マイホームの購入を検討する際、「住宅ローンを少しでも減らしたい」「老後に借金を残したくない」という理由から、退職金を頭金に大きく充てる方は少なくありません。
一見すると非常に堅実な選択に思えますが、退職金を使いすぎてしまうと、家は新しくなってもその後の生活が一気に苦しくなってしまうリスクが潜んでいます。
本記事では、山梨県で注文住宅を建てる世代に向けて、90歳まで安心して暮らすための正しい住宅予算の立て方と資金計画のポイントを徹底解説します。
1. 退職金を頭金に「全部」使うことの大きなリスク
退職金が1,500万円あるうち、1,000万円を頭金に回せば、住宅ローンの元本も毎月の返済額も、支払う総利息も大幅に減らすことができます。
しかし、それだけで「老後の安心を手に入れた」と言い切ることはできません。
残された現金はたったの500万円
1,000万円を頭金として住宅に換えてしまうと、手元に残る現金は500万円となってしまいます。ローンが軽くなったとしても、この先20年、30年と続く長い老後の生活をその現金だけで本当に守り抜けるでしょうか?資金計画は、そこまで細かく確認して初めて成り立つものです。
2. なぜ「90歳までの資金計算」が不可欠なのか?
「90歳までの資金計画」は大げさな話ではありません。厚生労働省の統計データによると、日本の平均寿命・生存率は以下のようになっています。
-
65歳女性の約64% が90歳まで生存する見込み
-
65歳男性の約38% が90歳まで生存する見込み
つまり、定年退職を迎えた後、約25年分(人によってはそれ以上)の老後資金が必要になる可能性を想定しておく必要があります。
小さな赤字が招く「老後破産」へのカウントダウン
もし「年金収入」よりも「毎月の生活費」が3万円多かった場合:
-
月3万円の赤字 = 年間36万円の不足
-
25年間で計900万円の赤字
現役時代には気にならないような小さな毎月の赤字も、老後という長いスパンでは数百万〜一千万円単位の大きな資金不足に直結します。
3. 山梨県特有のライフスタイルと「大型支出」の現実
生活費のやりくり以外にも、ライフステージの変化に応じたまとまった出費(大型支出)が必ず発生します。特に車社会である山梨県においては、以下のようなコストを計算に入れておく必要があります。
-
車の買い替え費用(複数台所有する家庭も多く、維持費や数年ごとの買い替えは必須)
-
医療・介護費用(年齢とともにリスクが上昇)
-
家の修繕・メンテナンス費用(外壁や屋根、水回りのリフォーム)
-
家電の故障・買い替え
-
物価上昇(インフレ)リスク
「家」は現金化できない資産である
現金であれば、万が一急に300万円が必要になったときに一部を取り崩すことができます。しかし、住宅に姿を変えた資金は、必要な分だけを切り分けて現金化することはできません。
さらに、山梨県内では地域や立地条件によって、住宅の再販(売却)や換金が難しいケースも少なくありません。「家は生活を守る現金の代わりにはならない」という現実をしっかりと認識しておく必要があります。
4. 失敗しない!正しい住宅予算・資金計画の順番
住宅ローンの頭金を決めるとき、多くの人が「手元にある退職金のうち、いくら使えるか」から逆算しがちです。しかし、この順番を逆にしては絶対にいけません。
正しい資金計画のステップは以下の通りです。
-
生活予備資金をしっかりと確保する
-
車の買い替え、家電、医療・介護などの大型支出の予算を確保する
-
将来の住宅修繕費を確保する
-
残った範囲の金額で「頭金」を決定する
つまり、頭金に使えるのは「退職金の総額」ではなく、「老後生活の不足額」「大型支出」「予備資金」をすべて差し引いた、本当に最後に残った金額なのです。
5. 頭金は複数パターンで「多角的に比較」する
頭金の金額を「500万円」「800万円」「1000万円」などのパターンでシミュレーションしてみましょう。
比較する際は、単に「毎月の返済額がいくらになるか」だけを見てはいけません。
-
完済年齢は何歳になるか
-
90歳時点での預金残高はどうなっているか
これらを総合的に比較・判断することが不可欠です。住宅ローンを「0(ゼロ)」に近づけることだけが、必ずしも正解とは限りません。多少ローンが残っても、手元に十分な現金があり、無理なく返済を続けられる方が圧倒的に安全です。
6. まとめ:退職金は「いくら使えるか」ではなく「90歳でいくら残せるか」
大切なのは、「建てた後の生活をしっかり守れるかどうか」です。 「退職金をいくら使えるか」ではなく、「90歳になったときにいくら現金を残せているか」を基準に資金計画を立てましょう。
デザインハウス甲府では、退職金・預貯金・公的年金・住宅ローンをすべてひとまとめにして、長期的なライフプランをシミュレーションする無料の「資金計画の窓口」を開設しています。山梨県で後悔しないマイホームづくりをしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。










