なぜ私は家庭(家)を売るのか
第36話 山梨県で家を建てるなら「C値を測らない家」で本当にいいですか?――高気密は言葉では証明できない
こんにちは。
デザインハウス甲府の深澤敏仁です。
前回は、
「断熱等級6だから暖かい」
という言葉だけで住宅を判断してほしくない、というお話をしました。
今回は、そこからもう一歩踏み込みます。
テーマは、
C値と気密測定です。
最近では、
「高断熱高気密住宅」
という言葉を掲げる住宅会社が増えました。
しかし私は、ここで一つ疑問があります。
高気密住宅と言うのであれば、その家のC値を実際に測っているのでしょうか。
今回は少し厳しい言い方をします。
私は、
測っていない家について、
「高気密です」
と言い切ることには違和感があります。
なぜなら、
実際の気密性能は、実際に建てた家で測らなければ分からないからです。
【結論】山梨県で高気密住宅を建てるなら、C値の「実測」を確認してください
C値とは、住宅にどの程度の隙間があるのかを示す数値です。
一般的には、数値が小さいほど隙間の少ない住宅ということになります。
しかし大切なのは、
カタログに書かれた参考値ではありません。
モデルハウスの数字でもありません。
過去に建てた「最高記録」でもありません。
あなたが実際に住む、その家のC値です。
だから私は、住宅会社に、
「C値はいくつですか?」
と聞くだけではなく、
「私の家でも気密測定をしますか?」
と聞いてほしいと思っています。
ここは大きな違いです。
UA値とC値は同じものではない
住宅性能について調べ始めると、
UA値という言葉を知る方が増えてきます。
UA値は、住宅の外皮からどの程度熱が逃げやすいかを表す断熱性能の指標です。
一方、C値は住宅の隙間を表す気密性能の指標です。
この二つは別物です。
例えば、
どれだけ高性能な断熱材を使っても、
施工された建物に隙間が多ければどうでしょう。
計画した住宅性能を十分に発揮しにくくなる可能性があります。
例えるなら、
真冬に高性能なダウンジャケットを着ていても、
ファスナーが開いたままだったら寒い。
少し乱暴な例えですが、
考え方としては分かりやすいと思います。
断熱材だけを見るのではなく、
建物全体で性能を考える必要があるのです。
C値の特徴は「完成した家で測れる」こと
私がC値を重視する理由は、
単に数値が好きだからではありません。
C値には大きな特徴があります。
実際に施工した建物の状態を測定できることです。
住宅は現場でつくられます。
大工さん。
電気工事。
設備工事。
配管。
窓。
さまざまな工事が組み合わさって一棟の家になります。
図面上では同じ住宅でも、
施工によって実際の状態は変わります。
だから私は、
「この仕様だから高気密になるはずです」
よりも、
「実際に測定したら、この数値でした」
の方を信用します。
住宅会社の自信ではなく、
測定結果で確認する。
数千万円を支払うお客様から見れば、
その方が分かりやすいのではないでしょうか。
なぜデザインハウス甲府では全棟測定するのか
デザインハウス甲府では、C値について全棟で気密測定を行うことを基本にしています。
私は、
一部の住宅だけ測れば良いとは思っていません。
モデルハウスだけ良い数字が出ても、
お客様の家が同じ性能になるとは限らないからです。
住宅性能で本当に大切なのは、
会社の最高記録ではありません。
お客様の一棟がどうだったのか。
ここです。
例えば住宅会社が、
「当社ではC値0.3を記録しました」
と広告していたとします。
それ自体は素晴らしいことです。
しかし私がお客様なら聞きます。
「それはどの家ですか?」
「平均ではどうですか?」
そして一番大切なのは、
「私の家も測ってくれますか?」
です。
私は住宅性能について、
広告の数字より、
自分が住む家の数字を見てほしいと思っています。
C値が小さければ、それだけで良い家なのか
ここも誤解してほしくありません。
私はC値を非常に大切にしています。
しかし、
C値が小さければ小さいほど、それだけで最高の家になる
と言っているわけではありません。
C値0.3なら幸せ。
C値0.5なら不幸。
そんな話ではありません。
住宅は、
断熱。
気密。
窓。
換気。
日射。
冷暖房。
耐震。
間取り。
そして予算。
これらのバランスで成り立っています。
気密性能だけを極端に追いかけ、
家づくり全体の予算を大きく超えてしまえば、
それも私は違うと思います。
数字は目的ではありません。
家族が快適に、健康に、安心して暮らすための手段です。
ここを忘れてはいけません。
気密と換気はセットで考える
気密性能について話すと、
「隙間が少ないと息苦しくないのですか?」
と聞かれることがあります。
ここで重要になるのが換気です。
高気密住宅では、
必要な換気を計画的に行うことが重要になります。
逆に隙間が多い住宅では、
どこから空気が入って、
どこから出ていくのか、
計画通りにコントロールしにくくなります。
だから私は、
高気密と換気を別々に考えてはいません。
気密性能を高める。
その上で、
計画した場所から新鮮な空気を入れ、
計画した場所から排気する。
さらに熱交換型換気を採用するのであれば、
外へ捨ててしまう熱をどの程度回収できるのかまで考える。
断熱・気密・換気はセットです。
「第一種換気だから高性能」
「高気密だから快適」
一つの設備や数字だけで判断するのではなく、
家全体で考える必要があります。
山梨県では気密性能が暮らしにどう関係するのか
山梨県で暮らすことを考えてみます。
甲府市、甲斐市、南アルプス市、中央市、笛吹市など甲府盆地周辺では、
冬の朝には気温が下がり、
夏には厳しい暑さがあります。
北杜市や富士吉田市などでは、
また異なる気候条件があります。
そんな環境の中で、
冬に暖めた空気が隙間から逃げやすい。
夏に冷やした空気が計画通り維持できない。
これでは冷暖房設備を一生懸命動かすことになります。
結果として、
快適性だけではなく、
光熱費にも関係してきます。
私は、
「C値が良いから自慢できる」
という発想ではなく、
家族が冷暖房を無駄なく使える家庭(家)にするために気密性能が必要
だと考えています。
私は「電気代が怖いから我慢する家」をつくりたくない
前回もお話ししましたが、
私は家族に暑さや寒さを我慢してほしくありません。
夏、
「電気代が高いからエアコンを切ろう」
冬、
「暖房代がもったいないから少し寒いけど我慢しよう」
そんな家庭(家)にしたくないのです。
もちろん住宅性能だけで電気代が決まるわけではありません。
家族構成。
生活時間。
設定温度。
設備。
太陽光発電。
さまざまな条件があります。
しかし住宅会社として、
建物側でできることはやる。
それが私たちの責任だと思っています。
断熱性能を考える。
気密性能を測る。
窓を考える。
換気を考える。
冷暖房を考える。
それを一つずつ積み重ねて、
暮らしやすい家庭(家)をつくる。
私はそれが高性能住宅だと思っています。
「高気密です」と言われたら、もう一つ質問してください
これから山梨県で住宅会社を回る方に、
ぜひ聞いていただきたい質問があります。
住宅会社から、
「当社は高気密高断熱です」
と言われたら、
こう聞いてみてください。
「では、私の家のC値も測っていただけますか?」
これだけです。
そして、
「測ります」
と言われたら、
次に聞いてください。
「結果はお客様に渡していますか?」
ここまで聞けば、
住宅会社が気密性能をどのように扱っているのかが分かってきます。
難しい住宅知識を全部覚える必要はありません。
数千万円の買い物なのですから、
分からないことは住宅会社に聞けば良いのです。
そして住宅会社には、
専門用語を並べるのではなく、
お客様が理解できるように説明する責任があると私は思っています。
数字を公開する住宅会社でありたい
私は、
住宅業界はもっと数字を公開して良いと思っています。
価格もそうです。
性能もそうです。
測定結果もそうです。
「詳しくは来場してください」
「金額は打合せしてから」
「性能は高性能です」
それだけでは、
お客様は比較できません。
私は、お客様に比較してもらって構わないと思っています。
価格も見てください。
UA値も見てください。
C値も見てください。
耐震性能も見てください。
その上で、
デザインハウス甲府を選ばないという判断になっても構いません。
大切なのは、
お客様自身が分かった上で選ぶことです。
私は、それが正直な家づくりだと思っています。
【この記事の答え】C値を測らない家で本当にいいのか?
最終的に判断するのは、お客様です。
しかし私自身が家を建てるのであれば、
気密性能を重視する住宅なのに、C値を一度も測らない家にはしません。
理由は単純です。
測れるからです。
実際に建てた家の気密性能を確認できるのであれば、
私は確認したい。
そして住宅会社としても、
お客様に確認していただきたいと思っています。
ただし、
C値だけで住宅会社を決める必要もありません。
UA値。
窓。
換気。
日射。
冷暖房。
耐震。
価格。
住宅ローン。
そして、
その家で家族がどんな人生を送るのか。
全部つながっています。
私はC値を売っているわけではありません。
高気密という言葉を売っているわけでもありません。
測定した数字の先にある、
冬暖かく、
夏快適で、
家族が安心して暮らせる生活。
その生活を支える、
家庭(家)を売りたい。
私はそう思っています。
おわりに
家づくりとは、
建物をつくることではありません。
家族の未来をつくることです。
だから私は、
今日も家ではなく、
家庭(家)を売っています。
デザインハウス甲府
深澤敏仁










