算する必要があります。

建築後の預金500万円は「余裕資金」ではありません

建築前の預金は900万円です。頭金400万円を支払うと、建築後に残る預金は500万円です。

投資資産100万円は別にありますが、売却する指示がないため、頭金や生活防衛資金には充当していません。建築後の金融資産合計は600万円でも、すぐに使える預金は500万円です。

最低限残したい現金も500万円なので、差額は0円です。

この500万円を、繰上返済、大学費用、車の買替え、修繕費へ簡単に使ってはいけません。生活防衛資金を使った瞬間に、病気、失業、収入減少、設備故障などへの備えが不足するからです。

教育費ピークは、住宅ローン開始とほぼ同時に来ます

第一子13歳、第二子10歳のため、教育費負担は建築直後から高い状態になります。現在学年は入力されていないため、文部科学省の公立学校の学習費総額を使い、年齢基準の簡易モデルで確認しました。

年齢基準では、夫44歳から46歳ごろに、第一子の高校相当と第二子の中学校相当が重なります。物価上昇率年0.8%を反映した最大年は夫46歳・妻43歳で、年間約117.6万円です。

現在から第二子18歳までの公立学校の学習費総額は、物価調整後で約720.5万円です。

ただし、この金額には大学・短大・専門学校の学費、自宅外通学の家賃や生活費は含まれていません。大学費用は0円計上です。

入力された塾・受験費用は年間60万円ですが、文部科学省の学習費総額には学習塾や学校外活動費が含まれています。そのため、年間60万円をさらに足すと二重計上になる可能性があり、本計算では追加していません。受験料や入学準備金など、調査項目で十分に捉えられない費用は別途確認が必要です。

将来支出は、入力額だけで1,100万円あります

住宅ローン以外に、次の将来支出が入力されています。

  • 夫48歳:車買替え250万円
  • 夫55歳:建物修繕150万円
  • 夫58歳:車買替え250万円
  • 夫65歳:建物修繕150万円
  • 医療予備費:300万円

入力額の合計は1,100万円です。車と修繕費に物価上昇率年0.8%を反映し、医療予備費は時期未確認のため入力額のままとすると、参考総額は約1,192.8万円です。

この金額を建築後の預金500万円から一括で用意できるわけではありません。生活防衛資金とは別の口座で、必要時期までに積み立てる必要があります。

特に夫48歳の車買替えは、住宅取得から6年後です。教育費ピークと時期が近く、早期の繰上返済をすると現金不足を招く可能性があります。

光熱費削減分を使えば、約67歳10か月完済の参考値です

現在の光熱費は年間30万円、新築後予測は年間20万円で、削減見込額は年間10万円です。

年間10万円を専用口座へ積み立て、50万円に達するたびに期間短縮型の繰上返済を行う参考計算では、繰上返済は5回、累計250万円となり、完済は夫67歳10か月ごろまで早まります。総利息は約864.1万円で、通常返済より約85.8万円減ります。

しかし、この結果を前提に住宅計画を組んではいけません。年間10万円の削減は保証値ではなく、家族人数、在宅時間、設定温度、電気料金単価によって変わるからです。

さらに今回の調整案では、第二子が高校を卒業するまで繰上返済を行わず、大学進学資金を確認するまで削減分を現金で保有します。この方針を優先すると、現時点で約束できる繰上返済額は0円です。

通常返済だけで70歳完済できるため、利息を約85.8万円減らすことより、教育資金と現金を守ることを優先します。

3つの返済案を比較すると、おすすめは「急がない返済」です

第1案は、繰上返済を行わない案です。夫70歳で完済し、総利息は約949.9万円です。

第2案は、光熱費削減見込額を全額繰上返済へ回す案です。夫67歳10か月ごろに完済する参考値ですが、教育費や大学費用より繰上返済を優先することになります。

第3案は、第二子の高校卒業まで削減分を現金で保有し、大学資金を確認してから余剰資金だけで繰上返済を再判定する案です。現時点では完済年齢70歳、繰上返済0円として扱います。

おすすめは第3案です。住宅ローンを早く返すことより、必要な時期に必要な現金があることの方が、この家族には重要です。

土地を100万円下げても、頭金を100万円減らしても、完済年齢は70歳です

土地価格を100万円下げ、借入額を2,900万円にすると、当初返済額は月約10万5,753円まで下がります。総額と借入額が同時に下がるため、家計負担を軽くする効果があります。

一方、頭金を100万円減らすと、建築後預金は600万円へ増えますが、借入額は3,100万円、当初返済額は月約11万3,046円へ増えます。手元現金を100万円増やせる代わりに、毎月返済と総利息が増える調整です。

どちらも返済期間を28年のままにする限り、完済年齢は70歳です。

外構後施工は、300万円の内訳が分からないため金額を計算できません。借入から外しても費用が消えるわけではなく、将来の現金支出として残ります。建物面積削減も坪単価が入力されていないため、見積り確認が必要です。

なぜAではなくBなのか

通常返済で70歳完済できるなら、Aでもよいように見えます。しかし、A判定は「ローンが期限内に終わる」だけでは足りません。

今回Aにしなかった理由は、次の4点です。

  1. 建築後預金500万円が最低希望額と同額で、余裕が0円
  2. 教育費ピークが建築直後から始まる
  3. 大学・短大・専門学校費用が0円計上
  4. 車・修繕・医療予備費が入力額だけで1,100万円

この4点を確認せずにA判定を出すと、「借りられたから安全」という誤解を招きます。

契約前に決めるべき6項目

  1. 付帯・外構・登記・諸費用300万円の内訳と二重計上の有無
  2. 税金・社会保険料を引いた夫婦の手取り月収
  3. 固定資産税、火災地震保険、年間修繕積立を含む入居後住居費
  4. 子ども2人の現在学年と、大学等への進学方針
  5. 6年後の車買替え250万円をどの口座で準備するか
  6. 65歳時点の住宅ローン残高と、再雇用条件の再確認方法

この6項目を確定し、生活防衛資金500万円を維持したうえで大学資金と将来支出の積立が可能なら、A判定へ近づきます。

最終結論

この計画は、住宅ローンだけを見れば70歳で完済できます。しかし、建築後預金に余裕がなく、教育費ピークと将来支出が同時に始まるため、現時点で「余裕のある計画」とは判定しません。

借りられる金額は3,000万円でも、安全に返せる金額は、手取り収支、大学進学費用、固定資産税、保険料、修繕積立を確認して初めて確定します。

デザインハウス甲府の住宅資金シミュレーションは、住宅ローンを通すための資料ではありません。家を建てた後も、教育費と生活防衛資金を守り、返済を続けられるかを事前に確認するための一次判断です。

「月々いくらなら借りられるか」ではなく、「何歳までに、何を守りながら返し切るか」。契約前に、総額と将来支出を一緒に確認してください。

※本資料は概算・暫定計算です。金融機関の融資承認や将来の収支を保証するものではありません。退職金・年金・大学費用・手取り収入は未確認または未計上です。

教育費の出典

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」令和8年1月16日訂正版
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00002.html

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